エンロン事件

アメリカの大手エネルギー会社エンロン(Enron Corporation)が起こした、巨額不正会計事件。別名「エンロン・ショック」。

エンロンは1985年に会社が誕生して以来、当時としては最先端だったデリバティブ取引をエネルギー業界に採用し、海外の事業にも積極的に進出した。世界41各国で大規模プロジェクトを手がけ、瞬く間に全米を代表する大企業に成長する。

2000年度の年間総売上で全米第7位にまでなったエンロンの不正会計疑惑が明るみ出たのは2001年10月のことだった。株式市場からの信頼も高く、安心した投資先として評価されていたエンロンだったが、実際は経営者の指示で海外事業の失敗で発生した損失をSPC(特別目的会社)に逃がす簿外債務、売り上げの水増しなどの粉飾決算を繰り返していたことが表面化する。そして、事件発覚からわずか2か月後に160憶ドル超とも言われる債務超過から倒産した。
さらに、エンロンに端を発して、大手電気通信業者ワールドコムをはじめ、複数の大手企業も粉飾決算を行っていたことが続々と判明、全世界に大きな衝撃が走った。

事件の特徴のひとつは、本来中立的な立場で企業の財務報告を厳しく監視すべき監査法人アーサー・アンダーセンや、顧問法律事務所も違法行為・不正の協力者として事件に関与していたことにある。財務状況も問題なく優良企業と思われていたエンロン社の株は世界中で買われており、粉飾決算疑惑発覚後の株価大暴落、倒産により、多くの株主が資産を失い、従業員2万人以上が職を失った。
エンロン事件の余波は株主、従業員に留まらず、債権者・取引先など全ステークホルダーに及んだ。

大勢の人生に影響を及ぼしたエンロンの粉飾決算から始まる一連の大手企業経営者による不正会計指示に危機感を覚えたアメリカ政府は、上場企業経営の透明化を目的に、コーポレートガバナンスの仕組みを大々的に改革を行ない、投資家を保護するための新しい法案であるSOX法が誕生することとなった。時価主義会計が事件発生の一因であり、同様の事件は後に日本でも発生し大きな話題を呼んだ。

同事件以降、特にBIG4(デロイトEY、KPMG、PwC)に代表される会計系ファームでは、監査業務の独立性を担保するため、監査業務とコンサルティング業務を切り分けられていた。
しかし近年、各監査法人は監査部門とは独立した形のコンサルティング部門を持ち、コンサルティング業務に再び力を入れているようになっており、同部門におけるコンサルタント募集が増えてきている。
会計系ファームはグループ内の企業にどんな違いがあるのか分かりづらいことも多いが、現在のような業態となるのにエンロン事件は大きく関わっており、会計系ファームの面接を受ける際には、エンロン事件で何が起きたのかを知っておいて損はない。

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