O2O(Online to Offline)

O2OとはOnline to Offlineの略で、ネットからリアルへの誘導という意味合いで使用される。近年ではネットとリアルの融合が当たり前となっており、消費者の購買行動はネットとリアルをシームレスに行きかうようになっている。消費者はネット店舗でもリアル店舗でも購買を行うし、またネットの情報を基にリアル店舗で購買を行ったり、リアル店舗でウィンドーショッピングを行ったうえで最終的な購買はネット店舗で行ったりする。その意味において、ネットからリアルへの誘導の重要性が極めて高まっており、O2Oというワードが使われるようになった。

また上記の変形として、Offline to Online(リアルからネットへの誘導)やOnline to Online(ネットの中での誘導)などといった言葉も使われることがある。極端な例でいえば、ある消費者が小売店舗を訪れた時に、小売店がアプリを経由してクーポンを発信し(Offline 2 Online)、消費者がクーポンを見たついでに特売商品の情報を獲得してその商品を購買する(Online to Offline)といった形で、消費者がネットとリアルを行き来する。この際、アプリ側はユーザーの過去の購買履歴を介し(顧客の承諾がある場合はその小売店以外でのものも含め)、クーポンの選定につなげるといったことも行われる。

O2Oというと新しい言葉に聞こえるが、端的に言えばウェブを閲覧している消費者に対して何らかのアクションを行い、リアル店舗に誘導することであるため、概念としては古くから存在する。新しい点としては、単に広告を打つだけでなく、企業が自身のウェブサイトでのショッピング機能を強化し、自社のサイトとリアル店舗を回遊するような流れを作ろうとしていることや、広告技術自体の進歩・多様化が挙げられる。
広告技術の多様化して、SNSを使ったインフルエンサーマーケティングやターゲット広告など様々なものが存在するが、それらは結果として消費者の購買に至る動線の複雑化につながっている。そのため、O2Oは単独で議論されることもあるが、多くの場合はクロスチャネルでのマーケティングの一要素としてオンラインをどのように位置づけ、どういった使い方をしていくのかといった議論が重要になる。

経営コンサルティングファームも、ある企業の経営課題を解決する際にデジタルマーケティングの存在を無視することが出来なくなってきている。そのため、広い意味での経営コンサルファームを受ける際には、O2Oやオムニチャネルなど、デジタルマーケティングに関連する用語も押さえておいたほうが無難であろう。

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