オフショア開発

オフショア開発とは、ソフトウェア/システム開発業務を海外企業、海外現地法人に委託することを指す。英語ではoffshore development。

人件費削減、利益増加がオフショア開発の狙い。中国、ベトナム、インドなど、高いIT技術と安価な労働力を有する国が受注先に選定されるケースが多い。
言語・文化が異なることから、円滑なコミュニケーションが容易ではなく、作業の進捗速度や、完成品のクオリティに依頼者との誤差が生じやすいなどの問題点もある。
海外企業への依頼は、システムインテグレーターを通じて行われることが一般的。

オフショアの「ショア」とは本来「岸」を意味しており、オフは「OFF(離れる)」の意味なことから、オフショアは岸から離れた沖合、転じて海外を意味する単語としてビジネスシーンでは使われるようになった。

ITの普及やソーシャル・ゲームアプリの競争が激しくなった近年では、深刻なIT技術者不足や、高騰する人件費に企業が悩まされている。
通常開発費用の大半を占めるのは人件費であり、リソースを安く確保すればするほど収益が高まる。そこで、国内と同等以上の高い技術を有するインド、ベトナムなどをはじめとした新興国に開発業務をアウトソースする割合が急激に増加している。

オフショア開発の受け入れ先企業は、インドからスタートしたと言われているが、その後中国、ベトナム、インドネシア、マレーシア、フィリピンなどでも活発化し、現在ではロシア、ブラジルなど広範囲で行われている。

特にベトナムでは政府がIT技術者育成に力を入れており、2020年には年間の100万人の技術者をIT業界への就業を目的にして独自に教育プログラムに取り組むなど、優秀な人材の宝庫と言われる。
賃金軽減、収益増加面では大きなメリットがあるが、時差、民族性、言語の違いから依頼・受注両者の相互理解に齟齬が生じやすく、コミュニケーション不足、納期遅延、品質、情報漏洩の可能性も指摘されている。

オフショア開発は海外へのアウトソーシングであり、IT系コンサルティングファームではこの分野をソリューションとして注力するファームも存在する。
オフショア開発についてはある程度普及しているキーワードかもしれないが、何故普及してきたのかという背景については、とりわけIT系コンサルファームを受ける上では押さえておきたい。

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