PwCコンサルティングPricewaterhouseCoopers
企業について
プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、ディールアドバイザリーとコンサルティングサービスを提供するグローバル大手総合系コンサルティングファームであり、世界4大会計事務所の一角を占める巨大ファームである。
日本の監査法人では、あらた監査法人がそのメンバーファームとして提携関係にある。
1849年にロンドンにて創業以後、成長を続け、現在では世界約154カ国にオフィスを展開、161,000人以上のスタッフを抱える。グローバルの本拠地はロンドン。日本国内では、東京、大阪、名古屋にオフィスを有している。組織再編や事業改革など、企業の自立的成長戦略を提供する「コンサルティング」と、事業の立ち上げを迅速・効率化するM&Aや提携など企業の外部成長戦略を提供する「ディールアドバイザリー」の二つの分野を上手く連携、機能させることによって、顧客企業の価値向上を中長期的にサポートしている。
また、PwCグローバルネットワークの専門性やナレッジを活用するとともに、PwC Japan における監査(あらた監査法人)・税務(税理士法人プライスウォーターハウスクーパース)といったスペシャリストと連携し、多様化、複雑化する経営課題の解決に適した支援体制を構築している。
2009年にべリングポイント(2002年8月に朝日アーサーアンダーセンとKPMGコンサルティングの事業統合により設立)の一部を買収。プライスウォーターハウスクーパースコンサルタントとなる。翌2010年1月1日に、PwCアドバイザリー株式会社とプライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社(旧ベリングポイント)が経営統合、プライスウォーターハウスクーパース株式会社」となった。(同日、さらにこれにプライスウォーターハウスクーパースHRS株式会社が参画。)
この経営統合により、PwCは経営・戦略コンサルティングサービスの一層の拡充に成功している。
近年、PRTM、ブーズ・アンド・カンパニー、マーバルパートナーズなど、多数の買収を行ってきたPwCジャパンは、2016年3月1日に大規模な組織変革を実行。
プライスウォーターハウスクーパースのコンサルティング部門、PwCストラテジー株式会社(旧ブーズ)、PwC PRTMマネジメントコンサルタンツを統合し、「PwCコンサルティング合同会社」を設立。
※PwCの他部門は2016年3月の同組織変革により以下のように再編されている。
ディールアドバイザリー→PwCアドバイザリー合同会社(プライスウォーターハウスクーパース株式会社から社名変更。)
旧マーバルパートナーズ→プライスウォーターハウスクーパース マーバルパートナーズ
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代表者代表執行役CEO 大竹 伸明
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設立PwCジャパン 1999年
PwCコンサルティング合同会社 2016年 -
所在地東京都千代田区丸の内2-6-1 丸の内パークビルディング
News & Topics
理念
以下にPwCの行動規範を引く。
PwC PurposeとValuesの実践
PwCのカルチャーは、ファーム内外からの期待や要望に基づくフレームワークを支えに発展し続けています。こうした期待や要望が私たちの行動の指針となり、以下に挙げた私たちの信頼を築くことに役立っています。
ビジネス活動における信頼を築く
お互いの信頼を築く
社会における信頼を築く
情報利用における信頼を築く社会における信頼を構築し、重要な課題を解決するために、私たちがクライアントや同僚と協働する際に…
Act with integrity
- 正しいと思ったら声を上げる、それが困難と感じるときほど
- 最高のクオリティを期待し、生み出す
- 自分自身のレピュテーションが問われているかのように決断し行動する
Make a difference
- 常に世の中の情報に通じ、その将来について自分の意見を持つ
- 同僚、クライアント、そして社会と共に、行動を通じてインパクトを生み出す
- 絶えず変化する環境にスピード感をもって対応する
Care
- すべての人を個人として尊重し、その人にとって何が大切なのかを理解する
- 一人ひとりの貢献を認め合う
- 周りの人の成長をサポートし、その人が最も能力を発揮できるやり方を尊重する
すべての人を個人として尊重し、その人にとって何が大切なのかを理解する
- 様々な境界を越えて協働し、人脈、アイデア、知識を共有する
- 多種多様な視点、人材、アイデアを求め、それらを結びつける
- 双方向のフィードバックを通じて、互いを高め合う
すべての人を個人として尊重し、その人にとって何が大切なのかを理解する
- 現状に挑戦することをいとわず、新しいことを試す
- 創造する、試す、失敗から学ぶ
- いかなるアイデアに対しても先入観を持たない
PwCサイトより引用
沿革
PwCは元々、「プライス・ウォーターハウス(Price Waterhouse)」と「クーパース&ライブランド(Coopers & Lybrand)」という別々のファームであったが、1998年に両社が合併。
これにより「プライスウォーターハウスクーパース(PricewaterhouseCoopers)」が発足した。
プライスウォーターハウス
- 1849年
- 会計士サミュエル・ローウェル・プライス(Samuel Lowell Price)がロンドンに事務所を設立。
- 1865年
- サミュエル・ローウェル・プライスがウィリアム・ホーリーランド(William Holyland)、エドウィン・ウォーターハウス(Edwin Waterhouse)とパートナーシップを締結。(ウィリアム・ホーリーランドは後に独立)
- 1874年
- プライス・ウォーターハウス&カンパニー(Price, Waterhouse & Co.)として知名度を上げる。
- 1997年
- クーパー&ライブランドとの合併を発表
クーパース&ライブランド
- 1854年
- ウィリアム・クーパー(William Cooper)がロンドンに会計事務所を開設。
- 1861年
- ウィリアム・クーパーのオフィスに彼の兄弟が合流し「クーパース・ブラザーズ」となる。(Edwin Waterhouse)とパートナーシップを締結。(ウィリアム・ホーリーランドは後に独立)
- 1898年
- アメリカでロバート・モンゴメリー(Robert H. Montgomery)、ウィリアム・ライブランド(William M. Lybrand)、アダム・ロス・ジュニア( Adam A. Ross Jr.)T・エドウィン・ロス(T. Edward Ross)がライブランド・ロス・ブラザーズ&モンゴメリーを設立。
- 1957年
- クーパース・ブラザーズとライブランド・ロス・ブラザーズ&モンゴメリー、カナダのマクドナルド・カリー&カンパニーが合併。「クーパー&ライブランド」となる。
- 1997年
- プライス・ウォーターハウス&カンパニーのと合併を発表
プライスウォーターハウスクーパース
- 1998年
- PWとクーパースの合併を実施、現在のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)となる。
- 2000年
- ヒューレット・パッカードに対してコンサルティング部門の売却を図るがこれに失敗する。
- 2002年
- コンサルティング部門の分社化を検討するも、IBMへの売却を決定する。
売却後のコンサルティング部門は、IBM ビジネスコンサルティング サービス(現:日本IBM)となる) - 2009年
- べリングポイントの一部を買収。
- 2010年
- PwCアドバイザリー株式会社とプライスウォーターハウスクーパースコンサルタント株式会社(旧ベリングポイント)が経営統合。
- 2011年
- PRTMを買収。
- 2014年
- ブーズ・アンド・カンパニー(Booz & Co)を買収。
- 2015年
- マーバルパートナーズを傘下に収める
- 2016年
- コンサルティング部門とPwCストラテジー、PwC PRTMマネジメントコンサルタンツを統合し「PwCコンサルティング合同会社」を設立。
従来のPwCは「PwCアドバイザリー合同会社」に社名変更。
サービス
インダストリー
- 自動車
- 素材・鉄鋼・化学・繊維
- 重工業・産業機械
- 医薬
- 消費財業界・小売・流通
- 航空・運輸
- ハイテク
- 情報通信
- 総合商社
- 銀行
- 不動産
- ノンバンク
- 保険
- 公的機関
- 教育
- ヘルスケア
ファンクション
- ディールアドバイザリー
- 事業再生サービス
- トランザクションアドバイザリ
- バリュエーション
- 官民パートナーシップ
- 不動産
- 戦略
- ファイナンス
- CRM
- SCM
- HRM
- ガバナンス
- テクノロジー
求める人物像
PwCでは、新卒、中途採用ともに実施している。
中途採用については通年採用となっており、異業種からの転職希望者やコンサルティング未経験者にも門戸を開いている。
従って、MBAなどの資格保有は採用の条件とはならないが、その一方でアドバイザリー業務・会計・IT・ビジネス全般に関する資格はコンサル業務に有意義であると歓迎される傾向があり「公認会計士試験合格者採用」という枠がある。
また、グローバルファームでありながら英語などの語学力も必須条件ではない。(ただし、当然グローバルプロジェクトへの参画は困難なため、語学に自信がない場合は、同社の語学研修プログラムの利用が推奨される。)
キャリアパス
PwC入社後は、経験や能力により以下の内適切なポジションでキャリアをスタートさせていくことになる。
また、同社では「ジョブローテーション」と呼ばれる全社員を対象とする異動制度があり、これは戦略的人材育成を目的としている。
他にも「オープンエントリープログラム」という社員自ら異動希望を出すことのできる異動支援制度があり、同社員は、こうした柔軟な制度の下でキャリアアップをしていく。
アソシエイト
担当業務、作業の遂行、クライアント担当者との信頼構築など、シニアマネージャーに適宜指示、サポートを仰ぎながら、コンサルタントとして必要やスキルと専門性を身に付けるステージ。
シニアアソシエイト
担当業務、作業の遂行や、クライアント担当者との信頼構築に加え、後輩やアソシエイトの指導が求められるステージ。
マネージャー・シニアマネージャー
作業スケジュールの管理や品質の管理などを行う。現場責任者としてのステージ。
ディレクター
プロジェクトのスコープ、進め方、方向性を決定するステージ。
クライアントのキーマンとの信頼構築やスタッフの指導に加え、継続してプロジェクトを受注することが求められる。
マネージングディレクター
ディレクターの業務に加え、パートナーが行う業務(経営参画)などにも携わるポジション。
パートナー
複数のプロジェクトに対して責任を負う立場。新規クライアントの開拓やチームマネジメントの他、PwC自体の経営にも参画するステージ。
トレーニング
Core Skill Training Courses
PwCでは中途入社社員のために、コンサルティング業務に必要なスキルの強化を図る集合合宿研修を行っている。
このトレーニングではプレゼンテーションスキル、ドキュメンテーション(議事録作成)スキル、情報を構造化するロジカルシンキングなど、コンサルタントに必要な基礎スキルに加え、課題解決のシュミレーションまでを行っている。
コンサルタントとしての知識、スキル、立ち居振る舞いの習得は勿論、ファームとクライアントの"Client-for Life"関係を構築し、進化させていくための能力向上を目的としたトレーニングで、他業種からの転職者でも、スムーズに立ち上がれるよう配慮されている。
e-Learning
同社独自のe-Learningシステム「LE Navi」により、いつでもどこでも必要な研修を受けることができる。
社員の声
PwCグループは、それぞれ別法人ではあるが、監査、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、法務の専門家が連携し、ワンストップでのサービス提供を実現している。
そのため、様々なバックグラウンドを持った人材が集結していることが特徴の一つである。
あるディレクターの弁を以下に引く。
私がPwCに転職して一番驚いたのは、挑戦へのドアが常に開いていることです。
自分がやりたいことやチャレンジしたいことをいつでもチャレンジできる環境にあります。
そしてそのチャレンジの成功が見えはじめたとき、新たな挑戦へのドアがすでに開いており、さらなるチャレンジができるという環境にあります。
もちろん自分の配属されるプロジェクトがいつも自分の希望通りということではありません。自分がチャレンジをしたいという気持ちがあれば、プロジェクト以外でもチャンスの機会はいくらでもあるということです。
そして、いくつかのチャレンジを通じて、自分が本腰を据えて取り組める業界やソリューションやクライアントをみつけることができたら、その達成にむけて挑戦することができるということです。
私の場合は、複数の業界やいくつかのソリューション経験を経て、自分が生涯かけてコンサルをしたいと思える複数のクライアントと出会えることができました。
そのクライアントに何ができるかを追求することで、結果として多くのソリューションに関与し、リレーションができ、今ではPwCに入社した時には想像すらできなかったリードポジションになることができました。
そして、今ではそのポジションに満足することなく、さらなる高みを目指して新しいチャレンジをしています。PwCコンサルティング公式サイトより引用
転職に際して同社を選んだ理由に、様々なバックグラウンドの人材が集結し、それぞれが各領域のプロフェッショナルとしてキャリアを進めることができる点を挙げる女性マネージャーの声を引く。
「更なる専門性構築のため、PwCへ」と彼女は語る。
前職のコンサルティングファームでは証券会社とグローバルという二軸を兼ねたプロジェクトに携わることができたものの、複数プロジェクトを経て、自身の専門業務領域を持てていないことに不安感を抱くようになりました。
コンサルティングという仕事は、ジュニアのうちは業務知識が多少不足していても、思考力である程度プロジェクトに関わることができます。
しかし年次を追うごとに当然ながらクライアントの期待値も増し、より専門的な業務知識や他社事例を踏まえた上でクライアントにとって最適なアドバイスを提供することが求められます。
PwCでは、前職と比較すると、より組織態勢が業務領域起点になっていること、よりキャリアパスの志向と専門領域を重視してプロジェクトのアサインが決まることがPwCを選んだ理由のひとつです。
また、メンバーが実際に明確な専門性を有しているので、自身の目指すところをイメージできました。PwCコンサルティング公式サイトより引用
両者の言葉からは、ジェネラリストではなく「プロフェッショナル」としてより専門性の高いキャリアを磨くことのできる同社の特徴が垣間見れる。