ゼロベース思考
ゼロベース思考とは、前提条件や既存の枠組み、過去の事例、慣習や常識などにとらわれず、白紙の状態= ”ゼロ” から物事を考える思考法のこと。
ゼロベース思考は、物事を考えるときに制約や限界などを取り払うことで、思考の自由度を高めて、問題解決の糸口をつかむ点に特徴がある。
既存の枠組みの延長線上では、どうしても思考の幅が狭くなりがちとなり、飛躍的、革新的なアイデアは生まれにくい。
そこで、「一度何もない ”ゼロ” の状態を ”ベース(基礎)” として考え直す」というのがこの言葉の由来。
コンサルティングファームをはじめ、日本のビジネスシーンにおいてよく用いられる和製英語である。
ゼロベース思考は、新しいアイデアや斬新な解決方法が必要な際に有用である。
前提知識や先入観、慣習や常識といった既成概念を捨てて物事を客観視、俯瞰視することで、既存の枠組みからは生まれない、新しく創造的なアイデアを産むことが期待できる。
しかし一方で、前提条件が無視できないものである場合、ゼロベース思考は成り立たないことがある。
たとえば、国際問題の解決において、宗教や言語、民族構成といった個々の前提条件を無視することはできない。それらを無視した紛争解決は上辺だけのものとなってしまい、遠からず破綻してしまうだろう。
つまり、すべてのケースにおいてゼロベース思考が有効というわけではない。主に行き詰まった局面の打開といった「既存の枠組みでうまくいかないときの突破口」を模索するような場合など、時と場合を選ぶ必要がある思考法だといえる。
ビジネス環境の複雑化が進み、過去の事例や既存の枠組みだけでは生き残れなくなった現代において、過去の監修や常識にとらわれずに新たなアイデアを生み出す「ゼロベース思考」が注目を集めている。
コンサルティングファームへの転職にあたっては、「仮説思考」とともにコンサルタントの基礎素養として押さえておきたい思考法のひとつである。
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