ファイブフォース分析

ファイブフォース分析とは、ある事業の事業環境が将来どのようになるか、またその変化が自社の事業にとってプラスとなるかマイナスになるかを評価し、将来の事業戦略を考えるためのフレームワーク。
5つの要素から業界をとらえるフレームワークで、自社の属する事業を中心に、買い手、サプライヤー、新規参入、代替品の4つを加えた5つを見る。自社の属する事業とそれら4つの関係性、及び事業内での競争環境を評価する。
具体的には①買い手の交渉力、②供給業者の交渉力、③代替品の脅威、④新規参入の脅威、⑤競合との競争状況の5つを踏まえ、既存の事業領域における戦略策定や、事業領域のシフト等の検討を行う。

5つの要素で具体的に見ていく要素は下記の通り。

1,買い手の交渉力(顧客業界と自社業界のパワーバランス)

買い手側にとって選択肢がどれだけあるか。極端な例として電力業界は自由化前では買い手側に選択肢がなく電力業界側が強かったが、自由化後はパワーバランスが変わり、電力業界の立場が弱まった。

2,供給業者の交渉力(サプライヤー側と自社業界側のどちらが強いか)

①同様、買い手側にとって選択肢がどれだけあるか。自動車業界はコア技術が完成車メーカーにあり、完成車メーカーの交渉力が強かったが、自動運転技術に秀でたメガサプライヤーの出現により、電装系などでは供給業者の交渉力が高まりつつある。

3,代替品の脅威(代替品業界側と自社業界側のどちらが強いか)

代替品業界が自社業界を脅かすような技術革新や顧客ニーズの変化は存在するか。ゲーム機業界は長らく参入障壁の高い業界だったが、スマホの登場により、ニーズを大きく食われることになった

4,新規参入の脅威(他業界からの新規参入は活発か)

技術や事業資産等による参入障壁はどの程度高いか。航空機関連産業は、航空機グレードと呼ばれる厳しい安全水準により極めて参入障壁が高いが、安全にかかわるため今後も参入障壁は高いままであると想定される。

5,競合との競争環境

プレイヤー数やプレイヤー間のすみわけの度合いなど。一定規模のプレイヤーが多いほど競争環境は厳しくなり、価格プレッシャーなども強まる。

ファイブフォースは、マイケル・ポーターが提唱したことで有名なフレームワークである。コンサルティングファームのケース面接でも、特に外的要因を分析する際に使われることが多い。

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