CRM

CRM(シー・アール・エム)は、Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)の略である。
顧客に関するマネジメント手法のひとつ。一方で営業やマーケティングにおける「顧客情報の管理システム」という認識も浸透している。
顧客との関わりや、それに伴う業務を効率的にマネジメントしていくには、CRMシステムの活用が有効である。

物資が満たされた世の中で、人々の購買意欲は下がってきており、現代人の購買や利用の動機は、「モノ」ではなくなってきている。
そもそも買うか買わないか、もしくは、どの企業のモノを選ぶかなどの顧客の選択基準や動機も変化している。
モノそのものよりも、魅力や関心が持てるか、共感できるかなど心理的なものへのシフトが見られる。
また、対応やサービスによって、受ける印象も大きな選択要素となる。

モノを売り込む場合、顧客の購買意欲を引き出すためには、興味を惹き、心を掴む必要がある。
また、売りっぱなしでは、顧客の心理は大きくネガティブに振れるため、売ってからのアフターサービスも重要となる。

売れるほどに顧客の数は増えるが、顧客増加に比例させて常時マンパワーを確保することは、企業にとっては負担とリスクが大きい。
たとえ人を増やせたとしても、顧客ニーズの多様化には到底追い付けるものではない。
ひと頃のように画一的なサービスで一定の顧客満足を得ることは難しく、経験則や勘にも頼れなくなっている。
個々の顧客のニーズに沿って対応できなければ、競争の激しい中で販売機会を繰り返し逃しかねない。

こうした課題の解決に用いられる顧客マネジメント手法、或いはそのためのシステムがCRMである。
代表的なCRMシステムにはSalesforceやMicrosoft Dynamicsなどがある。

CRMでは、顧客を担当する社員はもちろん、会計を管理する人も、問い合わせに対応する人も、企業全体で顧客情報を共有する。
各接点でインプットされれば、個々の顧客の状況や心理を適切に分析した対応も可能になる。
このように、時には迅速な即時対応、時にはベストタイミングの対応をしていくために、それぞれの顧客についての詳細情報を記録し、データ管理、分析などを行っていく。

また、CRMの一つとして、優良顧客への優遇が挙げられる。
これはマーケティングにおいて全体の売上の8割は顧客全体のうち上位2割の優良顧客によるものであるというパレートの法則に基づくものである。

総合系ファームを中心にCRM専門チームが存在するなど、コンサルティングメニューの中では一般的かつ代表的なものである。
CRM専門チームを受ける際はもちろんのこと、一般的なコンサルファームを受けるのであれば、最新のCRMに関するトレンドや、Salesforceなどの具体的なCRMツールなどについて、基本的な内容は押さえておきたい。

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