コンサルタント転職の基礎知識
企業の経営課題解決というやりがいのある仕事と、高額な年収、さらには有力な“ハブキャリア”としても、注目を集めているコンサルタントへの転職。
狭き門として知られるコンサルティングファームからの内定を獲得し、コンサルタントとして活躍するには、どうすればよいのでしょうか?
この記事ではコンサルティングファームに転職したい方や、コンサルタントになりたいと考える方に向て「未経験者がコンサルタントになるためには?」「コンサル転職の選考時に資格や英語力は必要なのか?」などの疑問点にお答えします。
代表的なコンサルティングファームの分類、ファーム内でのキャリアパスや年収水準などのコンサルタント転職の基礎知識を知り、希望のコンサルティングファームからの内定を獲得しましょう。
Index
未経験でコンサルティング業界へ転職できる人とは?
コンサルタント(consultant)とは、民間企業や公共機関などのクライアントに対して、高度な専門知識と幅広い知見に基づき、情報収集・現状分析・解決策提案と実行支援を行うプロフェッショナル人材のことです。
そして、クライアントの経営を支援するための戦略立案、実行支援を業とする会社のことをコンサルティングファームと言います。
コンサルティングファームは、数万人規模の大所帯から、数名程度の小規模な組織まで、数多く存在します。
コンサルタントの仕事
「解決策の提案」がコンサルタントの主業務
コンサルタントの仕事は「クライアント企業の課題解決を支援すること」です。
そのために、コンサルタントはクライアント企業の現状を把握し、複雑に絡み合った課題を整理し、解決策を提示します。
企業の実態を把握するために、クライアントの経営幹部だけでなく、クライアント企業の顧客や従業員と直に話をし、課題解決の糸口を見つけるといった作業をすることも珍しくありません。また、グローバル展開するコンサルティングファームでは、海外オフィスにある知見を入手して、解決策の策定に役立てることもあります。クライアント企業内に蓄積されているデータや新たに集めたアンケート結果などの、定量データを様々な角度から分析することで見えてくる事実もたくさんあります。
それらの膨大な情報を構造化し、課題を整理し、解決策を考えます。根気よく課題に向き合い、ビジネスゴールを達成するために尽力するのが、コンサルティングファームのコンサルタントの役割です。
「解決策の実行支援」へ拡大するコンサルタントの仕事
「解決策の提示」が主業務であったコンサルタントの仕事も、昨今では「解決策の実行支援(インプリメンテーション)」まで踏み込んで行われるケースが増えています。
実際、マッキンゼーやボストンコンサルティンググループなど、従来は提案や助言を強みとしていた外資戦略系コンサルファームにおいても、新たな成長領域として専門チーム設立するなど、実行支援機能を強化しています。
実行支援(インプリメンテーション)は、現場での具体的な成果を求められる業務であり、組織に新しい業務が定着するまでには時間がかかるため、実施期間も長期にわたります。その過程では単に「正しい」解決策を提示するだけでなく、クライアントの現場社員に行動を変革してもらうために、地道なコミュニケーションと小さな改善を積み重ね、粘り強く努力することが求められます。
一般的には華やかなイメージのあるコンサルタントという仕事ですが、現実ではとてもリアルで人間臭い仕事と言えるでしょう。
「フィーベース」から「バリューベース」へと変化するコンサルの仕事
「解決先の提示」から「解決策の実行支援」へと進んだコンサルティング業界の流れは、一部ではさらにその先に進み、実際にクライアントと一緒に資金を出し合って会社を作るなどして、問題解決のためにリアルの事業に取り組むコンサルティングファームも現れてきています。
この背景にはコンサルティングファームが解決策を実施した結果について、顧客とともにリスクを分かち合う「リスクテイキング」の発想があります。
従来の「時間当たりの単価×時間」というコンサルティングフィーに基づいたビジネスの枠を超え、実際に生み出した価値(バリュー)に対して報酬を得るという新たな段階にコンサルティングファームは直面しています。
実際に、顧客と資金を出し合って会社をつくることで一緒にリスクを取り、事業に取り組むコンサルティングファームの例は、アクセンチュアをはじめとする大手総合コンサルファームや国内戦略系コンサルファームなどで行われています。このようなビジネスモデルは、もはやクライアントというよりも運命共同体のビジネスパートナーとしての関係性といえるでしょう。
コンサルティングプロジェクトのテーマ例
コンサルティングプロジェクトのテーマの幅も年々広がってきています。
例えば近年は、大企業の既存事業の先行きの不透明さから既存事業の改革のみならず、新規事業開発やM&A戦略、ベンチャー企業とのアライアンスに関する依頼が増えています。直近では、コロナ禍によってデジタルトランスフォーメーション(DX)需要が急拡大しました。また、いよいよ多くの企業がSDGsやESGへの対応を加速していく必要があり、これらの案件数も増加傾向にあります。そのため、社会課題解決に関心を持つビジネスリーダーの転職先としても、人気が高まっています。
コンサルタントの仕事の幅は10年前では考えられないほど広がっています。今後も社会の変化や企業からの要請によって、その範囲はますます拡大していくでしょう。
コンサルティング業界の市場規模は?
昨今、コンサルティング業界はこれまでにないほどの活況を呈しており、市場規模は成長を続けています。その背景には、日本企業を取り巻く競争環境の激化に伴い、既存事業のビジネスモデル再構築や新規事業の立ち上げなどの大規模な変革の必要性が増していることがあります。特に、M&Aとそれに伴う組織統合、DX推進、CVC運営、SDGs推進など、社内では対応の難しい新しいテーマが増加し、コンサルティングファームの需要が増しているのです。
IDC Japanの調査によると、国内コンサルティング市場の年間平均成長率(2021~2026年)は8.8%で、2026年には市場規模がおよそ8732億円になると予測されています。コンサルティングファームが支援する経営課題や対象企業は広がっており、産業規模は今後ますます大きくなるでしょう。
未経験でコンサルティング業界へ転職できる人とは?
未経験でコンサルティングファームへの転職を成功させた方はどのような方なのでしょうか。まずは、コンサルティング業界における中途採用の実情について解説します。
中途採用において、コンサル未経験者が占める比率は意外に高い
コンサルティング業界のマーケット拡大を受けて、各ファームは採用を活発化させており、未経験者も続々と採用されています。選考ハードルが非常に高いと評されるコンサルティング業界ですが、その門戸が大きく広がっているのです。近年では、コンサルティング業界全体の中途採用に占める未経験者の比率は、8割程度とも言われています。そのため、未経験者でも早期に活躍できるように、多くのコンサルティングファームにおいて人材育成体制の整備が進んでいます。
人材市場の市況によって入社難易度は変化する
転職活動の難易度は、人材市場の市況によって大きく変化します。現在、コンサルティング業界は好景気による人手不足であり、未経験で転職するには大変良い時期と言えるでしょう。一方で、市況が悪化するとその門戸はぐっと狭くなります。実際、リーマンショック後の2008~2009年には、外資戦略系コンサルティングファーム出身者であっても、他のコンサルティングファームへ転職することが厳しかったほどです。同じコンサルファームの選考でも、時期によって難易度は大きく変わるのです。
このように転職において市況はとても大切な要素となります。好況時に転職活動を行い、不況時は動かないというのが、キャリア設計における基本的な考え方です。将来は転職することでキャリアアップしたいと考えている場合には、人材市場の最前線にいるプロと継続的にコンタクトをとり、随時市況を確認することをお勧めします。
未経験でコンサルティング業界へ転職できる年齢は?
採用が活発化する中、コンサルティング業界の採用基準にも大きな変化が起きています。以前であればコンサル業界未経験者の採用は、20代~30代半ばまでがほとんどでした。しかし、現在はこの年齢の上限に広がりが見られます。コンサルティング未経験であっても、30代後半や40代での採用が行われるケースも珍しくなくなってきています。スキルセットによっては、50代のコンサル未経験者であっても転職が実現した事例もあります。
以前であれば、コンサルティングファームに求められる業務といえば、課題抽出と解決策の提案が主業務でした。しかし昨今では、「解決策の実行支援」まで行うことがスタンダードとなっています。それに伴い、各業界の業務に精通していることや組織をリードした経験などが、これまで以上に評価されるようになりました。また、AI・デジタル、サスティナビリティなどの新しい領域の知見が必要となり、当該領域に豊富な経験を持つ人材は多くのファームから高い評価を受けています。コンサルティングファームの採用基準が職務経験を重視するように変化する中、30代後半以上の方も積極的に採用するようになってきているのです。
コンサルティングファームへ転職できる職種や職務経験は?
コンサルティングファームに未経験で転職できる人材は、大企業での経営企画やマーケティング、M&Aなどの業務経験者が中心といったイメージがあるかもしれません。しかし、実際は、多種多様な職歴の方が活躍しています。外資系企業出身者もいらっしゃれば、日系企業の出身者もいらっしゃいます。規模も大企業から中小・ベンチャー企業まで、実にさまざまです。それだけでなく、医師や公務員、大学の研究者など、民間の事業会社での勤務経験がない方々もコンサルタントとして大変活躍しています。30代半ばくらいまでの方には、広く開かれた業界と言えるでしょう。
一方で、前職までの専門性や職歴が決め手となり、30代後半や40、50代のコンサル業界未経験の方が、コンサル転職を実現させる例も出てきています。M&AやIT・DX関連の経験はもちろんのこと、昨今では地政学やサスティナビリティ領域、官公庁向けのリサーチ業務に精通する人材も積極的に採用しています。
コンサルティング業界への転職で求められる学歴とは?
コンサルティングファームへ転職する際に、学歴や出身大学名などはどこまで影響するのでしょうか。確かに他業界に比べると名門大学出身であることが重視される傾向はあるものの、この数年ほどでそのハードルはだいぶ変化しました。ここでは、コンサル転職において求められる学歴の実態についてご紹介したいと思います。
コンサルへの転職で出身大学名はどの程度重要なのか
従来の外資系戦略コンサルティングファームでは、東大をはじめとする旧帝大、一橋大、東工大、早大、慶大などの出身者を中心に採用を行っており、出身大学に関する門戸は非常に狭いものでした。しかし、近年はその様相が変わってきており、関東圏・関西圏の有名私立大の出身者も積極的に採用を行うなど、門戸が広くなっています。
また、組織規模が急拡大している総合系コンサルティングファームでは、更にその傾向が強くなっています。アクセンチュアやBig4(DTC、PwC、KPMG、EY)のような大手総合系コンサルティングファームでも、スキルや専門性によっては大卒でない方も含めて検討されるなど、かなり幅広く対象とされています。
もちろん、名門大学のご出身であれば、有利であることには変わりはありません。出身大学をどのように採用基準として勘案しているかなどの詳細については、コンサルティングファームのカテゴリー別の記事もご参照ください。
コンサルティング業界への転職でMBAはどの程度評価されるのか?
コンサルタントを目指す上で名門大卒であることは有利ですが、MBA卒であることはどの程度評価されるのでしょうか。
多くのコンサルティングファームの選考において、ハーバード大学やスタンフォード大学などの著名な海外MBAを修了していると転職時に有利となります。しかし、コンサルティングファームへの転職においてMBAの取得は必須ではありません。既に名門大学を卒業されている方がコンサル転職を目的とするならば、MBA取得のために大きな労力や長い年月、多大な費用をかけるよりも、選考対策の準備を行なうことの方が近道となります。
もちろん、MBA留学には、経営理論に関する見識を身につけることができたり、海外のビジネスリーダーとのネットワークを培ったりするといった、大きな魅力が多々あります。ここでは、あくまでコンサル転職を目的とするならば、MBA取得はMUSTではないという趣旨としてお伝えしていることをご注意頂ければと思います。
また、コンサルティングファームへの転職に挑戦するか、MBA留学をするかで悩んでいるという方もいらっしゃる場合、一度転職活動をしてみることもおすすめです。転職活動をしてみた結果、志望するコンサルティングファームから内定をもらった場合は、そのまま転職すればよいでしょう。しかし、希望通りに転職活動が進まなかった場合は、MBA取得後に再チャレンジできるため、コンサル転職を実現させる確率が高くなるからです。
コンサルティング業界で必要な資格・有利なスキルは?
転職活動では、専門領域の知見やスキルを証明するために「資格」が必要だと考える方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、転職に役立つと言われる難関資格やスキルが、コンサルティングファームへの転職活動において、実際にどの程度の影響があるのかを解説します。
コンサルティング業界への転職で、難関資格はどの程度評価されるのか?
コンサルティングファームへの転職を考え、難関資格として知られる公認会計士やUSCPA、中小企業診断士などの取得を検討される方もいらっしゃることでしょう。たしかに、財務系コンサルティングファーム(FAS)へチャレンジする際には、公認会計士やUSCPA、税理士などの資格を取得していると有利になる面があります。
しかし、経営戦略立案やマーケティング戦略、業務改善、新規事業開発などのプロジェクトを行うコンサルティングファームを目指す場合には、これら難関資格の取得をしてもあまりメリットはありません。コンサルティングファームへの内定を目指すためであれば、資格取得に大きな労力と長い時間をかけるよりも、面接などの選考対策に注力するほうが効率的だと言えます。
コンサルティング業界への転職で求められる英語力のレベルは?
コンサルティング業界は、多言語(特に英語)を話すことができる人材が多い業界です。近年はクライアント企業の海外進出支援に関するプロジェクトも増えているため、英語を話せる人材が求められる傾向があります。
そのため、外資系コンサルティングファームの中には、選考時に高度なビジネス英語力を求められる企業もあります。マッキンゼー社がその代表例です。
もちろん、多くのコンサルティングファームでは、選考のポイントとして英語力をMUST要件として採用している訳ではありませんので、英語を話せない人でもコンサルティング業界へのチャレンジは十分に可能です。
コンサルティングファームによっては、内定者に英会話の講習を受けさせたり、海外留学でビジネス英会話の取得を支援してくれたりするなど、社員の英語力向上をバックアップしてくれる企業もあります。
コンサルティングファームが期待する人物像とは?
コンサルティングファームで期待される人物像や素養は、各ファームにより細部は異なるものの、主に下記の3点に集約されます。転職時にすべてを高度な水準で身についている必要はありませんが、入社後に習得できる人物かどうかを選考では確認されます。
1:論理的思考能力・問題解決能力
コンサルタントの仕事の基本は、クライアント企業の課題を発見し、解決方法を考えることです。クライアントの社内にも優秀な人材はたくさん存在します。あえてコンサルタントに仕事を発注するからには、必然的にかなり難度の高い問題となります。そのため、クライアントから評価される価値を発揮するには、人並みの思考力では難しく、高度な問題解決能力は必須と言えます。また、提案内容を論理的に伝えることができないと、クライアントから納得が得られません。説得力のある論理展開ができる能力もコンサルタントに必須の素養といえます。
2:高度なリーダーシップ・人間力
昨今は、課題解決の提案のみにとどまらず、実行支援まで踏み込んだプロジェクトが行われています。この際に必要なのは、ロジック面の説得力だけでなく、ステークホルダーを巻き込むリーダーシップや人間力です。もちろん、関係者全員の感情に配慮した高度なリーダーシップや人間力は、一朝一夕に身につくものではなく、プロジェクトを経験する過程で身についていくものです。そのため、ファームの面接時にはその素地が確認されています。なお、論理的思考能力が確認されていると思われがちなケース面接においても、ディスカッションパートナーとして建設的に話し合うための聞く姿勢、関係者を巻き込むためのコミュニケーション能力などが確認されているので注意が必要です。
3:高い成長意欲・素直さ
コンサルタントは、一定期間ごとに新しいプロジェクトに参画し、貢献することが期待されます。プロジェクトがはじまると極めて短い期間で、新しい業界、新しいテーマへキャッチアップしなければなりません。そのため、高い成長意欲や旺盛な好奇心は必須といえます。コンサルタントは、企業の経営課題の解決に向けて、高度な専門性と幅広い知見を持って対応する社外のプロフェッショナルです。そのためにたゆまぬ努力をし、成長することを楽しめる人物かどうかが重要なポイントとなります。また、人の成長には素直さが欠かせません。上司から問題点を指摘されたり、仕事で失敗したりした際に、素直に受け止めて自ら変わっていけるかどうかで、大きな差がでてくるでしょう。
未経験からコンサルタントへの転職活動の流れ
コンサルティングファームへの転職活動のステップは、転職エージェントに相談に行くことから始まります。その後、求人情報を収集し、応募したい求人を選択し、履歴書や職務経歴書、志望動機書などの応募書類を作成。そして、企業へ応募し、書類選考の通過後に面接となります。面接回数はファームやポジションによって異なりますが、2~4回が一般的です。最終面接を通過し、内定を獲得した後は、オファー面談や内定受諾、現職への退職申し出、入社前の準備(ファームで必要となるベーシックスキルの習得)などの活動が必要です。
転職に必要な期間は、準備にかかる時間や応募するファーム数によって変わってきます。特に、ケース面接の対策は一定の期間を要します。そのため、一般的なコンサルティングファームへの転職活動は、2~3ヶ月程度の期間。ケース面接が重要となる戦略系ファームへの転職活動は、4~6ヶ月程度の期間を想定しておくと良いでしょう。
コンサル転職 Step1:自分にフィットするエージェントの選定
コンサルティングファームへの転職を目指す場合、エージェント経由で行うことが一般的です。コンサルティングファームへの転職には、ケース面接対策などの準備期間も合わせると4~6ヶ月と長期になることが多く、現職の仕事との両立は並大抵のことではありません。各コンサルティングファームの傾向を熟知し、提出書類の添削やケース面接のトレーニングなどを実施してくれるエージェントに転職支援を依頼することで、合格可能性を引き上げることができるうえ、モチベーション維持にもつながるでしょう。ぜひ、複数のエージェントやキャリアコンサルタントと会い、ご自身にフィットするパートナーを見つけることをお勧めします。
コンサル転職 Step2:求人情報の収集
一口にコンサルティング業界と言っても、中途採用をしているファームは数百社もあります。自分では見つけることの出来なかった“志向に合う”コンサルティングファームの求人を紹介してもらうためにも、エージェントのサポートは重要です。
求人情報は基本的にエージェントから紹介される求人票で収集することができます。エージェントは、一般公開されていない非公開求人の情報を持っている場合もあります。ファームのHPに求人募集が出ていなくても、希望のファームがある場合は遠慮なく伝えておきましょう。
また、興味のあるファームだけでなく、広く情報を収集することで、新たな可能性が広がる場合があります。そのため、希望を伝える際は「〇〇社に行きたい」「戦略系コンサルしか考えていない」などと伝えるのではなく、なぜその希望をもっているのかという理由まで伝えるようにしましょう。そうすることで、希望のキャリアに合致している求人を提案してもらえる可能性があります。
コンサル転職 Step3:応募書類、筆記試験、人物面の面接、ケース面接の対策
どのようなコンサルティングファームを目指すか決めたならば、次は応募書類を準備し、筆記試験と面接の対策を行なっていきます。中途採用のプロセスでは、面接の回数は、応募者の経験や評価などよって増減します。一般的には、2~4回のファームが多いでしょう。
なお、面接においては、人物面を確認される一般的な面接とあわせて、ケース面接を課せられるファームも存在します。特にケース面接は、コンサル適性の高い方であっても、初見では回答が困難なため、しっかりとした準備や練習が不可欠となります。筆記試験やケース面接の対策については、次章で詳しく説明します。
コンサル転職 Step4:応募と面接
一定水準の選考対策ができたら、各ファームへ応募をしていきます。その際、応募先ファームの内定までのスケジュールを把握し、同時期に最終結果がわかるように調整することが大切です。応募先の結果が出揃ってから判断することで、より適切に転職先を選定できるようになります。エージェントと相談しながら、しっかりとスケジュール管理をしてください。最終面接で不採用となる場合も珍しくないため、最後まで気を緩めずに面接に挑みましょう。
なお、面接は一緒に働くことになるコンサルタントの方と話せる機会でもあります。面接を受ける中で、志望度が変わることは珍しくありません。志望度の変化についても、エージェントと適宜共有することが大切です。
コンサル転職 Step5:条件交渉と内定受諾
最終面接を通過すると、いよいよ内定が出ます。内定条件を提示するためのオファー面談をセットされるケースが多いでしょう。一般的には正式な条件提示前に、最終的なすり合わせ(条件交渉)が行われます。自分で交渉することは困難な場合が多いでしょうから、エージェントを通じて行うと良いでしょう。
見事に複数のファームで内定を獲得した場合は、提示された条件のみならず、ご自身のキャリア戦略や長期的なキャリア形成の観点から、どのファームを選択すべきかを検討することが大切です。
内定受諾の返事は、各ファームが指定する期限までに回答する必要があります。回答期限は、オファー提示から1~2週間程度が一般的ですが、場合によっては数日であることもありますし、1ヶ月程度待ってもらえることもあります。期限内に回答できない場合は、エージェントとすり合わせながら、ファーム側に相談することになります。このような事態を避けるためにも、複数ファームで選考を進めている場合は、比較検討を行えるように適切にスケジュールを組むことが大切です。
コンサル転職 Step6:退職面談と引継ぎ
内定を受諾した後は、退職活動のフェーズとなります。退職のプロセスは各社それぞれですが、概ね下記のような流れとなっています。実際には、各企業の就業規則に沿って、進めていきましょう。
1:上長への報告・面談
2:人事部との面談と事務手続き
3:引継ぎ
退職の報告はなかなか切り出しにくいものです。しかし、引継ぎが間に合わなくなり、入社時期がずれてしまうことがないように、内定を受諾したらできるだけ早めに上長へ退職する旨を伝えることが肝要です。また、それまでお世話になってきた現職への感謝は忘れずに、しっかり引継ぎをしていきましょう。
コンサル転職 Step7:入社前の準備(ベーシックスキルの習得)
退職から入社までの間、引継ぎや挨拶まわりなどがありますが、有休消化などもあり、比較的時間の余裕が出る方もいらっしゃるでしょう。この時期に、コンサルティングファームで活躍するための準備をしていくことが、とても大切です。入社前の準備として特に有益なのは、パワーポイントでの資料作成の練習や、エクセルでの分析スキルの習得、さらに財務分析の基礎的な知識の習得などです。コンサルティングファームに入社した後、担当するプロジェクトに集中するためにも、ベーシックなスキルについては、余裕がある入社前に習得しておくとよいでしょう。
コンサル転職を成功させる賢い「選考対策」とは?
コンサルティングファームへの転職に必要な対策は、応募書類対策、筆記試験対策、面接対策(通常面接・ケース面接)があります。
1:応募書類対策
コンサルティングファームへの転職時に求められる提出書類は履歴書と職務経歴書、志望動機書の3点が基本です。
転職の応募書類の書き方によってはどんなに素晴らしいご経験やスキルがあっても伝わらず、書類選考で落ちてしまう可能性があります。
優秀な方ほど「実力があるから書類は通過するはず」とあまり整えずに気軽に応募してしまう傾向がありますが、これは危険です。
「応募者の経歴・人物をわかりやすく説明する」ということを押さえた書類を作成しなければ志望先の採用担当者に伝わらない可能性があるのです。
2:筆記試験対策
書類選考や面接では、各ポジションに応じた選考プロセスや内容が設定されます。
選考プロセスの中には、多くの場合は論理的思考能力などを測る筆記試験が含まれます。
コンサルティングファームでの筆記試験の内容は難易度が高く、対策せずに時間内で回答することは困難です。
3:面接対策(通常面接とケース面接)
コンサルティングファームでは「論理的思考力」や「問題解決能力」を重視した選考が行われています。そのため面接では、一般的な事業会社と同様の人物面を確認する面接に加えて、ケース面接を課すコンサルティングファームが多くなっています。
ケース面接とは、テーマが提示され、それに対する解決策をディスカッション形式で回答する方式の面接のことです。短い時間で、回答のためのロジックが構成できるか、面接官の指摘に対して的確な切り返しができるか、その対応姿勢が見られます。
ケース面接には、フェルミ推定やビジネスケースなどのタイプがあり、いずれの分野に関してもスムーズに回答できるように、一定量の実践的なトレーニングを積んでおく必要があります。ケース面接は、未経験でコンサル転職を目指す多くの方にとって、手強い選考プロセスといえるでしょう。
これらのケースインタビューでは、面接の流れの中で即興的にテーマが作り出されることが多いです。例えば、フェルミ推定を用いた推論の場合は、(目の前にあるボールペンを見て)「日本におけるボールペンの年間消費本数は?」というお題が出されたり、ビジネスケースの面接の場合は、(コロナ禍において外出しなくなったという雑談から)「近所の居酒屋の売上を上げるには?」といった身近な経営課題が出されたりします。これらのお題に、短い時間で論理的に回答することが求められます。
ケース面接では、あらかじめ背景の詳細説明に加え、グラフや数表などの資料が与えられ、それに基づいて課題が提示されることもあります。
例えば「この競技用自転車メーカーは一般自転車市場に進出すべきか?」「データから読み取れる、日米間の転職の差の原因は何か?また、今後日本企業が優秀な人材を社内にとどめるための有効な方法を答えよ」といった内容です。
どちらにしても難解な問題ばかりであり、正確な答えを要求しているというよりも、答えを導き出すまでの「思考のプロセス」を見ています。面接官をうならせるような斬新なアウトプットは求められているわけではなく、いかにゼロベースでその問題を捉えることができるか、説得力のある論理展開の仕方ができるかどうかが問われています。
コンサルティングファームの選考プロセスは、戦略系、総合系、シンクタンク、人事、IT系などコンサルティングファームによって異なります。コンサルティングファームを一括りに捉えてしまうと、対策不十分で失敗してしまう可能性が高くなるでしょう。希望のコンサルティングファームに合わせた対策ができるかどうかが内定獲得の鍵を握ります。
未経験からコンサルティング業界への転職成功事例
未経験からコンサルティングファームへの内定を獲得した実際のケースをご紹介します。ご覧いただくとわかる通り、未経験からでも世界的に著名なコンサルティングファームでの内定を取っているケースは珍しくありません。また、30代後半や、40代でコンサルティングファームへの転身が叶うケースもあります。ここでは弊社のご支援事例の一部を紹介します。各体験談の詳細をご確認いただくことで、転職までのステップや成功の秘訣を掴むことができます。ぜひ御覧ください。
[20代]コンサル業界未経験で転職に成功した例
<ケース1>
Aさん 有名国立大学・大学院卒
IT会社 → マッキンゼー・アンド・カンパニー
新卒でIT会社に入社。クライアントのIT化支援(DX)業務を経験。
企業の経営支援をしたいと考え、戦略系コンサルティングファームへの転職を希望し、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。
>>Aさんの体験談https://www.concord-career.com/story/266/
<ケース2>
Fさん 有名国立大卒
総合商社 → ボストンコンサルティンググループ(BCG)
新卒で総合商社に入社後、20代後半でBCG含め、トップ外資系戦略ファームを目指し、転職活動を開始。第一志望のBCGに入社。
>>Fさんの体験談https://www.concord-career.com/story/285/
<ケース3>
Tさん 地方公立大学院卒
大手事業会社 → 日系総合コンサルティングファーム
地方公立大学院を修了後、インフラ系事業会社に就職し、公共事業プロジェクトのマネジメント業務を担当。公共系コンサルタントへの転職を目指し、転職活動を開始。
業界未経験にもかかわらず、第一志望の日系総合ファームからシニアコンサルタントとして入社。
>>Tさんの体験談:https://www.concord-career.com/story/252/
[30代]コンサル業界未経験で転職に成功した例
<ケース4>
Yさん 国立大学院卒
建築設計事務所 → マッキンゼー・アンド・カンパニー
建築設計事務所勤務時代の専門知識が評価され、30代半ば、コンサル業界未経験でマッキンゼー・アンド・カンパニーへ入社。
>>Yさんの体験談:https://www.concord-career.com/story/199/
<ケース5>
Mさん 有名国立大卒業
事業会社 ⇒ 日系コンサル
中小企業、スタートアップ企業で人事職を経験。この経験から、組織人事コンサルを志望し、30代後半で日系コンサルティングファームへ入社。
>>Mさんの体験談:https://www.concord-career.com/story/325/
<ケース6>
Iさん 有名国立大学卒業
国家公務員 ⇒ 外資系総合コンサル サスティナビリティ部門
第一子出産後、子育てしつつもキャリアも広げたいとの思いから、公務員から外資系コンサルティングファームのサスティナビリティ部門へ入社。
>>Iさんの体験談:https://www.concord-career.com/story/319/
[40~50代]コンサル業界未経験で転職に成功した例
<ケース7>
Sさん
個人事業主 ⇒ 外資系コンサルティングファーム
団体職員から個人事業主としてフリーランス広報として活躍後、専門領域を活かしつつ、活躍の場を広げるために転職活動をスタート。外資系コンサルティングファームに入社。
>>Sさんの体験談:https://www.concord-career.com/story/315/
<ケース8>
Jさん 有名私大卒業
大手BPOサービスベンダー ⇒ 外資系コンサルティングファーム マネージャー
親の介護という家庭環境の変化があり、出張が多い会社からの転職を決意。自身の専門知識が活かせ、ワークライフバランスの良い環境ということで、外資系コンサルティングファームにマネージャーとして入社。
>>Jさんの体験談:https://www.concord-career.com/story/18/
<ケース9>
Hさん 有名私立大学 中退
SaaSベンダー ⇒ 外資系ITコンサルティングファーム
50代コロナ禍という一見厳しい条件の中で、外資系ITコンサルティングファームに入社。
>>Hさんの体験談:https://www.concord-career.com/story/190/
コンサルタント(コンサルティングファーム)の機能
クライアントは、いったいどのような価値を求めてコンサルタント(コンサルティングファーム)へ仕事を依頼するのでしょうか。コンサルティングファームがクライアントから期待される機能は、以下の5つに大別されます。
専門人材レンタル機能
1つ目は「専門人材レンタル機能」です。これは「一般事業会社では十分に確保できない高い能力をもった専門人材を時間単位で貸し出す」というものであり、コンサルタントはクライアントの経営者や社員に代わって「考え、実行する役割」を担います。
M&Aのように、企業にとって永続的に必要な仕事ではないけれど、高度な専門知識が必要な業務の場合、コンサルタントに必要な時だけ企業に時間単位で来てもらって対応するほうが企業にとって効率がよいでしょう。コンサルティングファームにいる高スキル人材を企業がレンタルするという意味で「専門人材レンタル機能」は一定のニーズがあります。
触媒機能
2つ目は「触媒機能」です。触媒とは、もともとは化学用語で「その物質自身は反応前も後も変化しないが、少量存在することで、本来は化学反応しにくいものを反応させたり、反応速度を速めたりする物質」のことを指します。
企業の変革や問題解決を一つの化学反応のプロセスに例えると、そのプロセスの中に異質の存在としてコンサルタントが加わることで、組織風土に刺激を与え、企業の変革や問題解決を促進したり、スピードを速めたりすることができる場合があります。
また、プロジェクトマネジメントも触媒の一種です。コンサルタントはプロジェクトの中核として進行を管理・促進していくプロジェクトマネジメントの役割を期待されています。クライアントの社内プロジェクトが順調に進行し、初期の目的を達成できるかどうかはプロジェクトマネジャーとなるコンサルタントにかかっていると言っても過言ではありません。
情報提供機能
3つ目の機能は「情報提供機能」です。
一般的に事業会社に在籍していると、他社や他業界の動向はなかなか耳に入ってきにくく、業界を超えた広い視野や客観的視点を持ちにくい傾向にあります。
コンサルタントはさまざまな業界や企業の変革に立ち会っているため、豊富で幅広い問題解決の経験を持っています。これらはクライアントにとっては利用価値が大きく、外部情報の提供はコンサルタントに期待されている役割の一つとなっています。
外圧機能
4つ目は「外圧機能」です。
コンサルタントの大きな役割は「問題解決の提示」ですが、一方でクライアントはすでに解決策をすでに把握している場合もあります。しかし、それをあえてコンサルタントに提案してもらうというケースが実は少なくないのです。
その理由の1つは「社外からの提案のほうが、社内に通しやすい」という点にあります。適切な提案であっても、社内に歓迎されないような新しい改革案やコスト削減などのプロジェクトの場合、誰かが悪役になる必要があったりします。そのようなときに、ファクトベースの根拠を示すコンサルタントという「外圧」を利用し、プロジェクトを押し進めることはとても効果的です。社内の権力者へ忖度しないで済む、客観的な立場から提案できることは大きな強みと言えます。
2つ目の理由は社員の意識改革のためです。高度なビジネススキルと仕事に対する高いモチベーションをもったコンサルタントを社内に投入することで、その働きぶりを間近で見せることができ、クライアント企業の社員の意識改革を行うという狙いがある場合もあるのです。
アウトソーシング機能
5つ目の機能は「アウトソーシング機能」です。
「何をやるべきか」「どうやればよいのか」といった解決策の提示よりも「最終的にクライアントの問題を解決し、成果を出してくれること」をコンサルタントに求める流れが強まっています。さらに近年、企業経営において「アセットライト」の考え方が主流になりつつあります。「アセットライト」とは企業が保有する資産(アセット)を圧縮し、身軽な状態にすることを指します。外部委託の流れは製造業だけでなく、システム運用や経理・人事などの業務にも拡大しており、コンサルティングファームが自らアウトソースの受け皿となってクライアントのさまざまな業務を受託する事業に乗り出しています。
コンサルティングファームとしても、これらのアウトソースの受託は、従来のコンサルティングサービスの枠を超えて事業を拡大できる、プロジェクトごとの売上に左右されず事業が安定するなどのメリットがあります。
実際のコンサルティング業務においては、上記5つの機能のうち複数、あるいは全ての機能が複合的に絡み合っているケースがほとんどです。
コンサルティングファームにしても、コンサルタント個人にしても、すべてを持っている場合もありますが、そうでない場合のほうが多いのが現状です。
コンサルタントになりたい場合、自分の得意とする分野と、コンサルティングファームの得意とする分野が一致していることが転職活動において大切になってくるでしょう。
コンサルタントの仕事の進め方
コンサルタントの仕事の進め方は、プロジェクト単位で業務を行う点に大きな特徴があります。コンサルタントは恒常的にどこかの部署に属するのではなく、一定期間ごとに次々とプロジェクトに参画していく形態をとっています。
プロジェクトの期間は、2~3カ月程度の短期型から、企業の経営や組織の変革に深く関わっていくプロジェクトのように数年にわたる長期型まで様々です。
1人が常に1つのプロジェクトにしか参加しないコンサルティングファームもあれば、同時並行的に2~3つのプロジェクトに参画するコンサルティングファームもあります。
若手の間は同時期には1つのプロジェクトしか参画しなくても、ポジションが上がっていくと同時並行的に複数のプロジェクトに加わるようになるのが一般的です。
コンサルタントは途中で他のプロジェクトに移ることもあれば、時にはプロジェクトのテーマが途中で変わることもあります。
数ヶ月単位で、新しい業界、新しいテーマのプロジェクトに参画し、短期間でキャッチアップすることが求められますので、成長意欲の高い好奇心旺盛な方にフィットする仕事と言えます。
コンサルティングファームの種類
コンサルティングファームは、各ファームの得意領域によって種類が分かれています。
コンサルティングファーム、と一口で言っても、その範囲は一言では説明できないほど広がっており、事業計画や新規事業の相談を受けて提案する戦略コンサルティングファーム、ITによる経営改革や、DX推進を行う総合系・業務ITコンサルティングファーム、官公庁向けのリサーチや政策提言を行うシンクタンク、事業再生やM&Aに関わる財務系コンサルティングファーム(FAS)、人事・評価制度や人材開発の課題解決を専門にする組織人事系コンサルティングファームなどが挙げられます。
ただし、近年はコンサルティングファームの担う業務領域の多様化に伴って、ファーム間の明確な境界線がなくなりつつあります。
それは経営課題が複雑化・高度化する中、クライアントからのニーズが大変高まっており、多くのコンサルティングファームが組織規模や業容を拡大しているからです。
その中でも、特に事業を拡大し注目を集めているのが、総合系コンサルティングファームです。事業戦略、デジタル戦略、ERP導入、BPO、RPAなどを含めた変革を提案し、デジタル対応を迫られるクライアントの課題解決を支援しています。
本サイトでは、コンサルティング業界の最新動向に基づいて、コンサルティングファームを下記の7つに分類しています
戦略系コンサルティングファーム
多様なインダストリーやファンクションにおける経営課題を解決するコンサルティングファーム
戦略系コンサルへの転職[徹底解説]を読む
総合系コンサルティングファーム/業務IT系コンサルティングファーム
業務改善、IT戦略、ERP導入、SI、BPOなどの経営課題を解決するコンサルティングファーム
総合系コンサルへの転職[徹底解説]を読む
シンクタンク
大手企業グループの基盤を活かし、経営・ITコンサルや調査を行うコンサルティングファーム
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財務系コンサルティングファーム(FAS)
財務・事業再生・M&Aアドバイザリーを中心とするコンサルティングファーム
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組織人事系コンサルティングファーム
HR領域で人事戦略・制度設計や組織風土改革・人材開発を行うコンサルティングファーム
組織人事系コンサルへの転職[徹底解説]を読む
先端・専門領域系(AI、DX、環境)コンサルティングファーム
先端的なテーマや業務・業界に特化した専門的なコンサルティングファーム
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マーケティング・ブランディング系コンサルティングファーム
マーケティング戦略・ブランド戦略の立案から実行まで総合支援するコンサルティングファーム
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医療・メディカル系コンサルティングファーム
病院経営基盤を総合的に強化する専門的なコンサルティングを行うコンサルティングファーム
医療・メディカル系コンサルへの転職[徹底解説]を読む
監査法人アドバイザリー部門
大手企業の監査や各種のアドバイザリーサービスを展開するファーム
監査法人アドバイザリーへの転職[徹底解説]を読む
コンサルタントのキャリアパスと役割
コンサルティングファームのポジション(職位)は、経験年数や期待される役割に応じてパートナー、マネジャー、コンサルタント、アナリストの4つに大別されます。
キャリアパスは基本的にアナリスト、コンサルタント、マネジャー、パートナーの順で昇進していくことになります。ここでは、それぞれのポジションが担う役割や特徴をご紹介致します。
※各ポジションの呼び方は、コンサルティングファームによって異なります。
ファームごとのポジションの呼び方についてはこちらをご覧ください。
・パートナー
(ディレクター、ヴァイスプレジデント、プリンシパルなど)
パートナーは、コンサルティングファームの共同経営者です。ファームそのもののマネジメント(経営)と顧客開拓に基づくプロジェクト受注(営業)が主たる業務となります。
原則、コンサルティングファームにおける全てのプロジェクトの最高責任者はパートナーが担っており、終始一貫してプロジェクトチームがクライアントに対してデリバリーする成果物のクオリティを担保しています。
・マネジャー
(プロジェクトマネジャー、シニアマネジャーなど)
マネジャーは、プロジェクトの遂行に責任を負う職位です。プロジェクト管理、顧客接触、予算管理などが主たる業務となります。
常にプロジェクト全体を見通し、クライアント、チーム、ファームに対して適時適確なコミュニケーションを図りながらプロジェクトを遂行していきます。
パートナーへの昇進に要する期間は3~5年程度と言われます。しかし、パートナーになるためには、それまで培ったプロジェクトマネジメント力以外に、新たに営業力が求められるため、昇進できずにコンサルティングファームを離れる人も多く、同ポジションは狭き門となっています。
・コンサルタント
(シニアアソシエイト、アソシエイトなど)
コンサルタントは、プロジェクトの実務において一定範囲の業務に責任をもつ職位で、社会人経験が3~4年以上の中途入社者、または社会人経験を持つMBAホルダーが就くことが多い職位です。
基本的には、自ら主体的に担当モジュールの作業を設計して進めていきます。プロジェクト経験を重ねて顧客折衝能力やマネジメント能力が認められると、3~5年程度でマネジャーへの昇進の道が開けます。
・アナリスト
(アソシエイト、リサーチャーなど)
アナリストは、プロジェクトの実務であらゆる具体的作業を担う職位で、新卒または第二新卒で入社して1年目のスタートポジションです。
情報収集・分析と資料作成が主たる業務で、マネジャーやコンサルタントからのディレクションに基づいて作業を遂行していきます。経営に対する基礎的な考え方を学ぶ期間でもあります。
一般的には、2~4年程度でコンサルタントに昇進するケースが多いと言われています。
コンサルティングファーム別の役職名
コンサルティングファームの職位は、①パートナー、②マネジャー、③コンサルタント、④アナリストの4つに大別されますが、これら4つの職位の呼称はファームによって異なります。
ここでは、コンサルティングファーム別の役職名を一覧形式で紹介します。
ファーム名 | 役職名 | |||
---|---|---|---|---|
アナリスト | コンサルタント | マネジャー | パートナー | |
マッキンゼー | ビジネスアナリスト/ジュニアアソシエイト | アソシエイト | マネジャー | アソシエイトプリンシパル/プリンシパル/ディレクター |
BCG | アソシエイト/シニアアソシエイト | コンサルタント | プロジェクトリーダー | プリンシパル/パートナー |
ベイン | アソシエイトコンサルタント/シニアアソシエイトコンサルタント | コンサルタント | マネジャー/シニア マネジャー | アソシエイト パートナー/パートナー |
Strategy& | アソシエイト | シニアアソシエイト | マネジャー | ディレクター/パートナー |
A.T.カーニー | ビジネスアナリスト/シニアビジネスアナリスト | アソシエイト | マネジャー | プリンシパル/パートナー |
Rベルガー | ジュニアコンサルタント | コンサルタント/シニアコンサルタント | プロジェクトマネジャー | プリンシパル/パートナー |
ADL | ビジネスアナリスト | コンサルタント | マネジャー/プリンシパル | アソシエイト・ディレクター/ディレクター |
アクセンチュア | アナリスト | コンサルタント | マネジャー/シニアマネジャー | マネジングディレクター |
CDI | 主任 | 副査 | 主査 | プリンシパル/パートナー |
コンサルタントの年収水準
コンサルタントの年収は業界全体として高収入だと言われていますが、実際はどうなのか気になる方も多いのではないでしょうか。
各ファームや個人の実績によって変動がありますが、目安としてご紹介します。
アナリスト
アナリスト(新卒、第二新卒~若手)の場合、戦略系ファームでは600万~1000万円、総合系ファームでは500万~800万円の水準となります。
コンサルタント
アナリストからコンサルタントに昇進した場合、戦略系ファームでは1000万円~1500万円、総合系ファームでは700万~1000万円の水準になります。
マネジャー
プロジェクト進行の責任者であるマネジャーはコンサルタントの花形でもあります。このクラスの年収は戦略系ファームでは1500万~2500万円、総合系ファームでは1000万~1500万円の水準になります。さらにマネジャーとパートナーの中間的なポジションであるシニアマネジャーやディレクターのクラスになると、戦略系ファームでは2000万円~3000万円、総合系ファームでは1500万円~2000万円となります。個々のマネジャーの実績に応じ、年収水準にも大きな幅が見られます。
パートナー
パートナーはファーム経営の一翼を担うだけに、相応の業績を上げれば報酬も大きく、社会的地位も高くなります。あくまでも参考程度になりますが、戦略系ファームでは3000万~1億円以上、総合系のファームでは2000万~1億円以上の水準となってきます。
コンサルタントのネクストキャリア
コンサルタントのネクストキャリア(転職先)は多岐にわたります。コンサルティングファーム出身者は「ポストコンサル」と呼ばれ、業界内外のハイポジションへ転職できる可能性を持っています。
若いうちから培われる汎用的な問題解決能力、さらに複数のステークホルダーを巻き込んでプロジェクトを実施する高度なリーダーシップは転職市場で高く評価されているためです。ポストコンサルはネクストキャリアの選択肢が幅広く、しかもハイポジションで転職できる可能性があるという大きな特徴があります。
ポストコンサルは、外資系大手企業やベンチャー企業の経営幹部・幹部候補として、多くの企業で引く手あまたとなっています。コンサルティング業界内での転職(コンサルtoコンサル転職)はもちろんのこと、外資投資銀行・PEファンド・VCなどの他のプロフェッショナルファームへの転職の可能性もあります。さらに、一般的な転職だけでなく独立・起業や、NGO/NPO経営、MBAコースの教授・専任講師など、様々な分野でポストコンサルの方々が活躍しています。
詳しくは「ポストコンサル転職の基礎知識」で解説していますので、どうぞご覧ください。