総合系・業務IT系コンサルへの転職[徹底解説]
総合系コンサルティングファーム・業務IT系コンサルティングファームとは?
業務IT系コンサルティングファームは、業務改善、IT戦略、ERP導入、SI、BPOなど、業務全般やIT活用に関わる経営課題の解決を幅広く手がけるプロフェッショナルファームです。
クライアント企業のデジタル化対応のニーズを受けて、急速な成長を遂げているファームが数多く見られます。
業務IT系コンサルティングファームで戦略コンサル部門を持つファームは総合系コンサルティングファームと称されています。
総合系コンサルティングファームは、戦略立案、業務改善、システム導入・運用など一貫した支援を行い、経営レベルから現場レベルまで企業が抱える課題を幅広く解決します。
M&Aコンサル部門、企業再生コンサル部門、組織人事コンサル部門、リスクコンサル部門なども擁しており、サービスの範囲はとても広範です。
総合系コンサルティングファームの組織は、業界(インダストリー)と機能(ファンクション)で部門が区切られており、それぞれの専門領域に精通したプロフェッショナルが在籍しているのが特徴です。
代表的な総合系コンサルティングファームには、アクセンチュアやデロイトトーマツコンサルティングが挙げられます。
総合系コンサルティングファーム・業務IT系コンサルティングファームに求められる人材要件
業務IT系コンサルティングファームでは、コンサルティング未経験者については、20~30代の人でIT関連の業務経験者を中心に採用しています。
また、IT関連の業務経験が無い場合でも、出身業界や経験職種が勘案され、該当領域のコンサルタントとして採用されるケースもあります。
例えば、金融機関向けのコンサルティング部門で保険業界出身者を採用するなどの事例が挙げられます。
総合系コンサルティングファームの未経験者採用は、多くの場合、年齢、出身大学名と経験業界・経験職種などが総合的に勘案され、該当領域のコンサルタントとして採用されます。
ただし、インダストリーとファンクションごとに部門が分かれているため、M&Aコンサル部門では財務系の経験が求められたり、組織人事コンサル部門では人事経験が求められたりと、採用要件は部門ごとに大きく異なるので注意が必要です。
また、クライアント企業のグローバル化に伴い、昨今は高い英語力をもつ人が好まれる傾向が強くなっているのも特徴の一つと言えるでしょう。
総合系コンサル・業務IT系コンサルの選考プロセス
選考プロセス1:書類選考
履歴書および職務経歴書によって選考が行われます。一部の業務・IT系、総合系ファームでは、志望動機書の提出を求めることがあります。志望動機に関するロジックがしっかりと構成されていることは、他のコンサルティングファーム同様、大切なポイントです。
戦略系ファームと比べて、スキルや業務知識を重視する傾向があるのでその点を踏まえて、前職などで習得した専門スキルをアピールした書類作成を行う必要があります。
選考プロセス2:筆記試験
一部の総合系ファームおよび業務・IT系ファームでは、論理的思考能力を測るために、適性検査を課しています。筆記試験に自信がある人でも、久しぶりに受験すると本来持っている力を十分に発揮できないものです。事前に傾向と対策をしっかりと押さえておくことが大切です。
選考プロセス3:面接
3~4名の面接官と1対1の面接が行われます。通常、志望理由や職務経験のインタビュー中心とする面接となります。また、論理的思考能力やディスカッション能力を確認するためにケースインタビューを課すファームも珍しくありません。
ケースインタビューは、ディスカッション形式の面接で、論理的な思考能力や問題解決能力、問題解決に臨む姿勢などが様々な角度から見られます。ユニークな面接のため、入念な対策なしに乗り越えることは難しくなっています。
総合系コンサル・業務IT系コンサル出身者のネクストキャリア
総合系および業務・IT系コンサルティングファーム出身者のネクストキャリアは、外資系事業会社やベンチャー企業の経営幹部や幹部候補への転職、他のコンサルティングファームへの転職、起業など幅広い選択肢を持ちます。
ただし、経験するプロジェクトや所属する部門によって、習得できるスキルとネクストキャリアも異なってくるため、その点には注意が必要です。
例えば、組織人事コンサルティング部門の出身者であれば、事業会社の人事部門の幹部・幹部候補などが、ITコンサルティング部門の出身者であれば、事業会社のIT部門の幹部・幹部候補などが、主要なネクストキャリアとなります。
また、総合系コンサルティングファームの戦略コンサルティング部門では、外資戦略系ファームと同様の業務経験を積むことができます。
そのため、ネクストキャリアも戦略ファームと同様に、経営企画、事業開発系の経営幹部・幹部候補としてのキャリアなどがひらけています。
そのため、戦略コンサルティングファームへの転職を考える人は、あわせて総合系ファームの戦略コンサルティング部門へ応募するケースが多くなっています。
他のコンサルティングファームへの転職では、培った経験をもとに、戦略系、財務系、総合・業務IT系、シンクタンク系など、幅広いオプションがあります。
ファーム内で昇格を重ねてパートナーとなる人や、コンサルタントとして起業する人も見られます。
IT領域の専門性を活かして、Web業界で起業をする人も珍しくありません。
代表的な総合系コンサルティングファーム
- アクセンチュア
- IBM
- プライスウォーターハウスクーパース(コンサルティング)
- デロイトトーマツコンサルティング
- アビームコンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- クニエ
- シグマクシス