日立コンサルティング IT×OTの知見で社会変革を担う総合コンサル
日立コンサルティングは、日立製作所内のビジネスシステム開発機能を源流とする歴史的背景を基盤に、日立グループが培ってきた高度なIT技術とOT(制御・運用技術)を駆使し、民間企業や官公庁の意思決定を支援してきた。本記事では、企業の特徴や理念、沿革、主要なサービス内容、求める人物像、入社後のキャリアパスやトレーニング内容、社員の声、社会貢献・ESG、関連書籍について整理する。
日立コンサルティングとは
株式会社日立コンサルティング(Hitachi Consulting、以下:日立コンサルティング)は、2002年に設立されたIT・経営コンサルティングファームである。戦略立案や業務改革、デジタル技術を活用したソリューションの提供を中心に、民間企業や官公庁に対して実行支援を行っている。同社は日立グループのコンサルティングを担う中核組織として位置づけられている。
コンサル業界地図(領域別)
日立コンサルティングの起源は、1990年に株式会社日立製作所内に設立された「ビジネスシステム開発センタ」に遡る。同組織は、経営・事業改革のコンサルティングからシステム構築、運用、保守まで、IT全般にわたるソリューション提供を担っていた。その後、2002年7月に日立製作所の100%出資によって「エクスペリオ・ソリューションズ・ジャパン」が設立され、グループ内外へのコンサルティング機能の強化が図られた。翌年の商号変更を経て、2006年4月に現在の「日立コンサルティング」へ社名を変更している。
同社は、製造、流通・サービス、公共、金融、社会インフラなどの主要な業界を対象に、広範なコンサルティングを展開している。具体的には、経営戦略の策定から業務プロセスの変革、さらにはデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に至るまで、上流工程から実行支援までを一貫して提供している点が特徴である。
近年は、日立グループが掲げる「社会イノベーション事業」をコンサルティングの側面から牽引する役割を担っている。Lumada(日立のデジタルソリューション・サービス・テクノロジーの総称)を活用したデータ駆動型のコンサルティングに注力し、複雑化する社会課題や経営課題に対して、グループの総合力を活かした価値創出を推進している。
また、サステナビリティ(持続可能性)への取り組みも強化しており、カーボンニュートラルの実現や資源循環といった環境価値の向上に向けた支援も行っている。日立グループが持つ高度なIT技術とOT(制御・運用技術)に、同社のコンサルティングノウハウを掛け合わせることで、実効性の高い変革実行(トランスフォーメーションの実現)を支援している。
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代表者代表取締役 取締役社長:伊藤 洋三
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設立2002年7月1日
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従業員数677名(2026年4月現在)
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所在地東京都千代田区麹町二丁目4番地1
News & Topics
日立コンサルティングの理念
以下に日立コンサルティングの企業理念を引く。
Identity――日立コンサルティング・アイデンティティ
日立グループは100年の歴史の中で受け継いできた「企業理念」と「日立創業の精神」と共に、これからのあるべき姿「日立グループ・ビジョン」を定め、「日立グループ・アイデンティティ」として体系化しています。
日立コンサルティングは、この「日立グループ・アイデンティティ」に基づき、日立グループにおけるコンサルティング会社としてのMISSION、VALUES、VISIONを「日立コンサルティング・アイデンティティ」として制定しました。
私たちは社会イノベーションを推進し、皆さまと共にビジネスエコシステムを創出することで社会に貢献してまいります。
MISSION
われわれは、ビジネスの最前線で多様なパートナーとともに、社会を一歩進める駆動力となり、ビジネスエコシステムを創出することで社会に貢献する。
VALUES
和:旺盛な知的好奇心を持ち、絶えざる変化と多様性を歓迎する。
誠:常により良い解を追求し、責任をもってやり抜く。
開拓者精神:使命ある仕事を楽しみ、ともに挑戦し、ともに成長する。VISION
社会インフラの実績とITによる総合力を備える日立グループのコンサルティングファームとして、領域を超えた協創の先導、具現化、定着を推進する。
Our Practice
1. キープレイヤーとの連携・協業の機会創出・牽引
2. 最適なソリューション開発と事業プロデュース
3. 新しい社会制度・ルール策定の提案・推進Our Capability
Grand Design:社会とビジネスのあるべき姿を描く事業構想
Coordination:実業ノウハウとIT・先端技術を融合・連携する実践知
Open Innovation:ビジネスの深い専門性とキープレイヤーとのネットワーク
Analytics & Insight:情報・データから新たな価値を見出す分析・洞察力
日立コンサルティングの沿革
以下に日立コンサルティングの主な沿革を記載する。
- 1990年
- 日立製作所内にコンサルティング部門である「ビジネスシステム開発センタ」を設立。
- 2000年
- 日立製作所の「ビジネスシステム開発センタ」と「情報・通信開発本部」を統合し、ビジネスソリューション事業部として陣容を拡大。
- 2002年
- ビジネスとIT戦略を統合したコンサルティング会社である「株式会社エクスペリオ・ソリューションズ・ジャパン」を設立。
- 2003年
- 株式会社エクスペリオ・ソリューションズ・ジャパンから、「株式会社エクサージュ」へ商号変更。
- 2006年
- 株式会社エクサージュから、「株式会社日立コンサルティング」へ商号変更。
- 株式会社日立製作所のビジネスソリューション事業部が、株式会社日立コンサルティングに統合。コンサルティング事業の中核会社として、規模および事業領域を拡大。
- 2012年
- 組織拡大に伴い、千代田区麹町に移転。
- 2021年
- 「名古屋ビジネス推進室」の設置とともに、国内2番目の拠点となる名古屋オフィスを開設。
- 2023年
- 取締役社長に、伊藤洋三氏が就任。
日立コンサルティングのサービス
インダストリー
- 製造
- 流通・サービス
- 公共
- 金融
- ヘルスケア
- エネルギー
ファンクション
- 経営・事業戦略
- 業務改革
- グローバル
- CXM(Customer Experience Management)
- スマートマニュファクチャリング
- 働き方改革・人財活用
- SDGs・サステナビリティ
- ITサービスデザイン&ITマネジメント
- AI・ロボティクス
日立コンサルティングの求める人物像
日立コンサルティングでは、「さまざまなパートナーとともに新しい価値を提供するイノベーター」を求めている。コンサルティングチームメンバー、クライアント、パートナーなどあらゆるステークホルダーに働きかけて周囲を巻き込み、ともにゴールに向かっていく推進力を最も重視している。
仕事が社会課題の解決に直結することから、当事者意識をもって社会課題に向き合い、自ら解決していく姿勢も重視される。社会的な責任感や使命感の高い人材にとっては、やりがいを感じやすい環境が整っている。
同社が求める人材像を以下に記す。
- チャレンジ精神があり、組織および個人として高い成果を出すことへ真摯に努力し、主体的に取り組める
- プロフェッショナルとして誠実かつ責任感を持って、クライアントの成功へのコミットメントとリーダーシップを発揮できる
- 論理的な思考とフレキシブルなコミュニケーションが可能で、クライアントを含めた社内外でのチームワークを重視できる
日立コンサルティングでのキャリアパス
日立コンサルティングでは、アナリストからマネージングディレクターまで8段階のステージが用意されている。採用されたメンバーはこれまでの業務経験や能力に基づいてステージに編入され、プロジェクトを通じて業務スキルや知識・専門性を高めていく。
主なクラスの役割は以下の通り。
アナリスト
プロジェクトメンバーとして、上長の細かい指示やレビューのもと、与えられた作業を期限内に完了させることが求められるステージ。自己作業完結力と学習能力が必須とされる。
コンサルタント
サブチームリーダーとして、上長のレビューを受けながらも、主体的に担当領域の業務を完了させることが求められるステージ。自己管理能力と生産性が重視される。
シニアコンサルタント
チームリーダーとして、上長と目標を共有しながらチームメンバーをリードし、作業を完了させることが求められるステージ。チーム管理能力とクライアント対応力が求められる。
マネージャー
プロジェクトマネージャーとして、自ら目標を設定し、プロジェクトのゴール達成に向けてメンバーをリードする立場。プロジェクト管理能力とクライアント対応力が必要とされる。
シニアマネージャー
プロジェクトマネージャーとして、長期的な視点でアカウント先との関係を構築し、新規案件の獲得を担う立場。統率力と営業力が求められる。
ディレクター・シニアディレクター
アカウントマネージャーとして、自ら営業チャネルを開拓し、新規案件の獲得と継続的な取引を主導する。組織全体を統括し、全員の定量目標達成に向けて管理・推進する立場で、トップセールスと組織運営能力が必要とされる。
日立コンサルティングのトレーニング
日立コンサルティングには、クラスや経験に応じた体系的な研修プログラムが整備されており、日立グループとも連携した育成の機会が提供されている。
上級マネジメント研修
日立製作所およびグループ会社の経営層クラスと合同で実施される研修。イノベーションやグローバル化を牽引する経営者としてのあり方を学ぶ。幹部・幹部候補が対象で、日立グループの研修プログラムへの参加という形で行われる。
マネジメント研修
リーダーとしての役割や必要な素養、チームビルディング、関係者との合意形成、人財育成といった、リーダーシップを発揮するうえでの考え方とスキルを習得する研修。PM・管理職およびPM・管理職候補者が対象。
コンサルティング基本研修
コンサルティングマインド、ロジカルシンキング、コミュニケーション、ドキュメンテーション、プロジェクトマネジメントなど、コンサルタントとして業務を遂行するうえで必要な基本的なスキルとノウハウを学ぶ研修。新卒・第二新卒、コンサル未経験の中途入社が対象。
コンサルティング領域別技術研修
プロジェクトを通じて受け継がれてきた知見を「日立コンサルティング標準技法」として体系化したもの。各コンサルティング領域ごとに必要な手順やノウハウが整理されており、研修を通じて基本的な知識・技術を習得できる。
全体像を扱う「全体概説」は全社員を対象とし、アナリスト・コンサルタントクラスを対象とする「基本研修」では、各領域のサービス提供における手順やプロセスをもとに、ケーススタディや演習を通じた実践的な学びを提供。さらに希望者が必要に応じて参加できる「個別研修」では、各領域において特に重要なスキルやノウハウを、実際のプロジェクト事例を題材に演習形式で学ぶ。
選抜研修
幹部・各組織からの推薦を受けた社員を対象に、海外拠点での業務研修、事業会社への出向、大学での委託研究などの機会が設けられている。
分野別専門講座
キャリア形成やプロジェクト・業務上の必要に応じて、日立グループや社外研修機関の講座、あるいは社内で目的別に開発した講座を受講できる。各クラスが必要に応じて活用できる。
日立コンサルティングの社員の声
日立コンサルティングは日立グループの一員として、他グループ会社と連携しながら幅広いソリューションを提供できる体制を有している。こうした環境は、社員にとっても魅力の一つとなっている。
いくつかのコンサル企業を検討しましたが、日立グループ内で連携することで、上流工程から実装までコントロールできる日立コンサルティングに、他のコンサル企業にはない魅力を感じました。
日立コンサルティング公式サイトより引用
日立製作所のR&D部門や、日立グループのネットワークを活かしてベンチャー企業の方々とも協業する機会が多いと聞き、そこに大きな魅力を感じました。常に新たなテクノロジーに触れられるポジションで、どうすればそれが事業と結びつくのかを考え、自らが企画したことを世の中に発信して社会に貢献する。そんな仕事をしたいと思い、日立コンサルティングを志望しました。
日立コンサルティング公式サイトより引用
日立コンサルティングの社会貢献・ESG
日立コンサルティングは、サステナビリティを重要な経営テーマとして位置づけ、環境・社会・ガバナンスの各観点から事業活動を通じた持続可能な社会の実現に取り組んでいる。
環境への取り組み
自社の環境負荷を軽減する取り組みを進めるとともに、日立グループの一員としてグループ全体の環境施策にも参画している。具体的には、再生可能エネルギーの活用促進の一環として、2023年4月より「非化石証書」を活用し、本社(本社オフィス)において再生可能エネルギー由来の電力を使用するなど、CO2排出削減に向けた取り組みを実施している。
社会貢献活動
プロボノ活動
同社では、コンサルティングファームとして培ってきた知見や専門的なスキルを広く社会に還元することを目的に、自治体・非営利団体に対してコンサルティングを提供するプロボノ活動を行っている。その一例として、飢餓問題の解決に取り組む国際的なNGO団体「ハンガー・フリー・ワールド」に対し、人事制度の設計および運用定着に向けた支援を実施した。支援を通じて団体の持続的な活動基盤の構築に貢献している。
DEIへの取り組み
DEI(Diversity, Equity & Inclusion)を組織の土台と位置づけ、特定の誰かではなく一人ひとりがお互いを大切にし合うことを目指した取り組みを進めている。2024年からは、自社で独自開発したゲーム型DEI教育コンテンツ「かりものめがね®」(英語名称:Someone’s Glasses®)を活用した全従業員向け研修を開始した。当事者の日常的な困難を疑似体験し、アンコンシャス・バイアスへの気づきを促すもので、この研修を通じた人事規則の見直しにもつながった。
女性の活躍推進に向けた取り組みが評価され、2025年9月には「プラチナえるぼし認定」を取得。同年11月には「PRIDE指標2025」においてゴールド認定も取得している。
次世代に向けた取り組み
小学生を対象としたプログラミング講座を2006年から開催している。ビジュアルプログラミング言語Scratchを用い、子どもたちが楽しみながら論理的思考や発想力を育む学びの場の提供を通じて、Society 5.0の実現に貢献することを目指している。
ガバナンスへの取り組み
日立グループの一員として、「誠実と創造」の精神をもとにコンプライアンスの強化を経営の最重要課題に位置づけ、透明性の確保と内部統制の整備に取り組んでいる。
※日立コンサルティングの「SX推進支援」はこちらをご覧ください。
日立コンサルティングについてのFAQ
日立コンサルティングはどのような業界を支援していますか?
日立コンサルティングは、製造、流通、公共、金融、ヘルスケア、社会インフラなど、多岐にわたる業界を支援対象としています。特に日立グループが強みを持つ電力や鉄道などのインフラ分野、および製造業における知見が深く、業界固有の課題に対して経営戦略からIT実装までを一貫して提供しています。公共分野においても、官公庁のDX推進や政策立案の支援など、社会的な影響力の大きいプロジェクトを数多く手がけているのが特徴です。
日立コンサルティングが近年注力しているデジタル領域は何ですか?
日立コンサルティングが近年最も注力しているのは、日立グループのデジタルプラットフォーム「Lumada」を活用したデータ駆動型のコンサルティングです。AI、IoT、ビッグデータ分析を組み合わせ、顧客の持つ膨大なデータを価値ある洞察へと変換し、業務改革や新事業の創出を支援しています。具体的には、サプライチェーンの最適化やスマート工場の実現、エネルギー効率の向上など、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて社会価値と経済価値を両立させる「社会イノベーション」の具体化に邁進しています。
日立コンサルティングの組織的な特徴は何ですか?
日立コンサルティングの大きな特徴は、世界的な電機メーカーである日立製作所を母体とする「実業系コンサルティングファーム」である点です。単なる戦略の提言にとどまらず、日立グループが保有するプロダクト(製品)やOT(制御・運用技術)、IT(情報技術)といった実体的な資産を組み合わせて提案できる強みがあります。このため、理論上の最適解だけでなく、現場への定着や実行可能性を重視した地に足の着いたアプローチが可能となっており、グループの総合力を活かした大規模かつ複雑な課題解決を得意としています。
日立コンサルティングのサステナビリティへの取り組みを教えてください。
日立コンサルティングは、日立グループが掲げる環境長期目標「日立環境イノベーション2050」に基づき、顧客のカーボンニュートラル実現に向けた支援を強化しています。企業の脱炭素経営に向けた戦略策定から、排出量の可視化、環境負荷低減を実現するITソリューションの実装まで、グリーントランスフォーメーション(GX)を全方位で推進しています。また、資源循環(サーキュラーエコノミー)の仕組みづくりにも注力しており、持続可能な社会インフラの構築を通じて、環境価値、社会価値、経済価値の3つの価値の向上を目指しています。
他のコンサルティングファームと比較した日立コンサルティングの強みは何ですか?
他の独立系や外資系ファームとの最大の違いは、日立製作所という巨大な「現場」と「技術」を背景に持っていることです。ITだけでなく、電力、鉄道、医療機器などのハードウェアや制御技術(OT)に対する深い理解があるため、製造業やインフラ企業に対して圧倒的に説得力のある実行支援が可能です。また、コンサルティングの結果として生み出されたソリューションを日立グループの事業として継続的に発展・運用させていくことも可能であり、一過性の支援に終わらない「長期的伴走力」と「社会実装力」において独自の優位性を確立しています。
日立コンサルティングの関連書籍
日立コンサルティングへの転職を志す方へ、同社および業界への理解を深めるうえで参考となる書籍をご紹介します。
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