【ベイン・アンド・カンパニー インタビュー】仲間を決して見捨てない──徹底的に結果にこだわるからこそ醸成された、支え合いの文化

ベイン・アンド・カンパニー(以下、ベイン)は、1973年に米国で誕生した戦略コンサルティングファーム。「結果への圧倒的なコミットメント」を貫くファームとして、グローバルで成長を続けています。
その強さの背景にあるのが、“A Bainie never lets another Bainie fail”(ベインの仲間は、決して他の仲間を失敗させない)という行動指針に象徴される、支え合いの文化です。
今回、東京オフィスのPEグループのパートナーであり、ソーシャルインパクトチームのリーダーも務める大和梓さん、リクルーティングディレクターの横松亜紗子さん、シニアアソシエイトコンサルタントの河西剛さんにインタビューを実施しました。
クライアントバリューの源泉であるベイン流のコンサルティングスタイルをはじめ、壁にぶつかった一人ひとりを決して見捨てないサポートの実態、ライフイベントを経てもなお第一線で挑戦し続けられる環境、そしてAI時代にこそ高まるコンサルタントの価値について、じっくりとお話を伺いました。
※このインタビューはベイン・アンド・カンパニーの提供により取材、執筆いたしました。
⇒ベインの企業情報はこちらをご覧ください。
Index
- #1 レポートではなく、結果を届ける──変わらない原点とAI時代の進化
- #2 社会が持続可能であってこそ、企業も成長できる──プロボノ支援の意義
- #3 他業界出身者やコンサル経験者も──参画の決め手
- #4 スタンスを取り、初期仮説をつくる──入社してからの壁
- #5 現場に足を運び、心を動かす──「論理」と「共感」で挑んだトランスフォーメーション
- #6 生の声で心に火をつけ、変革を実現していく──クライアント支援の醍醐味
- #7 “A Bainie never lets another Bainie fail”──支え合いの文化
- #8 答えではなく“論点”をくれる──PDAとのPDチャットの文化
- #9 キャリアも、ライフも、あきらめない──自分らしく挑戦し続けられる環境
- #10 活躍する人の共通点──IQとEQ
- 編集後記
#1 レポートではなく、結果を届ける──変わらない原点とAI時代の進化
コンコードエグゼクティブグループ(以下、CEG)小寺本日はよろしくお願いいたします。コンサルティングファームへの転職を考えている方々に向けて、ベインの魅力をたっぷりお伺いしていきたいと思っています。実は私自身もベインに在籍していたことがあり、古巣の「今」を伺えることを楽しみにしていました。まずはそれぞれ自己紹介をお願いします。
ベイン 大和 梓様(以下、ベイン大和)パートナーの大和梓と申します。ベインには2004年に入社しました。東京オフィスでキャリアをスタートし、アメリカのアトランタやオーストラリアのシドニーオフィスでの勤務も経験しました。
専門分野は、プライベート・エクイティ(PE)やヘッジファンドといったファイナンシャルインベスター向けの支援です。もう1つ、ソーシャルインパクトの創出に取り組む活動も東京でリードしており、さまざまな非営利団体向けに無償でコンサルティングを提供しています。よろしくお願いいたします。
ベイン・アンド・カンパニー 東京オフィス/パートナー 大和 梓氏
ベイン 横松 亜紗子様(以下、ベイン横松)私のキャリアは、デロイトの有限責任監査法人トーマツからスタートしています。会計士として5年間監査を担当した後、今から8年前にベインに中途入社しました。
リテール、自動車、消費財、通信、エンタメなど幅広い業界のクライアントに対するコンサルティング支援を経験し、コンサルタントとしてはシニアマネージャーまで務めました。2人目の出産を機に、2025年からはリクルーティングディレクターとして従事しております。
ベイン・アンド・カンパニー 東京オフィス/リクルーティングディレクター 横松 亜紗子氏
ベイン 河西 剛様(以下、ベイン河西)前職では、外資系戦略コンサルティングファームにて、マーケティング領域を中心としたプロジェクトに多数従事しました。
2025年4月にベインへ中途入社し、現在はシニアアソシエイトコンサルタントとして、製造業におけるコスト構造改革や業務効率化、ポートフォリオ改革に加え、PEファンド向けのデューデリジェンスなど、幅広いテーマのプロジェクトを経験しています。
ベイン・アンド・カンパニー 東京オフィス/シニアアソシエイトコンサルタント 河西 剛氏
CEG小寺ありがとうございます。では、まず大和さんよりベインのご紹介をお願いできますでしょうか。
ベイン大和ベインは1973年の創業以来、「コンサルタントがお届けするのは、単なるレポートではなく、結果である」という考えを大切にしてきました。
戦略を描くだけで終わらず、お客様の組織や現場が実際に動き、成果につながるところまで伴走する。PEやAIなど、支援領域は時代とともに広がっていますが、この原点は変わりません。新しいテーマに挑みながら、最後は結果に責任を持つ。そこがベインらしさであり、ご支持いただいている理由だと思います。
AI領域でも、OpenAIをはじめとするテクノロジー企業との協業を通じて、単にツールを導入するのではなく、どの領域で価値を生み出すかを定め、実装し、現場に定着させるところまで、企業の変革を支援しています。
CEG小寺私が在籍していた頃から変わらない「結果への圧倒的なコミットメント」を、今も一貫して貫かれているのですね。一方で、時代とともに新しく取り組まれていることもあるかと思います。
OpenAI社との協業のお話もありましたが、AIによってプロジェクトニーズはどのように変化しているのでしょうか。
コンコードエグゼクティブグループ ディレクター 小寺 礼香
ベイン大和ファンドの投資判断では、AIによって業界の勝ち筋や企業の競争優位がどう変わるのかが、ほぼ必ず論点になります。投資後についても、AIをどこで活用すれば売上拡大や生産性向上につながるのかを、デューデリジェンスの段階から見極めます。
事業会社では、AIを活用した全社変革から、たとえばコールセンターの業務改善のように、短期間で効果を検証しやすいテーマまで、ご相談の幅が大きく広がっています。
CEG小寺投資判断から投資後の収益拡大まで、AIの影響が重要な論点になっているのですね。先ほどは社外の切り口でお伺いしましたが、社内のプロジェクト運営や働き方にも、変化はありますか。私の在籍当時とは、日々の仕事の風景もずいぶん変わっていそうです。
ベイン大和すごくありますね。ベインには、ChatGPTやClaudeのエンタープライズ版が導入されています。
社内でも、公開情報の収集・整理や分析、資料作成など、日常業務のさまざまな場面でAI活用が進んでいます。定型的な作業をAIに任せられる分、コンサルタントは、論点を磨いたり、お客様と対話したりする時間を増やせるようになりました。
メンバーが自分なりにAIエージェントを組み、チームに共有することもあります。私自身、チームから新しい使い方を教わることが多く、とても刺激を受けています。
#2 社会が持続可能であってこそ、企業も成長できる──プロボノ支援の意義
CEG小寺ベインの特徴でもあり大和さんがリードされているソーシャルインパクトチームについても伺います。守秘義務に配慮いただける範囲で、印象に残っているプロボノ案件を教えてください。
ベイン大和あるプロボノ案件では、子どもの機会格差に取り組む非営利団体をご支援しました。その団体が先駆けてきた取り組みが社会に広がり、同じ役割を担う組織や事業者も増えたことで、単に既存事業を拡大するだけではなく、「次に自分たちが果たすべき役割は何か」を問い直す転換点を迎えていました。
そこで、他の担い手に委ねられる領域は委ね、自分たちは、なお支援が届いていない領域に力を注ぐ。そうした戦略転換を一緒に考えました。自分たちが先駆けて推進してきた取り組みが社会に広がったからこそ、同じ場所にとどまらず、次の未解決課題へ進む。事業規模を拡大し続けることだけではない、非営利団体ならではの成功のあり方を考えさせられたケースです。
CEG濱本ありがとうございます。取り組みが社会に広がる中で、団体自身が次に担うべき役割を再定義するところまで伴走されたのですね。キャリア面談の中では、「社会に貢献できる仕事がしたい」というご相談を多くいただきます。御社は基本的には営利企業を支援するファームかと思いますが、あえてリソースを投じて、ノンプロフィット支援に取り組む理由を教えていただけますでしょうか。
コンコードエグゼクティブグループ 主席エグゼクティブコンサルタント 濱本 ひかる
ベイン大和企業だけが持続的に成長することはできません。社会そのものが持続可能であってこそ、クライアントの事業も長期的に成り立ちます。ですから、社会課題の解決を支援することは、営利企業への支援とは別の活動ではなく、地続きにあると考えています。
ベインは、過去10年間で11億米ドル相当のプロボノ・コンサルティング支援を実施し、2035年までにさらに20億米ドル相当の支援を提供するという目標を掲げています。この数字は、社会課題の解決に人と時間を継続的に投じるという、ファームとしての意思の表れだと思います。東京オフィスでも、このコミットメントに沿って活動をさらに広げていきます。
CEG濱本ノンプロフィット支援そのものはもちろん、営利企業に対しても「良い利益を追求する」という思想が、一貫したカルチャーとしてあるのですね。
ベイン大和そう思います。ベインが毎年開催している「ソーシャルインパクトフォーラム」には、経営者をはじめ、さまざまな企業のサステナビリティ担当の方がご参加くださるので、関心の高まりを感じますね。
#3 他業界出身者やコンサル経験者も──参画の決め手
CEG小寺次に横松さんと河西さんにお話を伺わせてください。中途でベインに参画されているお二人のお話は、転職を検討されている方に大変参考になると思います。まず、ベインを選んだ決め手をお聞かせいただけますでしょうか。
ベイン横松戦略ファームの中でなぜベインを選んだのかというと、「人で会社を選びたい」と、前職の経験からも思っていたからです。私たちはいろいろなところで「1+1は3以上の力を生む」と言っているのですが、私は心の底からそれを信じています。
優秀で相性のいいメンバーとなら結果もインパクトも最大化しますし、何より働いていて自分も幸せです。ベインの面接官は、自身のことも語ってくれて、「私という人」をすごくよく見て、知ろうとしてくれているのを節々で感じました。「この人たちと一緒ならプロジェクトですごい価値を出せる」と信じることができ、ベインを選びました。
CEG小寺複数ファームからオファーを得られる方は、条件やブランドのみならず「人」で決められるケースも多いと、私たちも日々感じています。選考を通じて「知ろうとしてもらえた」ということも重要ですね。入社する前と入社した後で、ベインの印象に変化はありましたか。
ベイン横松それが、びっくりするほどなかったのです。面接やイベントで多数のベインの社員に会っていたので、人のイメージはある程度ついていました。実際に入社してから東京オフィス、グローバルで会ったどの社員も魅力的な人ばかりで、印象のギャップはありませんでした。
むしろ、ギャップがあったのは私自身の変化でした。入社6ヶ月後に振り返った時、入社前に期待していたイメージの何倍ものスピードで成長し、ビジネスパーソンとして成長していると感じました。

CEG小寺自分自身で期待する以上に、気づくとできることが増えている環境はとても魅力的ですね。河西さんもお願いできますでしょうか。
ベイン河西前職での長期プロジェクトを通じて気づいたのは、お客様が本当に困っている課題は「マーケティング」や「コスト」といった単一の切り口では解決できないということでした。そこで、より多様な能力と幅の広さを持った環境でこそ、より大きなインパクトを出せると考え、ベインに転職しました。
CEG濱本河西さんは、プロジェクトの中では具体的にどのような役割を担われているのですか。
ベイン河西ある程度まとまったワークストリームのメッセージの構築、アプローチの立案、分析・調査まで一貫して担当しています。例えば1時間のプレゼンテーションであれば、そのうち10分〜15分について、「お客様に何を伝えるべきか」「何を伝えたら、その人は動いてくれるのか」から考え始めて、どのように証明するかの分析・調査アプローチを設計し、最後はクライアントへのプレゼンテーションやQ&Aを行うこともあります。
#4 スタンスを取り、初期仮説をつくる──入社してからの壁
CEG濱本トップティアのプロフェッショナルファームだからこそ、入社後はいろいろな壁にぶつかることもあるかと思います。特に入社初期の頃、お二人はどのような壁に当たり、どう乗り越えてきたのでしょうか。
ベイン横松私が入社して衝撃的だったのは、プロジェクトの初日から「じゃあ、あなたはどう思う?」と意見を求められたことです。入社したばかりにもかかわらず、です。
前職の監査は、「どうあるべきか」が会計基準や法令・規則に書いてあるので、ほとんどの場合、解は1つ。基準と照らし合わせてボトムアップに考えていくことがメインでした。
ところがベインのコンサルタントは、判断のための情報が十分に集まっていない段階で、かつクライアントにとってもベインにとっても十分な業界知識がない領域においても、素早くまず「仮説(仮の答え)」を出さなければならない。その後その答えがあっているのかどうか検証し、適宜修正していく。特に最初に仮説を出す段階について「それ、どうやるんですか?」と思ってしまったぐらい、衝撃的でしたね。
それを乗り越えるために、主に2つのことに取り組みました。1つは、とにかくたくさん人を頼ること。自分自身が知らなくてもベインの社内、ネットワークの中にエキスパートは必ずいます。そういう人を信じて、上手くレバレッジして結果を出す勇気を持つことです。
もう1つは、学びを一般化することです。他の状況にも応用できる普遍的な原則や法則を抽出して言語化すること。1を学んだら次は100のアウトプットに活きるよう、「この仕事を通じて何を学んだのか」を今も日々仕事の中で言語化できるようにしています。
CEG濱本さすがプロフェッショナルファームで活躍される方は素晴らしいルーティンをお持ちなのですね。河西さんはいかがでしょうか。同じ戦略コンサルタントとしてのご転職ですと、周囲からは「即戦力」と見られる一方で、ファームごとの流儀の違いに苦労される方も多いのではないかと思います。
ベイン河西前職の経験が活きた部分ももちろんありますが、ベインに入社して大きく2つ、苦労したことがあります。1つは、仕事のスピードです。仮説が、ディスカッションを重ねるたびにどんどん形を変えていき、進化のスピードがとても速い。それについていくのも大変でしたし、前職と大きく違いました。もちろん経験者だからこそ活かせる部分も当然あるのですが、前職で染みついたスタイルを変えることに最初は苦労しました。
もう1つ私が苦労したのは、過去の知見を「使い回せることがほとんどない」ことです。と言いますのも、私たちはCxOの方々を直接支援することが多く、前例がない最先端の難しい課題を扱うことが珍しくないからです。論点が常に新しく、今までの方法では解けない課題に、ゼロから取り組む時間がどのケースにもあります。
社内エキスパートの知見やプロジェクト経験は取り入れ効率的に進めつつも、プロジェクトの最終アウトプットはお客様ごとにオリジナルなものがほとんどです。大変なこともある一方で、「この方法、実は世界で初めてなのでは?」という感動もあり、ベインならではのやりがいがありますね。

#5 現場に足を運び、心を動かす──「論理」と「共感」で挑んだトランスフォーメーション
CEG小寺横松さんは、シニアアソシエイトコンサルタントで入社され、シニアマネージャーまで現場でご活躍されています。その中で転機になったプロジェクトはございますでしょうか。
ベイン横松マネージャーになりたての時に担当した、自動車部品会社のケースをご紹介したいと思います。
そのプロジェクトは、月に2回ほど、クライアントの開発、調達、製造、営業などの各部長から役員まで全員が集まって「どのような取り組みをして、結果が出たのか」「今後何をすべきか」を細かく検証、議論しあう、プレッシャーのあるプロジェクトでした。
私はクライアントの開発、製造現場にも足を運び、ひたすら議論と思考を重ねていました。「一体どんなレバーが引けるのか?」「何にお悩みなのか?」「もし引けるレバーがあるのだとしたら、なぜ今までやってこなかったのか?」「どうすればやる気になってくださるのか?」──そんなIQとEQを掛け合わせた活動を続けていく中で、統合的思考力をはじめ、さまざまな力を身につけることができました。
多数の取り組み、ステークホルダーとのコミュニケーションが同時並行で走るため、チームにも直接クライアントと議論するという成長機会を提供できたという意味でも印象深いプロジェクトでしたね。メンバーが急速に成長する姿も目の当たりにすることができ、やりがいがありました。
CEG小寺現場の方々が仕事のやり方を変えることに対して抵抗がある場合も多いと思うのですが、どう乗り越えられましたか。
ベイン横松やはりポイントは、先ほどのIQとEQの掛け合わせですね。まず、「やらない」理由をロジカルに紐解き、その上で「こうやったらできますね」ときちんと説明します。ただ、それだけでは人は動かないので、そこはEQの出番です。例えば、「上司の前でスポットライトを浴びられるような機会づくり」などのインセンティブの仕組みも含めて、できる方法を提案していました。
CEG小寺論理だけでなく、相手の背景や気持ちを理解し、納得と行動につなげる。まさにベインらしい支援を体現されたお話ですね。
#6 生の声で心に火をつけ、変革を実現していく──クライアント支援の醍醐味
CEG小寺大和さんは現在パートナーとしてご活躍されるうえで、お客様とのやりとりの中で思い出に残っている場面はございますでしょうか。
ベイン大和あるPEファンドの投資検討において、地方に拠点を置くメーカーのデューデリジェンスを担当した際のことです。日本には、ニッチな領域で世界的に高い競争力を持つ企業が数多くありますが、その企業もまさにその一社でした。
調査の段階から、私は同社の経営幹部の方々と直接お話しする機会がありました。その後、投資が実行された際に、「外部から見て、この会社のどのような強みや可能性が見えたのか、ぜひ聞かせてほしい」と声をかけていただきました。
そこで、調査の過程で海外の取引先から伺った、「これほど美しい製品をつくれる企業は、世界でもほかにない」という生の声をお伝えしました。その言葉をお伝えした瞬間、場の空気が変わりました。経営幹部の方々の中に、「自分たちは海外でも成長できる」という自信と確信が生まれたのです。それをきっかけに、支援は海外成長戦略のプロジェクトへと発展していきました。
分析結果を示すだけでなく、外部の生の声をお伝えすることで、お客様が自社の価値を再発見し、次の成長に向けて動き出す。そのような瞬間に立ち会えることが、ベインで働く大きな醍醐味だと思います。

CEG小寺デューデリジェンスという最初のテーマで信頼をいただき、そこから海外の事業戦略という異なる領域まで、広がりを持ってご支援されている。分析の正しさだけではなく、「生の声」で経営幹部の心に火をつけて、変革を実現していく。ベインならではの醍醐味にあふれるシーンですね。
#7 “A Bainie never lets another Bainie fail”──支え合いの文化
CEG濱本私自身も戦略コンサルティングファームにいた経験があるのですが、優秀な方ほど、最初の数年は人知れずもがいているものだと感じています。読者の中には「パートナーまで昇り詰める方は、挫折を知らない選ばれし人なのでは」というイメージをお持ちの方も多いと思います。大和さんはこれまでのキャリアの中で、壁にぶつかったことはありましたか。

ベイン大和入社してすぐの頃は、分析やロジカルシンキングに本当に苦労しました。例えば、ファイナンシャルモデルにミスがあり、直しても直してもあり得ない数値が出てしまい、延々と修正を繰り返していたことがあります。そんな時も、上司が根気よく付き合い、一緒に原因を探してくれました。ベインの“A Bainie never lets another Bainie fail”を実感した原体験です。
今も新しい壁にぶつかることはあります。それでも、苦労の先で「次のフェーズもぜひ一緒に」とお客様に言っていただけたり、心から応援する団体の役に立てたりする。そうした実感が、ここまで続けてこられた原動力です。
CEG濱本そうして上司や先輩から助けてもらったことを、また後輩に受け継いでいく。そういった文化があるということですね。
ベイン大和まさにそうですね。学んだことは全部教えますし、問われなくてもおせっかいなぐらい助け合い、教え合うカルチャーだと思います。
CEG小寺カルチャーの面を伺いましたが、それを支える仕組み、社内制度についても教えていただけますか。
ベイン大和ベインには、一人ひとりの成長を支えるさまざまな仕組みがあります。たとえば、長期的なキャリア形成や能力開発を支えるPDA(Professional Development Advisor)が、社員一人ひとりにつきます。
定期的な「PDチャット」を通じて、「次はどんな案件に挑戦するか」「苦手なスキルをどう伸ばしていくか」といったテーマを一緒に考え、継続的に成長を支えてくれる存在です。
私たちの最大の資産は人です。一人ひとりの成長を加速させ、壁にぶつかった人を徹底してサポートすることが、ファームの成長の根幹にあります。
#8 答えではなく“論点”をくれる──PDAとのPDチャットの文化
CEG濱本先ほど大和さんから、PDAという制度のお話もありました。お二人にとってPDAの方との関わりや、印象的な「助けていただいた」エピソードがあれば、ぜひ教えてください。
ベイン横松助けてもらったエピソードは、数え切れないほどあります。私は悩んだらすぐに、アドバイスをくれるであろう先輩や同僚とPDチャットの時間を設定しています。すでに卒業したアルムナイも含めてです。そのくらい、ベインには「人を頼る文化」が根付いています。

ベイン河西私もPDAや、プロジェクトで一緒になったシニアマネージャーに相談しています。実はつい数ヶ月前に大きな失敗をして、その時もシニアマネージャーにすぐ相談しました。「同じ失敗を繰り返さないために、今後どうするべきか」といった実務的な話をしてくれました。
さらに、感情面にも寄り添ってくれます。「プラクティカルなアドバイスをくれつつ、丁寧に感情に寄り添ってくれる方」が多いですね。
この1年間で、多くの方に、何十回かわからないぐらい相談させていただきました。悩んでいることを話すと、解決策をくれる方もいれば、「何を悩んでるの?」と深掘りをしてくる方もいる。さまざまなアドバイスのスタイルがあって、それが逆に自分の考えを深める契機になっています。いろいろな人に話を聞ける環境は本当にありがたいですし、失敗を乗り越える上でとても助けになっています。
CEG濱本まさに、壁にぶつかった時に一人で抱え込まず、周囲を頼りながら成長していくという、ベインの文化を体現したお話ですね。PDAとの定期的な面談以外にも、プロジェクト外の方にも、チャットはフランクにお願いできるのですか。
ベイン河西できますね。それが自然ですし、むしろマネージャーの方などは、それが責務といいますか、重要な仕事のミッションの1つとして定義されているぐらいです。
#9 キャリアも、ライフも、あきらめない──自分らしく挑戦し続けられる環境
CEG濱本大和さんはお子さんもいらっしゃると伺っています。実は、女性のご相談者からは「戦略ファームで、ライフイベントを経ても働き続けられるのか」という不安の声をよくいただきます。制度が整っているかどうか以上に、実際の空気感を知りたいという方が多いです。産休・育休の際の、会社やチームの雰囲気、反応はいかがでしたか。
ベイン大和育休から復帰した後も、どうすれば私が自分らしく、仕事を続けられるかを、周囲が一緒に考えてくれました。妊娠中に体調が優れず周囲を頼った時も、「気にしなくていいよ」という空気があり、必要な時には遠慮せず助けを求めることができました。とてもありがたかったですね。
これは出産に限った話ではありません。介護や病気など、家族や自分の体調を優先せざるを得ない状況は、誰にでも訪れる可能性があります。制度があることだけでなく、状況に応じた働き方を気兼ねなく相談できる。その空気が、長く働き続けられる土台になっていると思います。
CEG小寺「女性だから」という特別扱いではなく、出産も介護も病気も、誰にでも起こりうることとして自然に支え合う。「やりたい」と手を挙げればしっかりアサインしていただける一方で、「今は100パーセントでは難しい」という時にはきちんと支えてもらえる。制度以上に、そのマインドが自然に働いている文化が素敵ですね。

CEG小寺横松さんは現在リクルーティングディレクターを担われています。コンサルタントからのキャリアの転機について、ぜひお聞かせいただけますか。
ベイン横松入社してからはコンサルタント一本で、シニアマネージャーまで駆け上がってきたのですが、シニアマネージャーになり、子どもを2人授かったフェーズになった時に、ここでまた働き方を少し変えて、もう1つ自分の尖り・強みを作るいいタイミングなのかな、という考えに至りました。
コンサルティングの仕事も、このファームも大好きな私として、どんな形で貢献できるか考えていたところ、「リクルーティングディレクターをやってみないか」と打診されました。ファームの成長において、採用は最重要経営課題の1つです。それに携われることに大きなやりがいを感じています。
さらに、自社の経営課題に腰を据えて取り組めば、今後コンサルを続ける上でも、アドバイザーとして自分の価値が高まっていくはず。そんな想いからこのロールを引き受け、ファームの成長を牽引していこうと決めました。
CEG小寺コンサルティングは人なくして成長できない業界ですので、非常に重要なロールですね。リクルーティングにおけるダイバーシティの取り組みについて、ぜひお伺いできればと思います。

ベイン横松1つはジェンダーに関するダイバーシティの向上に努めています。女性が活躍できるよう会社としてもサポートしていますし、採用活動においても女性候補者向け採用支援プログラム“Be Bold Program”などの特別イベントを開催しています。
また、地域の面でのダイバーシティも重視しています。私たちは東京オフィスなので、どうしても東京の候補者が多いのですが、今後はこれまで以上に関西などにも対象を広げて採用活動を展開していこうとしています。
CEG濱本働き方についてもお聞かせください。戦略ファームの働き方は、ともすれば「ハードワーク」という一面的なイメージで語られがちですが、実際にはチームの生産性とメンバーのコンディションをどうマネジメントするかが重要だと思います。プロジェクトごとに一緒に働く方々は変わります。
横松さんは、お子さん2人を育てながら第一線で活躍されていらっしゃいますが、何か工夫などございますか。
ベイン横松家族との時間を確保するために、毎日PCを閉じる時間を決めています。一方で、私には「なりたいビジネスパーソン像」があるので、リクルーティングディレクターの枠にとらわれず、ファームと自分の成長になることはできる限りやるようにしています。例えば、人材開発の面で新しく入社した社員を育成したり、クライアント開拓や提案業務等のコンサルティングをしたりする業務にも関わっています。
CEG濱本意思をもってメリハリをつけているのですね。河西さんはマネージャーやチームメンバーの皆さんと、働き方についてはどのようにコミュニケーションしているのでしょうか。
ベイン河西自身の働き方について伝えるタイミングは、大きく2つあります。まず、プロジェクトの初めにマネージャーが各メンバーの生活面でフォローが必要なことはないか確認してくれます。
さらに週1回、全プロジェクトで「ケースチームミーティング」が設けられ、チーム全体、および個人の目標の達成度や業務量が適切だったかをチーム全員で話し合います。
このミーティングには、プライベートの目標を自由に設定できる「バーチャルペット」という仕組みもあります。「その目標をペットのように大切に、自分を労りなさい」という意味で名付けられていて、私は「週1回新しいレシピに挑戦する」、同じプロジェクトのシニアマネージャーは「週3日朝に愛犬の散歩に行く」と設定し、チームで共有しています。
一人ひとりのライフをお互いに尊重し合う。そんな仕組みとカルチャーがベインにはあります。

CEG濱本素敵ですね。お互いのライフを尊重し合うことが、結果的にチームの生産性とパフォーマンスを最大化する。日々高い生産性が求められる中で、そのための工夫がなされているのだと思います。ちなみに、冒頭で大和さんから社内のAI活用が加速しているというお話もありましたが、現場の体感としても、AI活用はかなり進んでいるのでしょうか。
ベイン河西はい、急速に進んでいます。大和の話にもありましたが、エキスパートへのインタビューやExcelでの分析といった実行系のタスクは、各自AIで進めています。メモ取りからまとめまで自動化したり、1日100件以上受信するメールを全てAIに読ませて自動で処理したり、さまざまな場面でAIを活用しています。
さらに、シーンごとに必要なAIエージェントをみな独自に開発して、共有してくれるので、業務効率は格段に上がっています。その分、より重要な思考やクライアントコミュニケーションの計画に時間を割けるようになっています。
#10 活躍する人の共通点──IQとEQ
CEG濱本ベインではさまざまな方が活躍されているかと思います。パートナーの目からご覧になって、そのような方々に共通する特徴はどこにあるでしょうか。
ベイン大和まず、私たちがよくお伝えするのは「IQとEQ」です。地頭の良さに加えて、チームで力を掛け合わせ、複雑な要素を統合して考える力が欠かせません。AIの普及に伴い、特にEQの重要性はさらに高まっていると思います。
お客様は、その事業や現場を誰よりも深く理解しています。実際、課題がどこにあり、何をすべきかを、お客様ご自身がすでにわかっていることが多いのです。
それでも動けない背景には、組織の事情や過去の経緯、迷いがあります。正しい答えを伝えるだけでは、人は動きません。お客様がすでに持っている答えを、分析によって確かなものにし、組織全体の納得と行動につなげることが、コンサルタントの役割です。
そのために必要なのが、人への好奇心、共感、そしてリスペクトです。「何がこれまで行動を難しくしていたのか」「何があれば、この人は一歩を踏み出せるのか」を考え、相手と同じ目線で伴走する。相手に対する本当の関心と敬意が伝わって初めて、「この人と一緒に動けば結果が出る」と信頼していただけるのだと思います。
IQとEQの両方を大切にし、周囲とともに成長しながら大きな成果を生み出したい方に、ぜひベインの扉をたたいていただきたいと思います。

CEG小寺大和さん、ありがとうございました。横松さん、河西さんからも、これからベインを志す方へのメッセージをいただけますでしょうか。
ベイン横松「社会や企業に大きなインパクトを与えられるビジネスパーソンになりたい」など明確な目指す像を持った方は、ぜひベインにチャレンジしてほしいと思います。難しい仕事なので、つまずくことはたくさんあります。でも、それを乗り越える最大の原動力は、「こうありたい」という自分の気持ちだと思います。私たちの仲間になった際には一緒にその壁を乗り越えていけるように全力でサポートします。
ベイン河西ベインは成長意欲がある方に、ぴったりの環境だと思っています。先ほど申し上げたように、私たちは前例のない難解な課題を扱っています。誰もチャレンジしたことがない問題に挑むことで、圧倒的に成長できる環境です。さらに、成長を支える、相談できる文化や、知見を共有する仕組みも整っています。
CEG小寺本日は、ベインのコンサルティングの特徴である「結果へのコミットメント」から、支え合いの文化、働き方のリアルまで、包み隠さず深いお話をお聞かせいただきました。どうもありがとうございました。

編集後記
“A Bainie never lets another Bainie fail”──今回のインタビューを貫いていたのは、この行動指針が、制度ではなく「カルチャー」としてベインに根付いているという事実でした。結果への圧倒的なコミットメントを掲げるファームだからこそ、それを支える「人を助けることを躊躇しない文化」が徹底されているのだと感じました。
未経験からで内発的動機を持って戦略コンサルタントという仕事に挑戦したい方、圧倒的な成長環境と支え合いの文化の両方を求める方、そしてライフイベントを経ても長くプロフェッショナルとして活躍し続けたい方──そのような志を持つ方に、特におすすめのファームです。

