【ADLインタビュー】大事にするのは“IQとEQ”──企業変革・産業変革に徹底的に拘る、戦略ファームの流儀

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社(以下、ADL)は、1886年に米国で生まれた戦略コンサルティングファーム。140年の歴史を誇る一方、新代表体制のもとで「変革パートナー」としての価値をあらためて打ち出し、日本企業の経営変革を一段と加速させようとしています。

しかし、ADLといえば「技術・R&D領域」「製造業」に特化したファームといった旧来のイメージをお持ちの方も少なくありません。実際は、成長戦略、新規事業、全社戦略、サステナビリティ、イノベーションといった幅広いテーマに取り組む戦略ファームとして、その存在感は年々大きくなっています。

今回のインタビューでは、2026年2月に日本代表に就任された祖父江謙介さん、そしてエネルギー・社会インフラ領域を率いる宇野暁紀さんにご登場いただき、ADLが大切にしている価値観、プロジェクトの実像、そしてキャリアや働き方の魅力についてお話を伺いました。

※このインタビューはアーサー・ディ・リトル・ジャパンの提供により取材、執筆いたしました。

ADLの企業情報はこちらをご覧ください。

#1 個人の好奇心が組織を動かす――ADLが大切にする「3つのC」

コンコードエグゼクティブグループ(以下、CEG)土門本日はよろしくお願いいたします。コンサルティングファームへの転職を考えている方々に向けて、ADLの魅力をお伺いしていきたいと思っております。まずは、お二人の自己紹介をお願いできますでしょうか。

ADL祖父江謙介様(以下、ADL祖父江)祖父江と申します。現在はパートナーとして、2026年2月よりADL Japanの日本代表を務めています。企業変革テーマを中心に、戦略立案から実行支援まで一貫してクライアントを支援するのが私のメインの役割です。

キャリアとしては、新卒入社した自動車メーカーに3年間ほど勤めた後、戦略コンサルティングファームに転職し、7〜8年ほど経験を積みました。その後はベンチャー企業を経て、東南アジア駐在を希望して別のコンサルティング会社に移り、6年前に日本に戻ってきてADLに参画しています。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー 日本代表 祖父江 謙介氏

アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー 日本代表 祖父江 謙介氏

ADL宇野暁紀様(以下、ADL宇野)宇野と申します。現在はパートナーとして、電力・ガス・石油などのエネルギー業界や、商社・建設といった社会インフラ関連業界を中心に担当する一方、Energy, Utilities & Resourcesプラクティスのコアメンバーでもあります。

キャリアとしては、新卒で日系コンサルティングファームに入社し、その後、会計系のファームを経て、一度ADLに参画しました。短い期間、別のファームに移ったこともあるのですが、最終的にADLに戻ってきた、いわゆる“出戻り”の人間です。ADLらしさに惹かれて戻ってきたという経緯があり、その魅力もお伝えできればと思っています。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー 宇野 暁紀氏

アーサー・ディ・リトル・ジャパン パートナー 宇野 暁紀氏

CEG土門ありがとうございます。宇野さんが他ファームを経験してもなおADLに戻られたという事実は、候補者の方々にとっても興味深いことだと思います。

祖父江さんは2026年2月にADL Japanの新代表に就任されましたが、ADLが組織として大切にしている価値観をあらためて教えていただけますでしょうか。

ADL祖父江ADLは、大きく「3つのC」を掲げています。Collaborative(協調性)、Committed(責任感)、そしてCurious(好奇心)です。この中でも特徴的なのは、Curious(好奇心)が入っている点だと思います。

CEG土門他のコンサルティングファームでも、クライアントへのコミットメントやチームワークといった価値観は必ずと言っていいほど掲げられていますが、「個人の好奇心」を組織の中核的な価値として位置づけているファームは珍しいです。組織としての統一感よりも、個の好奇心を優先するという方針は、どのような背景から来ているのでしょうか。

ADL祖父江ADLは140年ほど前にアメリカで生まれたファームで、もともとはリサーチラボから始まっています。創業当時は「イノベーション」、つまり新しいことを生み出していく時代でした。

だからこそ、当社が大切にしているのはイノベーションであり、個人の発想を組織知に転化していくという考え方です。日本代表として今後さらに大切にしていきたいのは、個人の「自律性(オートノミー)」です。個人を組織にはめ込むのではなく、一人ひとりの強みを生かした組織をつくっていきたい。そのような想いで動いている会社です。

INDEX

#2 “改善”ではなく“変革”――Side-by-Sideで挑む「ドライビング型」支援

CEG土門御社が打ち出しているメッセージとして「変革パートナー」「Side-by-Side」というキーワードがあります。ただ、「変革」「伴走」「ともに考える」といった言葉は各社がこぞって使っており、候補者の方に対しては、その言葉が具体的に何を意味するのかが伝わりにくくなっていると感じています。 ADLが掲げる「変革パートナー」は、他社の定義と何が根本的に違うのでしょうか。その本質をぜひ教えてください。

コンコードエグゼクティブグループ プリンシパル 土門 憲史

コンコードエグゼクティブグループ プリンシパル 土門 憲史

ADL祖父江おっしゃる通り、「変革」「伴走」はコンサル業界全体に広まってしまった言葉ですよね。企業の変革と一口に言っても、「改善に近いもの」と「大きく変える変革」まで多様なレベルがある。我々が特化しているのは“大きく変える変革”の領域で、非常に難易度の高いものです。当社は少数精鋭ですし、改善レベルの仕事はそもそも担おうとしていません。

「大きく変える変革」は、なぜ難しいのか。それは、たくさんの人が関わるからです。これまでの人の営みの制度や仕組みを変える、あるいはそれを支える事業を新しく創るには、しっかりとしたグランドデザインと、それを成し遂げる人材が必要になります。そういった企画ができる人材が集まっているのが当社の強みです。

CEG土門例えば、総合系ファームや大手SIerが提供する伴走支援は、どちらかというとPMOとしてプロジェクトを管理・モニタリングするスタイルが主流で、進捗を管理し、報告を整理する役割に近い印象があります。一方で、ADLが掲げるSide-by-Sideは、よりクライアントに入り込むスタイルと感じているのですが、宇野さんの実感としては、他ファームの伴走支援と比べてどのような違いがあるのでしょうか。

ADL宇野たしかに伴走型支援というと、いわゆる変革プロジェクトをPMOで管理するイメージを持たれることが多いかもしれません。しかし我々は、むしろお客様の一員としての当事者意識を持ちながらクライアントを巻き込んで変革活動をドライブしていく。社内ではこれを「Project Driving Office」と呼ぶこともあります。

お客様の一員であるからこその“熱い心”と、第三者であるからこその“冷静な視点”、この両方を備えた形で変革を推進していく。これがSide-by-Sideの本質的な意義だと考えています。

CEG竹端直弥(以下、CEG竹端)少し補足してお聞きしたいのですが、私はかつて組織人事系のコンサルティングファームで、大企業のリーダーシップ開発や組織変革の支援をしてきました。

そこで痛感したのは、「変革の絵を描くだけではなく、実際に人や組織が変わるところまで伴走しきれるかどうか」によってクライアントへの提供価値が大きく変わるということです。ADLが掲げるSide-by-Sideは、まさにその「人が変わる」「組織が変わる」というところまで踏み込んでいるとの認識でよいでしょうか。

コンコードエグゼクティブグループ ディレクター 竹端 直弥

コンコードエグゼクティブグループ ディレクター 竹端 直弥

ADL祖父江まさにそこが核心です。変革後の“あるべき姿”の絵を描くだけなら、ある意味誰でもできてしまいます。ADLの実行支援の目的は、最終的にADLがいなくても、クライアントが自律的に走れる状態を作ることです。そこに至るまでに人々の営みをスムーズに変えていく戦略を描くためには、お客様特有の事情と人の動き方を深く理解する必要があります。

我々が一番大事にしているのは、あるべき姿に至るまでの暫定的な“解”と、そこにワンステップずつ近づくための仕組み、そして伴走的な支援です。

そのためには論理的な頭の良さだけではなく、人の営みがわかる、人の心がわかる、人を動かせる、自分も一緒に動ける能力が大切です。IQに加えて、EQ。その両方がないと務まりません。

CEG竹端人を動かすリーダーシップなどEQに関係するスキルは、一朝一夕には身につかないものだと思います。ADLのプロジェクト経験の中で自然と鍛えられていくものなのか、あるいは意図的な育成プログラムがあるのか、どちらなのでしょうか。

ADL祖父江主にOJTで身につくものだと思います。当社の魅力の一つは、変革の困難な局面を一緒に走り抜けることで「戦友」のような関係をお客様と築くことができる点です。

社内以上に深い関係性をクライアントと築けるこの経験が、人を動かす力を育んでいきます。それはマニュアルで教えられるものではなく、その場面に当事者として立ち会い続けることで磨かれていくものです。

INDEX

#3 “技術系ファーム”は10年以上前の話――業界も、テーマも広がる戦略ファームへ

CEG土門候補者の方々とお話しすると、ADLに対して「技術・R&D領域」「製造業」に強いファームというイメージをいまだにお持ちの方が一定数いらっしゃいます。このイメージのギャップを実態に即してアップデートするために、まず現在のプロジェクトの広がりをお聞かせいただけますか。

ADL祖父江“技術経営”をメインにしていた時代は、もう10年以上前のことです。また、製造業のプロジェクトは現状3割程度になっており、近年は企業変革に重点が移っています。

当社では、この「変革」こそ「イノベーション」であると捉えています。日本では「イノベーション=技術」と狭く捉えられがちです。一方で当社では、成長戦略、新規事業、全社戦略、トランスフォーメーション、サステナビリティなど幅広いテーマを手がけています。近年は社員の文理比率もほぼ半々で、バックグラウンドを問わず、知的好奇心・構造化力・変革への関心・自律性を持った方が活躍しています。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 祖父江謙介氏

CEG土門ぜひ、最近ご支援された具体的なプロジェクト事例を教えていただけますでしょうか。

ADL宇野私自身、電力、ガス、石油、商社などのエネルギーセクターを担当しています。具体的な事例として、ある電力会社様の組織変革を伴走型でご支援した案件をご紹介します。

電力は、もともと規制産業でした。政策によってすべてが決まる“守られた産業”だったのが、規制緩和の波を経て、一般的な企業として競争していく業態へと変わっていきました。

その中で、事業のあり方、組織の仕組み、人のマインドまで、従来の規制産業の中で最適化されてきた「オペレーショナルエクセレンス」型から、新しい価値を生み出す方向へと変える必要がありました。これを伴走で支援させていただいたのです。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 宇野暁紀氏

CEG土門いわゆる「両利きの経営」、つまり既存事業の深化と新規事業の探索を、同時に進める組織変革を支援されたイメージでしょうか。

ADL宇野そこに近いところまで、ご支援させていただきました。当時のプロジェクトオーナーはクライアントの副社長(現社長)で、他にも役員3名にご参画いただいた全社規模の変革です。組織変革のコンセプトの構想段階から、次期幹部候補となる若手・中堅の皆様と密に議論を重ね、組織変革の「ありたい姿」を描いた上で、実際にそれを実現する打ち手まで、数年単位でしっかりと落とし込んでいきました。

CEG竹端今のお話を伺って、私が組織人事コンサルで感じていたこととリンクする点があります。組織変革では、トップのコミットメントと現場への変革意図の浸透、そして次世代リーダーの育成が三位一体で進まないと、新たな仕組みが定着しないというケースが多くありました。

宇野さんのお話では、次期幹部候補の若手・中堅の方々と密に議論されたとのことですが、コンピテンシー定義や人材育成のような、組織能力を「仕組み」として根付かせるところまで踏み込まれているのでしょうか。

CEG 竹端 直弥

ADL宇野まさにその通りです。組織変革の「ありたい姿」を構想するだけでは変化は起きません。コンピテンシーの定義や次世代候補の選抜、組織設計といった、組織能力をつくる部分にまで踏み込まないと変革は“絵に描いた餅”になってしまいます。ただ、「それをADLが全部自前でやる」というわけではありません。

CEG土門つまり、御社が推進する「オープンコンサルティング」(外部の専門家や学者とのネットワークを活用することで社会やクライアントの様々な課題を解決する活動)で支援されたということでしょうか。

ADL宇野そうですね。たとえば新しい事業の選定といった領域では、外部の専門家の力をお借りしながらプロジェクトを進めました。先ほど祖父江も言いましたが、我々の価値はクライアントに対して成果を出すことであって、「我々のみの力で成果を出すこと」ではありません。ADLはあくまでも、変革のコアとなる部分をお客様と一緒に設計・推進しながら、それ以外の専門領域については最適な外部パートナーと組む。その全体の座組を設計し、動かしていくのが当社の役割です。

INDEX

#4 産業全体を動かす――JR東日本との「WaaS共創コンソーシアム」

CEG土門これまでのお話を整理すると、ADLの変革支援は個社の経営・組織変革にとどまらず、もっと大きなスコープがあるように感じています。御社が取り組まれている「産業変革」や「エコシステム型」のアプローチについて、具体的にどんなプロジェクトがあるかをお聞かせいただけますか。

CEG 土門 憲史

ADL宇野JR東日本様とご一緒させていただいている「WaaS(Well-being as a Service)共創コンソーシアム」をご紹介します。

ここでは、当社が事務局として、産業横断の変革をご支援させていただいています。JR東日本様のような社会インフラを担う企業様は、自社の事業変革・組織変革を進める際、ミッションに「社会を変えていく」という要素が含まれることが多くあります。

ただし、1社でできることには限界があります。当社では、まずそのような企業様の戦略構想策定や事業変革をご支援するのですが、より長期的に社会をよい方向に変えていくためには、他社と手を組み業界全体を動かしていく必要があります。

そのような構想から実行までを一緒にご支援したのが、この事例です。コンソーシアムを立ち上げる過程では、構想に巻き込みたい業界の探索から、具体の企業を巻き込んでの共創活動の立ち上げまで伴走させていただきました。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 宇野暁紀氏

ADL祖父江個別企業の変革支援が、コンサルティングのメインだと考えている方が多いかもしれません。しかし、「産業自体を変えよう」という動きも含めて取り組んでいるのが、当社のもう一つの大きな特徴です。個社としても強くなければなりませんし、産業全体としても強くなければグローバルで戦えないからです。

CEG土門コンソーシアムの形成まで支援するというスタンスは、通常の戦略コンサルティングの枠を大きく超えていますね。候補者の方の立場で考えると、「自分のコンサルタントとしての仕事が、1社の変革を超えて産業や社会のレベルで成果になっていく」という経験は、相当なやりがいと成長の源泉になりそうです。実際に、そうした大きなプロジェクトに若手コンサルタントも関わる機会があるのでしょうか。

ADL祖父江もちろんあります。少数精鋭というのは、裏を返せば若手であっても重要な局面で当事者になれるということです。例えばコンソーシアムや企業連携の支援であれば、「口説き」のミーティングに同席したり、合意形成のための資料を自分で作ってプレゼンしたりという経験が、若手の段階から積めます。ただし、それは単に放り込まれるのではなく、先輩が横についている状態でのチャレンジです。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 祖父江謙介氏

INDEX

#5 “オープンコンサルティング”――最適な座組をつくる「プライマリ・ケア」

CEG竹端コンサルティング業界では、クライアントの機密を扱うこともあり、自社グループだけでクライアントへの価値提供を完結させようとする傾向があるように思います。ADLがあえて「オープンコンサルティング」を志向する背景には、どのような考えがあるのでしょうか。

ADL宇野当社は少数精鋭ですし、変革のコアとなる部分はお客様と一緒に進めますが、それ以外については、専門リサーチ会社、SIer、ディープテックのスタートアップ、研究機関など、専門性を持った外部組織とアライアンスを組み、クライアントにとって最適な体制をつくっていく。自社で抱え込もうとしないのが「オープンコンサルティング」の本質です。

ADL祖父江繰り返しになりますが、我々の価値は「クライアントに対して成果を出すこと」であって、「クライアントに対して我々のみの力で成果を出すこと」ではない。ここが一番重要なポイントです。必要であれば、その専門分野の権威、スタートアップの経営者、研究機関の専門家など、誰の力でも借りる。それがクライアントに最大の価値を提供する方法であれば、躊躇しません。この姿勢は、上位職から若手まで浸透していると思います。

CEG土門お話を伺っていると、御社のスタンスには「プライマリ・ケア」という表現がぴったりだと思います。お客様の悩みを総合的に把握した上で、専門医(他の会社)が必要なら紹介する。その判断と全体設計ができるのが御社の役割ということですね。候補者の方の視点で言えば、こうした座組を設計する経験は、将来的に事業会社の経営企画やCxO候補として動く際にも大きな財産になりますね。

INDEX

#6 AI時代に残る価値――IQ+EQで人を動かす力

CEG土門候補者の方と面談していると、「AIによってコンサルタントの仕事が減っていくのではないか」という不安を口にする方が増えています。背景には、情報収集・データ分析・資料作成といった、従来のコンサルタントが価値を生み出していた作業の代替懸念があるようです。

一方、変革パートナーとしてのADLの仕事の本質は、先ほど伺った通りIQとEQの両方を要する人間的な営みだと思います。ADLとしては、AI時代のコンサルタントの価値についてどのようにお考えですか。

CEG 土門 憲史

ADL宇野AIをコンサルティング業務に活用するのは避けて通れませんし、効率化できる部分は確実にあります。具体的には、リサーチ、デスクトップ調査、分析、そして資料へのまとめといった作業はまさにそれに該当します。

ただしこれはあくまでもツールです。40年前に手書きでグラフを描いていた先輩方が、Windowsの登場でExcelやPowerPointの世界に移行したのと同じ変革が今来ているということだと思います。

一方で、本質的に変わらないのは「変革のパートナー」という立ち位置です。クライアントの文書化できない情報やコンテキストを理解しながら、どこを一緒に変革すべきかを見極める。ここはAIで代替されない領域です。

ADL祖父江シンプルに言えば、PowerPointができた時代に資料作成が楽になり、Excelができて集計が楽になりましたよね。それと同じです。AIも道具として使う時代になります。ただし、当社は変革する場面をサポートしている会社です。

変革時に、分析資料だけで人は意思決定して動けるでしょうか。そこには必ず人の判断が入ります。AIが言ったからといって人は動きません。人の心や感情を読み解きながら、どう進めるかを設計する力が必要です。

「AIはビールを飲めない」とおっしゃっている方もいますが、本当にその通りだと思います。だからこそAI時代の今、人の心を動かせるコンサルタントの価値はむしろ高まっていくと考えています。

CEG竹端強く同意します。変革の現場では、論理的な正しさよりも「人が動く」「人がコミットする」かどうかが成否を分けます。

その意味で、若手コンサルタントが今から意識的に伸ばすべきことは何だと思われますか。AIが出してくれる情報をどう意味づけし、クライアントの意思決定につなげるかという「問いを立てる力」でしょうか。

CEG 竹端 直弥

ADL祖父江まさにその通りです。問いを立てる力、そして示唆をどう伝えるか。得られた分析情報からどんなメッセージを引き出し、どう経営に伝えるか。コミュニケーションのやり方は、必ずしもPowerPointである必要はなく、Word一枚でもいいし、対面の一言でもいい。

そうしたコミュニケーション設計や、クライアントに深く入り込んで変革を推進する役割こそが、これからのコンサルタントに問われる力だと思います。

CEG土門AIが絡むテーマのプロジェクト自体も、御社では増えているのでしょうか。

ADL宇野ものすごく増えています。今までの仕事のやり方を高度化する、効率化する、自動化する。日本の人材市場の構造を考えても、AIで効率化できないか、より高度なことができないかというニーズは爆発的に広がっています。

ただ、よくあるのが「AIツールを導入したものの、本当に経営成果につながっているのか」という悩みです。経営の成果とAIツールが乖離している。そこをしっかりと経営の手段としてつないであげる――これがまさに我々の役割になります。

単にAIツールを入れてチャットで何か聞いているだけでは業務はうまく回りません。業務を理解し、経営のパラメーターも理解しながら変革につなげていく。そうしたテーマが増えています。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 宇野暁紀氏

INDEX

#7 ワンプール制とクロスアサイン――複数の領域を選択できる自由

CEG竹端キャリアコンサルタントとして多くのコンサル経験者の方のキャリア相談に乗ってきました。その中でも「ある程度経験を積んだ中堅層」の方が転職先として大手ファームを選ぶ際、「自分の専門性を活かしながらも、担当業界や領域の幅を広げたい」「ファームへの組織貢献だけでなく、自身のキャリアビジョンを踏まえたプロジェクト経験を積みたい」という声をよく聞きます。

特定の部署や業界に固定せず、全社でひとつの人材プールとしてコンサルタントを管理するADLのワンプール制は、まさにそうした志向に応えるものだと思います。実態としてどのくらい自由が保たれているのでしょうか。

ADL祖父江それはまさにADLのコアな差別化ポイントです。他のファームでは「この業界のこのファンクションを担ってください」という要望が入社時に決まることが多いと思います。

しかし、当社にはそれがありません。一人ひとりに「このファンクションのこの業界を中心にやりたい」と手を挙げていただき、会社としてもその意志を尊重し、任せていくスタンスです。探求したい領域を自分で4つほど選択できる仕組みになっているのです。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 祖父江謙介氏

CEG竹端4つ、というのは驚きました。他のファームでは1〜2つが一般的ですし、場合によっては「囲い込まれてしまって自分の希望がなかなか通らない」という声を耳にすることも少なくありません。ADLの場合、実際に「自分が手を挙げたら入れる」という自由度はどのくらい担保されているのでしょうか。

ADL祖父江若手のうちから、コンサルタントの方は基本的にあらゆるプロジェクトに自由に応募できます。経験を積み重ねながら「これをやっていきたい」というフラグを自分でつけていけばいいのです。

社内ではよく「ADLは大学みたいなもの」という比喩が使われます。大学って必修科目の他にも、選択科目や自由科目が選べるじゃないですか。ADLは大学に進んだときの知的好奇心と自由度のまま、社会人として責任を持ってプロとして動くイメージです。

ADL宇野他のファームと違うのは、マネジャーになるまでの間もずっとその自由度が保たれている点です。当社ではほぼ全案件にジュニアメンバーも参加しています。一人ひとりが、その時点でやりたいこと・身につけなければいけないスキル・目指したい方向性を自分で判断し、メンターと相談しながら次のプロジェクトに立候補していく仕組みです。

業界軸で選ぶ場合もあれば、プロジェクトのタイプで選ぶ場合もある。あるいは「どのような体制のプロジェクトに入りたいか」――小さめのチームで独立して動きたい人もいれば、シニア層が厚いプロジェクトに入りたい人もいる。その時々の状況に合わせて自ら手を挙げられるのが大きな特徴です。

社内では「クロスアサイン」と呼んでいますが、Cross-Industry(業界横断)、Cross-Functional(機能横断)、Cross-Market(市場横断)の3軸で、アサインができるだけ自分の意志に沿った形で選べるように運営しています。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 宇野暁紀氏

CEG竹端それは確かに他社にはない仕組みですね。以前、私がリーダーシップ開発を支援していた時に感じたのは、人が本当に成長するのは「自分でコミットした挑戦をする時」だということです。

アサインされた仕事ではなく、自分が手を挙げた仕事だからこそ、本気度が違う。その意味でADLのアプローチは、育成の観点からも非常に理にかなっていると思います。入社3年後、5年後に身につく力や視座について、どのようなイメージをお持ちですか。

ADL宇野3年から5年というスパンで見ると、自らがしっかりとプロジェクトを設計して回していくような立場を目指してもらいます。

「一人で自分のタスクができる」からスタートして、「タスクの塊を管理できる」ようになり、「チームメンバーも含めてプロジェクト全体を設計できる」ようになる。その過程で、自分の専門とする軸を決めていくのが、当社のキャリアパスだと思います。

ADL祖父江その後のキャリアとしては、事業会社の経営企画への転身、CxO候補として活躍されている方、ファンドのマネジャーやヘッド、あるいは起業という選択肢を取る方など、本当に多様です。これは「本質的には会社の状況をしっかり理解して、組織のメンバーを動かす力を持った人材になれる」からだと思っています。

CEG土門グローバル案件についても教えてください。海外でのキャリアを描きたいと思っている候補者の方々にとって、ADLはどのような可能性を提供できますか。

ADL祖父江多くのファームでは、東京オフィスが関わることのできるグローバル案件は、いわゆるインバウンド(海外企業の日本市場進出支援)かアウトバウンド(日本企業の海外進出支援)のどちらかです。

しかし当社では、たとえば日本企業の米国現地法人がすでに現地で動かしているプロジェクトに、東京の我々のコンサルタントが普通に関わっていくケースがあります。

あるいは、米国に拠点を持つ企業のプロジェクトに、日本のコンサルタントが出張・出向という形で現地に入って仕事をすることも普通にあります。半年程度のジョブチェンジのような制度もありますし、もっと海外で働きたいという方には、出向制度や現地法人への転籍という選択肢もあります。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 祖父江謙介氏

ADL宇野実際、当社のメンバーがフランスや米国のオフィスに期間限定で在籍し、また戻ってくる――そういった人材交流が活発に行われています。

ヨーロッパ、米国、中国、東南アジア、中東など、世界各国のオフィスに日本語が話せるメンバーが在籍しており、プロジェクトベースの関わりに加えて、会社の制度として個人のキャリアをグローバルで描いていけるのが当社の魅力です。

INDEX

#8 場所も時間も柔軟に――育休・MBA留学支援も充実

CEG土門戦略ファームというと、長時間労働やプレッシャーの激しさをイメージする方が多く、転職を検討する際にライフスタイルとの両立を懸念する声もよく聞きます。ADLで働く「厳しさ」はどこにあるのか、そしてその厳しさを上回る魅力は何か。ぜひ両面からお聞かせください。

ADL祖父江当社で働いていて「楽しい」と感じられるのは、好奇心があり、「自分が変わること」と「相手が変わること」に興味を持って主体的に動ける人です。

逆に、自分が変わりたくない、相手が変わる辛さもわからない、という人にはあまり向いていないかもしれません。何年も「人が変わる・自分が変わる」ことを楽しめる人にとっては最高の環境ですが、そうでない方にとっては厳しい。これがADLという会社の正直な姿です。

CEG竹端非常にストレートなお言葉で、候補者の方には逆に信頼感を持って受け取っていただけると思います。一方で、厳しさのある環境だからこそ「人を追い詰めない」ための仕組みや制度も重要だと思います。実際の働き方はどうでしょうか。

CEG 竹端 直弥

ADL祖父江一番大事なのは、仕事を選べることです。「自分がここに時間を使いたい」と思える仕事を選べることが何より重要です。プロジェクトが終わったタイミングでの長期休暇は、事前申請があれば基本的に取得できます。2週間の旅行や1ヶ月の休暇を取っているメンバーも珍しくありません。リモートワークについても、プロジェクトの品質に責任が果たせる限り基本的に自由です。

ADL宇野住む場所・働く時間を自分で設計できる柔軟性が認められているので、関西や九州エリアに住んでいるメンバーもいます。

CEG竹端育休や時短勤務などのライフステージ対応については、制度があっても「使いにくい空気がある」というファームも実態としてはあります。御社ではその点はいかがでしょうか。

ADL宇野育休はクラスや職種に関わらず、誰でも取得できる制度です。シニアの人間もジュニアの方も、男女問わず取得しています。

ADL祖父江実は私自身も、合計1年ほど長期休暇を取得していたことがあります。基本的に有給も育休も、時間制約を設けたいという気持ちはありません。お客様に価値を出す時間と、家族やプライベートのための時間――どちらも大事だという視点でやっています。

CEG土門1年とは、驚きました。トップが積極的に休暇を取得しているからこそ、社員も安心して家族のための時間を取ることができますね。ちなみに、MBA留学支援についても候補者の方々の関心が高いです。実際の制度はどのようになっているでしょうか。

CEG 土門 憲史

ADL祖父江留学支援制度も充実しています。一定の条件を満たせば、授業料に加え、留学に伴う各種費用についても会社が支援しています。人材育成への投資という観点でも、業界内で高い水準の制度だと自負しています。

INDEX

#9 “変わり続ける”ことを愛せる人へ――ADLが求める仲間像

CEG土門日々多くのコンサル経験者の方とお話しする中で感じているのは、「今のファームに閉塞感を感じている優秀な方ほど、ADLのようなファームで活躍できる素地を持っている」ということです。

特に、ある程度の規模になった大手ファームでは、組織の役割が細分化されて「自分がどこに向かっているのかわからなくなった」という方が一定数いらっしゃいます。そういった方々へのメッセージも含めて、ADLが求める人物像をお聞かせいただけますか。

ADL宇野自律的にキャリアを描きたい、自律的に働きたいという方に来ていただきたいと思っています。自分でやりたいことが言えて、しかもそれがキャリアを積み重ねる過程で変わっても構わない。その時々で最適な判断を自分でできることが大事です。

そのような方と仕事をしていると、主体性も専門性も育っていきますし、何より楽しい。自分自身も、クライアントの事業変革も、当事者意識を持ってやりたいという方であれば、当社にフィットすると思います。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 宇野暁紀氏

ADL祖父江人生のうち、働く時間って結構長いですよね。1日8時間として、人生の3分の1から4分の1を占めるわけです。働く時間に対して、自分でコントロールできる幅・当事者として関与できる権限が大きい。そして、社内のメンバーだけでなく、クライアントも含めて戦友と呼べるような深いつながりを得られる。そのような環境を魅力的に感じる方には、ぜひADLをおすすめしたいですね。

CEG竹端お話を伺っていて、ADLは「新しいコンサルティングファームの形を一緒につくっていく」という感覚を大切にされているように思います。ある種のアントレプレナーシップと言いましょうか。「与えられた仕事をこなす」のではなく「自分たちでこのファームを作っていく」という当事者意識を求めている、というのは正しい解釈でしょうか。

ADL祖父江間違いなくそうです。特にマネジャー以上の方については、「新しい時代に合ったコンサルティングファームを作りたい」という想いを持って来ていただきたい。私自身もそういう想いでADLに参画しています。

変革のパートナーであること、オープンコンサルティングであること、個社の変革にとどまらず産業全体を動かしていくこと――そういった新しいコンサルティングの形を一緒に作り上げていくプロフェッショナルの方に、ぜひ参加いただきたいと思います。今のコンサルティング会社に対して不満をお持ちの方も、ぜひ我々と一緒に新しいものを作ってほしいです。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社 祖父江謙介氏

CEG竹端「不満を持っている人は、それだけ強い意見と熱意を持っている人」という見方に、とても共感します。居酒屋で愚痴を言うタイプではなく、現状をより良くしたいという意欲の裏返しですね。

ADL祖父江はい。逆に言えば、大きなファームになると「コンサルティングの原点」が失われてしまうことがある。前職では「コンサルタントとしての自由度がなくなった」「役割が縛られるようになった」という方が当社に来られると、のびのびと活躍されます。ADLは140年の歴史を持ちながらも、アントレプレナーシップを大事にし続けてきたファームです。それはこれからも変わりません。

CEG土門本日は率直かつ深いお話をお聞かせいただきました。候補者の方々にとって、ADLの実像と「自分がここで何をつくれるか」がリアルに伝わるインタビューになったと思います。どうもありがとうございました。

アーサー・ディ・リトル・ジャパン 祖父江氏と宇野氏

INDEX

編集後記

「個人の好奇心を組織知に転化する」――新代表体制のもとで、ADLがあらためて打ち出している価値観です。Curious(好奇心)を組織の中核に据えるという姿勢は、長い歴史を持つ戦略コンサルティングファームでありながら、アントレプレナーシップを失わずに変わり続けてきたADLの本質を体現しているように感じました。

“改善”ではなく“変革”。お客様の一員として変革をドライブしていく「“Side-by-Side”」のスタイル、そして自社のみで完結させない「オープンコンサルティング」の発想は、戦略立案だけにとどまらず、産業全体を動かすコンソーシアム型のプロジェクトにまで広がっています。JR東日本様との「WaaS共創コンソーシアム」のように、個社の変革を起点に産業や社会を変えていくスケールの大きさは、コンサルタントとして取り組むやりがいとして大きな魅力でしょう。

インタビューを通じて印象的だったのは、「大学みたいなもの」という祖父江さんの比喩です。知的好奇心を持ったまま、プロとしての責任を持って動ける。この自由度はADLのカルチャーそのものであり、他社では経験できない希少な環境です。

そして、AI時代だからこそ、IQに加えてEQ――人の心を読み解き、人を動かす力こそがコンサルタントの本質的な価値となる。代表ご自身が合計1年の長期休暇を取得されているという率直なエピソードも含めて、変革に挑む厳しさと、それを支える柔軟な働き方の両立が印象的でした。

今のコンサルティングファームに閉塞感を感じている方、自律的にキャリアを描きたい方、そしてクライアントとともに社会全体を変えるスケールの仕事に向き合いたい方――そのような志を持つ方に、特におすすめのファームです。

コンサルティングファームのインタビューInterview

戦略・経営コンサルの求人情報Recruit

2026.07.07

ブランドを基軸にした戦略ファームでコンサルタント募集 [001516]

会社概要
日系ブランドコンサルティングファーム。 クライアント企業の価値観や強みを伸ばすため、方法論にとらわれず、事業戦略づくりや商品開発、マーケティングまで包括的に支援しています。
年収
500万~1200万円程度
ポストコンサル 未経験可

2026.07.04

インキュベーション・オープンイノベーション支援ファームでディレクター/シニアマネージャーを募集 [027371]

会社概要
インキュベーション/オープンイノベーション支援に特化したファーム。 大企業・大学・自治体のオープンイノベーションプログラムの支援実績が豊富にあります。 国内外のVC、アクセラレーターと連携することで、グローバルの先端技術やナレッジを活用してクライアントを支援しています。
年収
1250万~2500万円程度
ポストコンサル 社会に貢献できる ワークライフバランス良好

2026.07.01

日系コンサルファームにてインフラ領域の事業プロデューサーを募集[010510]

会社概要
社会課題の解決と企業価値の向上を同時に実現する日系コンサルファームです。産官学を横断したネットワークを活かし、新たな事業の構想から実行までを一貫して支援します。エネルギーや医療、地域活性化など幅広い分野で持続可能な社会の実現に向けたプロジェクトを推進し、長期的な視点で社会に新たな価値を創出しています。
年収
アソシエイト級:600万円~850万円 マネジャー級以上:年収1000万円~1300万円
ポストコンサル 社会に貢献できる グローバルに活躍 未経験可 注目

2026.06.30

外資系戦略コンサルティングファームで戦略コンサルタント募集 [001063]

会社概要
自他共に認める経営コンサルティングファームのトップブランド。 戦略だけでなく、IT・組織・財務など幅広い経営者の悩みにこたえるコンサルティングを提供。研修体制も非常にしっかりしていることでも知られています。
年収
550万円~1300万円程度 ・アナリスト:550万円~900万円程度 ・アソシエイト:900万円~1300万円程度
ポストコンサル グローバルに活躍 未経験可 研修が充実 女性プレミア案件 MBA

2026.06.29

テクノロジーに精通した外資系戦略ファームでコンサルタントを募集[010029]

会社概要
外資系戦略ファーム。製造業向けのコンサルティングに強みを持っています。
年収
600万~1200万円程度
ポストコンサル グローバルに活躍 未経験可 MBA

2026.06.28

戦略×テクノロジーで次世代のビジネスを創るコンサルタントを募集[020554]

会社概要
AIを活用した新規事業の立ち上げや既存事業におけるDX推進を通じて、大手企業のさらなる成長を支援するコンサルティングファームです。戦略立案から実行までを一貫してリードし、デジタル技術による本質的な事業変革に取り組んでいます。設立以降、急成長を続けており、グローバル市場への進出も視野に入れています。
年収
550万円~1億円超 ・コンサルタントクラス 550万円~1100万円程度 ・マネージャークラス 1000万円~3000万円程度 ・パートナークラス 2000万円~1億円超
ポストコンサル 社会に貢献できる 研修が充実 注目
求人一覧へ

セミナー情報Seminar

セミナー一覧へ