アーサー・ディ・リトル 技術・戦略・人材をつなぐオープンコンサル
アーサー・ディ・リトルは、マサチューセッツ工科大学の研究者を起源に持ち、技術と経営を結びつける独自のアプローチで、企業や政府機関の変革を支えてきた。本記事では、企業の特徴や理念、沿革、主要なサービス内容、求める人物像、入社後のキャリアパスやトレーニング内容、社員の声、社会貢献・ESG、関連書籍について整理する。
アーサー・ディ・リトル HPより
アーサー・ディ・リトルとは
アーサー・ディ・リトル(Arthur D. Little、以下:ADL)は、1886年に米国で創業された経営コンサルティングファームである。戦略立案、技術・イノベーション、オペレーション改革など幅広い経営課題を対象に、民間企業および政府・公共機関に対してコンサルティングサービスを提供している。現在は世界39カ国に51のオフィスを構えるグローバルネットワークを有する。
コンサル業界地図(領域別)
創業から現在までの歩み
ADLは、マサチューセッツ工科大学(MIT)のアーサー・デホン・リトル博士によって創設された、世界初の経営コンサルティングファームとされている。創業以来、自動車産業、宇宙計画、次世代都市、創薬など多岐にわたる産業・領域においてコンサルティングを手がけてきた。日本法人であるアーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社は1978年に設立され、以来、日本市場における経営・技術コンサルティングの拠点として機能している。
サービスの特徴と提供領域
ADLのコンサルティングは、業界軸(インダストリー)と機能軸(ケイパビリティ)の2軸を組み合わせた体制で提供される。業界軸では自動車、化学・素材、エネルギー・ユーティリティー、金融サービス、ヘルスケア・ライフサイエンス、通信・IT・メディア・エレクトロニクスなど幅広い産業を対象とする。機能軸では、企業戦略・事業戦略、AI・デジタル、M&A・トランザクション、R&D、サステナビリティ、オペレーション・業務改革、組織改革など多様な領域をカバーしている。
また、ADLは「オープンコンサルティング」という独自のアプローチを掲げており、世界中の専門家ネットワークとAIを組み合わせ、クライアントの課題に応じた統合的なチームを構成してサービスを提供する体制をとっている。
近年の動向
近年のADLは、「The Difference(ザ・ディファレンス)」という概念を軸に、人材・テクノロジー・戦略の三要素を組み合わせ、クライアントに対して他社との差別化につながる支援を行うことを標榜している。組織が直面する背反する選択——現在の業績確保と将来への投資、競争と協業、人材への投資と技術への投資——のバランスをどのように取るかという経営課題に対して、実践的な解を提供することに注力している。
アーサー・ディ・リトルの特徴と戦略
世界初のコンサルティングファーム-クライアントが自走する「終わりなき革新」を支える
経営と技術の融合。クライアントの主体的なイノベーション創出を促すパートナー
ADLは、1886年にマサチューセッツ工科大学のアーサー・D・リトル博士が設立した世界初の経営コンサルティングファームである。
設立以来、〝イノベーションの実現〟を軸に蓄積した知見をもとに、高度化・複雑化が進む経営課題を解決しクライアントから高い評価を受けてきた。
ADLの特徴の1つとして、経営と技術の融合に対する深い知見がある。
技術革新をドライバーとした社会の変化を広く深く洞察し、市場、競争環境とクライアントの本質的強みを徹底的に分析したうえで、経営がとるべき道筋を描き出すのがADLのコンサルティングだ。多様なバックグラウンドをもつメンバーが、日々経営と技術の融合に向き合っている。
もう1つの大きな特徴は、「Side-by-Side(常に顧客とともにある)」というADL固有のコンセプトである。
プロジェクト開始時にはプロジェクトチームを牽引しつつも、最終的にはクライアントの事業活動の自立化を促すことをめざしている。そのために、戦略策定にとどまらず、戦略に合わせたソリューション(打ち手、取り組み施策)を実行に移せる体制の構築や、成長の基盤となるケイパビリティ(企業がもつ組織的能力)の支援にも力を入れている。
時には組織改革や人材育成まで踏み込んで支援することで、クライアントが主体的に革新を追求し始めることを目標とする。
テクノロジーを競争力のコアに位置づける広範な企業に対し、多様な機能・価値を提供
ADLのコンサルティングは、グローバルに事業を展開するクライアントが直面する、多様かつ複雑な経営課題を対象にしている。
プロジェクト遂行に際しては、産業・機能別の各領域に精通した国内外のプロフェッショナルによる最適なチームを、国境を越えて組成し、問題解決にあたる。
産業別の領域では、自動車・機械、エレクトロニクス、テレコム・ICT、食品、製薬・素材産業などの経営課題の解決に大きな強みをもつ。ただし、近年ではほとんどの産業がデジタルなどの各種テクノロジーによる
ディスラプション(破壊)に晒さらされているため、支援先となるクライアント領域は交通・建設・不動産・総合商社・広告など多岐に拡大し続けている。
機能別の領域では、大きく「アンティシペイト/イノベイト/トランスフォーム」の機能を提供する。
アンティシペイトは、自社とエコシステムを取り巻く大きな潮流を予測し、長期ビジョンや自社が進むべき大方針をつくるような未来型機能である。
イノベイトは、大きな潮流の変化を前提とした際に、自社が実現すべきイノベーションやビジネスモデルを描き、それに必要なケイパビリティの過不足を踏まえ、具体的な戦略に落とし込んでいく機能である。
そして、トランスフォームは、戦略を実現するために、外部のエコシステムを巻き込みながら自社を継続的に改革していくための、変革支援機能である。
ADLでは、この3領域に継続して取り組みつつ、今後は徐々にトランスフォームの割合を増やし、個別企業のみならず産業全体、あるいは産業を超えた社会全体の課題解決にも取り組み、それを先導していきたいと考えている。
そのために、イノベーションそのものだけでなく、イノベーション創出の仕組みづくりにも取り組んでいる。
一例として、JR東日本のプロジェクトが挙げられる。
JR東日本は、モビリティ革命に対応するためのイノベーション創出の仕組みとして、他社と広く連携しながら鉄道事業者の視点にとらわれない新たなアイデア創出・実証実験を行うコンソーシアム組織を設立した。
その際に、ADLはコンソーシアム組織の戦略策定、設立、運営マネジメントの支援を一貫して提供。現在では150社近くの企業が参加し、社会実装をめざしてテーマ検討や実証実験が進められている。
こうした取り組みの結果、ADLのクライアントには10年以上継続的に多岐にわたる戦略案件を依頼する事例も多数見られる。
さらに、近年ADLでは、「オープンコンサルティング」を標榜し、ベンチャー企業・最先端の専門家・アカデミア(大学や研究機関)と協業しながら、社会やクライアントの課題を解決する活動も進めている。
経営コンサルティングは、太い木を切り倒すような地道な仕事
ADLで働く醍醐味の1つは、若手コンサルタントの頃から自ら仮説を立て、プロジェクトを推進していく経験が積める点だ。他の戦略ファームでは、シニアメンバーが仮説を立て、若手は仮説検証に向けた調査や分析に従事することが多い。
それに比べてADLは少数精鋭のファームであるため、シニアと若手の距離が近く、若手にも裁量を与えるカルチャーがある。若手であっても自分で仮説を立て、クライアントの経営層とディスカッションを行う機会が与えられる。
人材の観点では、かつては理系出身者が多数を占める印象が強かったが、近年はバックグラウンドが多様化しており、出身学部別で見ても文理がほぼ同数程度になってきている。
また、各人のキャリア開発の志向性を踏まえてアサインが決められるうえ、充実した社内トレーニングやフィードバック/メンター制度・ワークライフバランス改善施策などの各種の仕組みを、小規模組織の強みを活かして柔軟に運用している。
こうした継続的にコンサルタントを成長させるための組織的な仕組みに投資し続けてきた努力が実を結び、業界では「コンサルタントの立ち上げ・育成に強みをもつファーム」としての評判を確固たるものにしている。
ADLが求める人材は、未知の事象をゼロベースで考え、苦しい局面でも最後までやりきる力をもつ「ノコギリ」タイプだという。
カッターやナイフは鋭く小さなものは切れるが、太い木を切り倒すことには適さない。企業経営の根本に関わる経営コンサルティングは、太い木を切り倒すような地道な道程。企業の本質を捉え、ゼロベースで考え、高い壁があっても逃げずに実行し、成果を出す。ADLは、そんな強い意思をもつコンサルタントを求めている。

-
代表者祖父江 謙介
-
設立1886年(グローバル)
1978年(日本法人) -
所在地東京都港区東新橋1丁目5番2号
汐留シティセンター36階 -
拠点数世界39カ国51オフィス(2026年5月時点の公開情報)※グローバル
アーサー・ディ・リトルの理念
ADLは創業から135周年を迎えた2021年に“The Difference”という新たなスローガンを掲げ、同社のクライアントとの協働の手法およびコンサルティング業界における独自性を強調している。
以下にADLの企業理念を引く。
ザ ディファレンス
かつてない流動的な時代に、前進するために
急速に変貌する世界において、ゲームのルールは常に変化しています。人、組織、社会は、新しいテクノロジー、より深い接続性、アイデアや産業の融合の影響により、変化を受け入れ、継続的に変わり続けていきます。
こうしたアイデアや産業をまたいだ融合は、既存のシステムや市場を破壊するだけでなく、まったく新しいビジネスモデルを生み出し、多くの人にとって挑戦する機会を新たに提供しています
人・技術・戦略の連携
組織は、背反する決断への決定力を試されることが多くなっています。例えば、現在の業績を取るのか、明日のイノベーションに投資するのか。あるいは、競争か協調、どちらの戦略を選ぶのか?それとも、人材への投資か、技術への投資か。こうした難しい局面が続く現在においては、変化を予測し、革新し、適応することができる企業だけが、繁栄し、前進できるのです。
アーサー・ディ・リトルは、人材、テクノロジー、戦略を駆使して、これらの背反する力のバランスを取り、クライアントが現在の最大の課題を克服し、将来の最も有望な機会をつかむお手伝いをします。
これこそが、私たちが生み出す「ザ・ディファレンス」なのです。
アーサー・ディ・リトルの沿革
以下にADLの主な沿革を記載する。
- 1886年
- MIT出身のArthur Dehon Littleが、Roger Griffinとともに“Griffin&Little”を設立。
- 1893年
- Griffinが死去。のちにArthur D. Littleに改称。
- 1894年
- Griffin&Littleによる独自の知見に基づき化学的製紙方法を記した『製紙の化学』が出版、業界の標準参考書となる。
- 1900年
- MITの化学研究者であったWilliam H. WalkerがArthur D. Littleに参加、社名をLittle&Walkerに改称。
- 1909年
- Arthur D. Little, Inc.に改称、少数精鋭の株式会社として新たなスタートを切る。
- 1911年
- GM(ゼネラル・モーターズ)初の中央研究所設立の支援を行う。本プロジェクトを皮切りに、マネジメントコンサルティングの領域へと活動領域を拡大。
- 1978年
- 日本支社ADL Japan設立。山下義通氏が社長に就任。
- 1998年
- 社長にグレン・F・フクシマが就任。
- 2000年
- 社長にマイケル・サウスマンが就任。
- 2006年
- 社長に原田裕介氏が就任。
- 2012年
- 数名のパートナーによるマネジメント・バイアウト(MBO)を実施。完全なパートナーシップ制度のもと、パートナーが所有する企業形態へ移行。
- 2014年
- シンガポールに支社を設立、アジアへの展開を加速。
- 2015年
- イスタンブールに支社を設立。
- 2016年
- 汐留にオフィスを移転。
- 2026年
- アジアクラスター統括に大原聡氏が就任。
あわせて日本代表(社長)に祖父江謙介氏が就任。
アーサー・ディ・リトルのサービス
インダストリー
- 航空宇宙・防衛
- 自動車
- 化学・素材
- 食品・飲料・他消費財
- エネルギー・ユーティリティー
- 金融サービス
- ヘルスケア・ライフサイエンス
- 機械(産機・建機・農機)
- プライベートエクイティ
- 政府・公共機関
- 通信・IT・メディア・エレクトロニクス
- 陸運・海運・空運・旅行業
ファンクション
- AI・デジタル
- 資本投資・設備投資
- チェンジマネジメント
- カルチャー・リーダーシップ
- 人事
- IT
- M&A・トランザクション
- オペレーション・業務改革
- 組織(制度・風土)改革
- 調達
- R&D
- リスクマネジメント
- マーケティングセールス
- 企業戦略・事業戦略
- サステナビリティ
- テクノロジー
アーサー・ディ・リトルの求める人物像
ADLでは、「これからの時代に求められる新しいコンサルタント像」として、6つの資質を持つ人材を求めている。創造性と好奇心を持ち、既存の産業・技術・アイデアの交点で活躍しながら、クライアントの課題解決と組織変革に貢献できる人物が対象だ。
両利きの思考
左脳と右脳の思考を連携させ、高い分析能力と優れた共感力を兼ね備えた人材が求められている。科学的・技術的な知見をもとに新たな可能性を切り拓き、産業をまたいだ融合領域の最前線で活躍できる姿勢が重視されている。
現状を打開する創造者
クライアントに対して永続的な価値と独創性を追求し、常に標準を超えることを志向する姿勢が求められる。戦略立案にとどまらず、変革から実際のインパクトを生み出す「事を成し遂げる」実行力が重視されている。
ネットワークの媒介者
人と課題解決力を組み合わせ、組織や領域の境界を越えてネットワークを構築できることが求められる。多様な視点やスキルをつなぎ、連携と共創を通じて最良の解決策を導ける人材が対象となっている。
伴走できるエキスパート
クライアントや同僚に対して共感・傾聴・尊重を持って接し、相手の継続的な成長を支援できる人材が求められる。他者が強固な人間関係を築き、プロセスを前進させられるよう後押しする姿勢が重視されている。
アントレプレナー
クライアント・会社・個人の成長に対して当事者意識を持ち、結果をより良くすることへの情熱を常に持ち続ける姿勢が求められる。チーム環境の中でスタートアップ的な思考でオーナーシップを発揮できることが重視されている。
サステナビリティの推進者
持続可能な開発目標(SDGs)に資するポジティブな解決策を推進し、多様性を受け入れながら課題に取り組む姿勢が求められる。クライアントがサステナブルなイノベーションやグリーンテクノロジーへの移行とともに成長できるよう支援できる人材が対象となっている。
アーサー・ディ・リトルでのキャリアパス
ADLでの職位は、ビジネスアナリスト、コンサルタント、マネージャー、プリンシパル、パートナーの5段階に分けられる。それぞれの職位における役割は以下の通り。
ビジネスアナリスト
シニアメンバーの指導を受けながら、複数のソースからデータ・事実を収集・分析し、示唆を導き出す役割を担う。調査結果をもとに説得力ある資料作成をチームとともに進め、クライアントとのミーティングやワークショップ・ヒアリングといった現場対応を通じて、プロジェクトの成果創出を支える。
コンサルタント
分析の各フェーズに主体的に関与し、プロジェクトの重要な部分を牽引する役割を担う。分析結果を意思決定者に対して落ち着いた態度で提示し、チーム内では実行面を支えながら成果物の確実な提供に貢献する。
マネージャー
クライアントの課題や期待に応じてプロジェクト全体の方向性を定め、解決策の立案と実行支援をチームに提供する。メンバーの育成・業務管理も担いながら、プロジェクトの円滑な進行と成果の最大化に責任を持つ。
プリンシパル
大規模かつ複雑なプロジェクトの受託・計画・管理・遂行を担い、クライアント満足を実現する責任を負う。広範な専門知識とネットワークをもとに担当領域・主要クライアントへの責任を果たすとともに、新たなコンサルティング手法の開発・適用を通じて組織内でメンター・指導者としての役割も担う。
パートナー
ディレクターまたはパートナーとしてクライアントケアとプロジェクト支援に注力しながら、経営層との関係を構築して既存・新規クライアントとのビジネス開発を推進する。業界・機能別のプラクティスリーダーとしてマネジメントを担い、組織全体の成長とネットワーク拡大にも貢献する。
アーサー・ディ・リトルのトレーニング
ADLでは、入社後の成長を支える複数の育成制度が整備されている。
メンター制度
入社後は、プロジェクトマネージャーとメンターが成長を見守りながらキャリア形成に向けたアドバイスを行う体制が設けられている。初期はADLの組織に慣れるためのサポートが中心となり、その後は自分の意欲や目指す方向に合わせてメンターを自ら選ぶことも可能となる。メンターは、プロジェクト業務に限らず在職期間を通じて相談窓口として機能し、各キャリアステージでの潜在能力の発揮を支援する。
グローバルトレーニング
コンサルタントとしての能力開発と、海外の同僚とのネットワーク構築を目的とした国際的なトレーニングプログラムが提供されている。コースの多くはグローバルな組織全体から参加者を募る形式で実施されており、年に1週間程度のトレーニングに参加できる。
インターナショナル・モビリティ・プログラム
優れた実績と高い成長ポテンシャルを持つコンサルタントを対象に、世界各地のADLオフィスで勤務する機会が提供される制度である。異文化理解や国際的なチームでの協働を経験しながら、グローバルな視野と人脈を広げることができる。
海外留学・学位取得支援
社員が海外の知識を吸収し、国際的視野を高めることで将来の会社の発展に貢献することを目的とした海外留学制度が設けられており、所属オフィスの判断により一定期間の留学が可能で、条件によっては授業料の支援も受けられる。MBAや博士号の取得を目指す場合も、プログラムの内容や就業との兼ね合いに応じてADLによるサポートを受けられる可能性がある。
アーサー・ディ・リトルの社員の声
ADLの社風の特徴として、革新的かつオープンな組織文化が挙げられる。同社でのキャリアを選んだ社員の声からは、こうした社風が働く動機の一つとなっている様子がうかがえる。
これまで様々な経営コンサルティング会社で仕事をしてきましたが、ADLのような会社はありませんでした。革新的で協力的、そしてオープンな社風は、自分の視野を広げ、世界中の一流コンサルタントから学ぶには理想的な場所です。コンサルタントの仕事を探している人にとって、迷わず飛び込むべき会社だと思います。
私は以前から、新しいことにチャレンジし、定期的に新しいテーマや新しい業界を発見できるようなキャリアを望んでいました。このため、経営コンサルティングのキャリアは常に当然の選択でした。
ADLがユニークなのは、その起業家精神です。ADLでは、私のやりたいことに近いテーマを扱うことができ、ここで働くことは特に刺激的でやりがいのあることです。
アーサー・ディ・リトルの社会貢献・ESG
ADLは、ESGへの取り組みを「Planet(地球環境)」「People(人々)」「Communities(地域社会)」の3軸に整理し、自社の事業活動を通じてポジティブな影響を生み出すことを目指している。2023年にはこれらの取り組みをGRI基準に準拠した形で整理・公表したESGレポート「The Difference in Action」を発行している。
環境保護
環境問題を21世紀の最重要課題の一つと位置づけ、サステナビリティを新たな成長機会として捉える姿勢を打ち出している。2021年には社内の環境意識向上を目的としたプログラムを始動し、植樹プロジェクト「One Tree Planted」への参加や、科学的根拠に基づく環境目標の設定、実践的な取り組みの導入を開始した。CO₂排出量の削減とネットゼロの達成に向けた積極的な環境戦略を展開している。
ウェルビーイング向上
社員の身体的・精神的健康の維持を最優先事項の一つに掲げるとともに、多様性・公平性・インクルージョン(DEI)の推進にも継続的に取り組んでいる。ウェルビーイングとエンパワーメントを企業の重要な成果指標として位置づけ、組織文化に根づかせることを目指している。
地域社会支援
社員のスキルや創造力を活かした地域貢献を重視しており、特に教育支援に注力している。IT機器を必要とする子どもたちのために、団体Labdooと連携して中古ノートPCを再利用・提供する活動を行っている。プロボノ活動や学生メンタリング、NGOとの協働など、持続的な社会貢献の拡充も目指している。
アーサー・ディ・リトルについてのFAQ
ADLはどのような企業・組織を支援しているのですか?
ADLは、民間企業および政府・公共機関を主な支援対象としています。業界軸では、自動車、化学・素材、エネルギー・ユーティリティー、金融サービス、ヘルスケア・ライフサイエンス、通信・IT・メディア・エレクトロニクス、航空宇宙・防衛など幅広い産業を対象としており、特定の業種に限定せず、多様な分野のクライアントに対してコンサルティングサービスを提供しています。機能軸では、企業戦略・事業戦略から、AI・デジタル、M&A・トランザクション、R&D、サステナビリティ、オペレーション・業務改革、組織改革まで、経営課題全般にわたるサービスを展開しています。ADLは世界39カ国に51のオフィスを有し、グローバルな体制でクライアントを支援しています。
ADLが掲げる「オープンコンサルティング」とは何ですか?
「オープンコンサルティング」は、ADLが独自に掲げるコンサルティングのアプローチです。世界中の専門家ネットワークとAIを組み合わせ、クライアントの課題に応じた最適なチームを動的に構成してサービスを提供する体制を指します。ADLは、世界600万人以上の専門家からなるグローバルネットワークとクライアントをつなぎ、集合知と人工知能を組み合わせることで、特定のコンサルタントの知見だけに依存しない、より幅広い視点からの課題解決を目指しています。この考え方はADLの中核的な提供価値の一つとして位置づけられており、単一のファームの枠を超えた「エコシステム」の構築を重視していることが特徴です。
ADLが製造業や技術領域に強いと言われる背景は何ですか?
ADLの技術領域への強みは、創業時の経緯に根ざしています。1886年の創業者アーサー・デホン・リトル博士はMITの化学者であり、当初は化学分析を中心とした受託研究機関として出発しました。1911年にはGM(ゼネラル・モーターズ)初の中央研究所設立を支援したことを契機に、経営コンサルティングへと活動領域を拡大しており、技術と経営を結びつける知見の蓄積が組織の核にあります。現在も自動車、化学・素材、航空宇宙・防衛、ヘルスケア・ライフサイエンスなどの技術集約型産業を主要な対象領域として位置づけており、担当チームには技術・業界双方の経験を持つコンサルタントが在籍しています。また、「MFT(Market Function Technology)」フレームワークなど、技術と市場をつなぐ独自手法の開発・普及にも取り組んできた実績があります。
ADLが「世界最初の経営コンサルティングファーム」と言われる根拠は何ですか?
ADLは1886年に米国ボストンで設立されており、自社の公式サイトにおいて「世界最初の経営コンサルティングファーム」と位置づけています。創業者のアーサー・デホン・リトル博士はMITの化学者であり、当初は産業向けの化学分析・受託研究を手がけていましたが、1909年から1911年にかけてGMの研究所設立を支援したことが、経営コンサルティングファームとしての活動の起点とされています。その後、1894年に出版された化学的製紙方法に関する文献が業界の標準参考書となるなど、産業と知見を結びつける活動の蓄積が組織の歴史を形成してきました。ADLは135年以上にわたり、科学・技術・イノベーションの発展と連動しながら、コンサルティング活動を展開し続けています。
ADLが掲げる「The Difference」はサービスにどのように反映されていますか?
ADLは「The Difference(ザ・ディファレンス)」を、単なるスローガンではなく、コンサルティングの実践方針として位置づけています。具体的には、人材・テクノロジー・戦略の三要素を組み合わせ、クライアントが直面する相反する経営課題——現在の業績確保と将来への投資、競争と協業、人材への投資と技術への投資——に対して実践的な解を提供することがその内実とされています。サービス体制においては「オープンコンサルティング」というアプローチのもと、世界の専門家ネットワークとAIを組み合わせた統合的なチーム構成により、クライアントの課題に応じた独自の差別化を実現することを目指しています。また、採用においても「The Difference」は社員一人ひとりがクライアントにもたらす差別化の源泉であるとされており、組織文化の核として位置づけられています。
アーサー・ディ・リトルの関連書籍
ADLへの転職を志す方へ、同社および業界への理解を深めるうえで参考となる書籍をご紹介します。
-
製品開発DX 「製造業」の経営をリ・デザインする -
世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」 -
スローン・コンセプト 組織で闘う
- 条件から探す
- カテゴリから探す





