ソーシャル・イノベーション

ソーシャル・イノベーションとは、「社会変革」とも呼ばれ、社会問題を解決するための技術革新やビジネスモデルの変革を指す。

社会にとってよい変化をもたらすだけでなく、企業が「変化し続ける社会」を生き残るうえでも重要な考え方である。利益だけはでなく、社会問題を解決できる価値を生み出すことで、組織・企業として大きな変化と成長につながる。

言い換えれば、社会的な格差をなくす取り組みや環境に配慮したビジネスなど、日本だけでなく世界に影響を与えるような取り組みが必要となる。事業の製品やサービスの提供を通して、社会問題を解決できるような努力が求められる時代になったといえる。

ソーシャル・イノベーションが必要な理由として、革新的な考え方やビジネスモデルを取り入れることで、現代社会の問題の解決につなげていかなければならないからだ。社会問題とは、社会生活を送るうえで発生する、矛盾や不合理に関する問題点を意味する。

たとえば、労働環境問題では非正規雇用社員やフリーターの増加、教育問題では奨学金制度などが挙げられる。若者の労働と教育に関しては、正規と非正規に分けられ、正規社員は過度の長時間労働、非正規社員は低賃金と雇用の不安定という問題が指摘されている。日本の奨学金制度においては、返済期間の長期化による返済困難者が増加などが社会的な課題とされている。

社会問題のうちの1つに、経済活動に関する要因も含まれる。生産年齢人口の減少や高齢者の増加により、医療費や社会保障関係費の増加、医療や福祉関係の働き手が不足するなどの問題の要因になっている。

ソーシャル・イノベーションの本質は、社会に根づく問題を根本的に解決することにあり、その場限りの問題解決ではなく未来を見据えた取り組みとして解決できる可能性を秘めている。ESG投資が普及してきた昨今では、上記のような社会問題を解決するためにソーシャル・イノベーションの価値観を取り入れたビジネスモデルが、今後ますます注目を集めるだろう。

ソーシャル・イノベーションを起こすには、政府、非営利団体、企業間の連携が必須であり、これらの戦略を描き、指揮する存在としてコンサルティングファームに白羽の矢が立っている。コンサルティングファームにおいても「ソーシャルイノベーション事業部」を創設するファームも出現しており、主要注目テーマの1つといえるだろう。

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