第三者割当増資

第三者割当増資とは、特定の第三者に対して新株割り当て権利、または新株予約権を付与する資金調達方法のこと。
通常、会社と関係性のある特定の第三者に対して新株の割当を行い、増資を行うことを第三者割当増資と呼ぶ。
未上場企業、株式を公開していない場合に多く用いられる資金調達法で、M&Aの手法の一つとしても知られる。

第三者の定義は、株主であるかは問わず、自社の役員、取引先企業、取引先金融機関などが縁故関係にある場合が多く、縁故者割当増資とも呼ばれる。
実施の主たる目的は、企業再編や業務提携関係強化など。
自己資本増加により組織体制強化に繋がるが、新株を発行することで1株あたりの利益が低下し(=株式のダイリューション)既存株主の利益を損ねる恐れもあることから、株主総会での特別決議承認が必要となる。

第三者割当増資を行う上での問題点は、会社法によっても定められている。
発行する新株を第三者に対して特に有利な価格(時価より10%以上低い価格が目安とされる)で発行すると、株価の下落を招き既存の株主に不利益を与える。
既存株主保護の必要性から、第三者割当増資を検討している会社の取締役は、新株の予定価格とその理由を開示して、特別決議にて出席株主3分の2以上の承認を経る義務が課せられている。

第三者割当増資における株式の引き受け側のメリットは、取得株式の比率が3分の1以上であれば、経営の意思決定に参加することで会社を立て直すように導くことができ、上手く行けば自社とのシナジー効果を得られる点にある。
しかし、株式比率が33.4%以下の場合は、引き受け側としてのメリットはほとんどない。
そのため、第三者割当を引き受ける前に慎重な検討が必要とされる。

一方売り手側にはデメリットはほとんどなく、新たな株主との協力関係強化や、財務状況改善などメリットが多い。
だが、引受会社のメリットとも言える全株式の3分の1以上を発行してしまう場合は、経営面で自由な意思決定は出来なくなり様々な束縛を受けることになる。

このように第三者割当増資は、新株引受後の株式比率が、買い手、売り手双方にとって重要視される。

第三者割当増資は、割当先と発行会社の資本業務提携を目的としたM&Aで活用されることも多い。
また、戦略系や財務系、事業再生系コンサルファームにおいて、M&Aは頻繁に扱われるテーマである。そのため、これらのファームを受検する際は、第三者割当増資を含め、事業譲渡や合併、株式交換など、どのようなM&Aの手法があるのか、そしてそれらにどのような違いがあるのかについて、基礎知識として習得しておく必要があるだろう。

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