SAP ジャパン 世界標準ERPとAIで業務変革を推進するIT企業
SAPジャパンは、ERPを起点に財務・人事・調達・サプライチェーンといった企業の基幹業務全体をクラウド上で統合するアプローチを通じて、日本企業のデジタルトランスフォーメーションを支援してきた。グローバルのSAP SEが50年超にわたり蓄積してきた製品知見と、日本市場に特化した中期変革プログラム「Japan 2026」を組み合わせ、国内企業の業務変革に関与している。本記事では、企業の特徴や理念、沿革、主要なサービス内容、求める人物像、入社後のキャリアパスやトレーニング内容、社員の声、社会貢献・ESG、関連書籍について整理する。
SAP ジャパン HPより
SAP ジャパンとは
SAPジャパン(SAP Japan)は、SAP SEの日本法人として、ERP(基幹業務統合システム)をはじめ財務・人事・調達・サプライチェーンなど幅広い業務領域を統合するエンタープライズ・アプリケーション・ソフトウェアおよびクラウドサービスを国内企業に提供する企業である。同社が所属するSAP SEは、1972年にドイツで創業したエンタープライズ・アプリケーション市場のグローバルリーダーであり、現在157カ国以上に拠点を展開している。
コンサル業界地図(領域別)
SAP ジャパン
- 日本IBM
- ガートナー
- キャップジェミニ
- フューチャーアーキテクト
- シンプレクス
- Ridgelinez
- ビジョン・コンサルティング
- Re-grit Partners
- ストラテジーテック・コンサルティング
- ウィプロ
- ULSコンサルティング
- ビジネスブレイン太田昭和
SAP SE(以下:SAP)は1972年、元IBMドイツのエンジニア5人がドイツ・ヴァインハイムで創業した企業である。企業の業務プロセスをリアルタイムで統合管理するソフトウェアの開発を出発点とし、財務・会計から人事・生産・販売・物流へと領域を拡大してきた。現在は世界のエンタープライズ・アプリケーション市場においてトップシェアを有し、Fortune 500企業の大多数を含む世界各国の企業に製品・サービスを提供している。SAPジャパンは1992年に日本法人として設立され、現在は東京本社のほか大阪・名古屋・福岡に拠点を構える。従業員数は1,727名(2024年1月時点)。
SAPジャパンの中核製品は、インメモリデータベース「SAP HANA」を基盤とした次世代ERP「SAP S/4HANA」である。ERP製品はパブリッククラウド版・プライベートクラウド版・オンプレミス版が提供されており、企業規模や移行状況に応じた段階的な導入が可能な体制をとっている。ERPにとどまらず、人事管理(SAP SuccessFactors)、調達・支出管理(SAP Ariba)、顧客体験管理(SAP Sales Cloud等)など幅広いクラウドアプリケーション群を展開しており、これらを共通技術基盤「SAP Business Technology Platform(SAP BTP)」上で統合・拡張できる構成となっている。
AIファーストへの転換とクラウドシフト
SAPジャパンは近年、クラウドビジネスへの転換を加速させている。2024年の総売上高は前年比20%増となり、グローバルの2倍の成長率を達成した。パートナー企業によるクラウドビジネスは前年比44%増となり、日本国内のパートナー数は500社を超え、SAP認定コンサルタント数も前年比30%増と拡大している。2025年はAI活用を事業の中心に据えた「AIファースト・スイートファースト」戦略を掲げており、SAP独自のAIアシスタント「Joule(ジュール)」をはじめとするビジネスAI機能をERP等の基幹製品に組み込む形で提供している。2026年においては、AIが企業変革の中核として本格活用される年と位置づけ、AI活用に向けたデータ基盤整備の支援を強化している。
長期ビジョンと中期変革プログラム
SAPジャパンは2012年の創立20周年を機に、2032年を見据えた長期ビジョン「SAP Japan Vision 2032」を策定した。このビジョンのもと、3年ごとに中期変革プログラムを設定しており、2024年からは「Japan 2026」が進行中である。Japan 2026が掲げるビジョンは「Bloom with Japan~世界に誇れる仲間と共に、ニッポンの未来を咲かせよう。さあ、No.1クラウドカンパニーへ」であり、顧客の成功・社員の成長・社会への貢献・事業成長という4つのカテゴリを軸に変革を推進している。
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代表者代表取締役社長:堀川 嘉朗
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設立1992年10月(※グローバル:1972年創業)
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従業員数1,727名(2024年1月時点)※日本拠点
111,038名(2026年3月31日時点)※グローバル -
所在地東京都千代田区大手町1-2-1
三井物産ビル11F・12F -
拠点数国内4拠点(2026年5月時点の公開情報)※日本
157カ国以上(2026年5月時点の公開情報)※グローバル
News & Topics
SAP ジャパンの理念
以下にSAPジャパンの企業理念を引く。
ニッポンの「未来」を現実にする
世界の叡智と革新性をもって、変革を目指す全ての人と共により良い明日を創る
人:情熱を持ち信頼に応える人材
- お客様志向で常に感謝の気持ちを忘れないプロフェッショナル集団であり続ける
- 多様な価値観、人種、性別、年齢、働き方の違いを尊重し、創造性豊かな文化をつくる
- 顧客、パートナーと共にグローバルの視点で成長し活躍する
顧客:日本のお客様の信頼が事業の礎
- 「お客様の未来」を共に考え、実現する
- 日本企業の競争力強化と真のグローバル化を推進する
- One SAPで最良の価値をお客様へ中長期に渡って提供し続ける
製品・サービス:日本に価値あるソリューション
- 革新的な製品・サービスをスピード感を持って日本市場に展開し続ける
- 価値ある製品・サービスを日本から世界へ発信する
- 日本におけるSAPへの期待と信頼を確立する
社会:笑顔で暮らせる豊かな社会
- 日々の生活を豊かにし、社会全体の安定化に貢献する
- 日本が直面する課題の解決に積極的に関わり、世界に発信する
- 社会の一員として積極的にCSR活動を実施する
エコシステム
ビジョンと情熱を共有し、共に目的を達成するエコシステム
行動 5 原則
SAPジャパンでは、SAPジャパンビジョン2032を実践していくため、以下に基づいて社員一人一人が行動することを推進しております。
- Be SAP Ambassadors / 他の誰でもない、あなたがSAPの代表としてオーナーシップを持って行動する
- Be Borderless / 壁など無い立場や言葉・文化の壁を超え、オープンな思考で行動する
- Be Creative / あなただけの発想を既成概念に捉われず、常に新たな発想を持つ
- Take Smart Risks / 挑戦無くして成長無しより大きな成長と成果のためにリスクを取ることを臆さない
- Have Fun / 充実した毎日を!!それぞれの価値観を尊重し、毎日を楽しむ
SAPジャパンビジョンより引用
SAP ジャパンの沿革
以下にSAPの主な沿革を記載する。
- 1972年
- ドイツのエンジニア5人がIBMを退社し、ドイツ(ヴァインハイム)にSystemanalyse Programmentwicklung(Systems Analysis and Program Development)を設立。
- 1976年
- SAP GmbH(Systeme, Anwendungen und Produkte in der Datenverarbeitung)を販売・サポート子会社として設立。
- 1977年
- 本社をドイツのヴァインハイムからヴァルドルフへ移転。
- 1984年
- SAP International(スイス・ビール)を設立し、国際マーケットへ参入。以降、欧州各国へ進出。
- 1988年
- 導入企業数1,000社突破。
- フランクフルトおよびシュトゥットガルト証券取引所にSAP AGとして上場。
- 1992年
- SAPジャパン設立。
- クライアント・サーバー型ERP「SAP R/3」のリリース開始。
- 2006年
- コンプライアンスソリューション企業 Virsa Systems社を買収。
- 2008年
- ビジネスインテリジェンスソフトウェアベンダー Business Objects社を買収。
- 2010年
- データベース系のソフトウェアベンダー Sybaseを買収。
- 2012年
- クラウド人事管理ソフトウェアベンダー SuccessFactors社を買収。
- Aribaを買収。
- SAPジャパン、創立20周年を機に長期ビジョン「SAP Japan Vision 2032」を策定。
- 2014年
- ドイツ企業から欧州会社(Societas Europaea)へと転換。
- Concur Technologiesを買収。
- 2016年
- Appleとパートナーシップを締結。
- 2017年
- Googleとのイノベーションパートナーシップ提携を発表。
- 2019年
- エクスペリエンス管理ソフトウェアベンダー Qualtrics Internationalを買収。
- 2021年
- Qualtrics InternationalがIPOを実施。
- ビジネスプロセスインテリジェンス企業 Signavio社を買収。
- 2023年
- Qualtrics Internationalの株式売却を完了。
- エンタープライズアーキテクチャー管理ソフトウェア企業 LeanIX社を買収。
- 2024年
- デジタル・アダプション・プラットフォームベンダー WalkMe社を買収。
SAP ジャパンのサービス
業種別(インダストリー)
エネルギー・天然資源
- 建材
- 化学
- 金属・製紙・繊維・建材等(素材製品)
- 鉱業
- 石油・ガス
- 電力・公益事業
金融サービス
- 銀行
- 保険
消費財業界
- アグリビジネス
- 食品・消費財
- ファッション
- ライフサイエンス
- 小売
- 商社・卸
組立製造業界
- 航空宇宙・防衛
- 自動車
- ハイテク
- 産業用機械・構成部品
サービス業界
- 貨物輸送・ロジスティクス
- エンジニアリング・建設
- メディア
- 旅行・レジャー
- プロフェッショナルサービス
- スポーツ・エンターテインメント
- 通信
公共サービス
- 防衛・セキュリティ
SAP ジャパンの求める人物像
SAPジャパンでは、変化を楽しみながらチャレンジし続ける姿勢を持つ人材を求めている。同社の採用メッセージでは、与えられた役割を粛々とこなすのではなく、一人ひとりが変化をいち早く察知し、柔軟に対応しながら革新を生み出し続けることを「働く」ことの本質として位置づけている。
こうした考え方を体現する人材として、SAPジャパンが掲げるのは、大きく3つの資質である。第1に、本物の情熱と信頼を持ち、仕事に真摯に向き合えること。第2に、自身の強みを把握したうえで他者を尊重し、多様性を受け入れられること。第3に、変革を通じて社会に貢献したいという意思を持つことだ。
同社の公式キャリアページでも、求める人物像として「広い視点を持ち、大きな目標に向かって取り組める人」「行動力があり、変化に対応できる人」「コラボレーションを大切にし、クリエイティブに、そして仕事を楽しめる人」が挙げられている。加えて、「企業や社会の変革を支援し、人々の暮らしをより良くしたいという熱意」を持つことも重視されている。
行動5原則
SAPジャパンはビジョンの実践指針として「行動5原則」を定め、社員一人ひとりの行動規範として位置づけている(⇒「理念」セクション参照)。
これらの原則は、求める人物像とも直結しており、主体性・越境思考・創造性・チャレンジ精神・多様性の尊重という観点から、SAPジャパンで活躍するために求められる姿勢を示している。
ダイバーシティへの姿勢
SAPジャパンは、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン(DE&I)の実現を採用方針の柱の一つに据えており、国籍・性別・信条・障がい・世代などを問わず、社員がいきいきと働ける組織をめざしている。多様なバックグラウンドを持つ人材が、それぞれの強みを発揮できる環境を整えることが、イノベーションの源泉であるという考え方に基づく。
SAP ジャパンでのキャリアパス
SAPジャパンでは、社員が自らの意思でキャリアを設計できる環境を整えている。その代表的な制度が、「ジョブポスティング(社内異動チャレンジ制度)」だ。これは、一定期間の勤務実績を持つ社員が、社内の空席ポジションに自由に応募できる仕組みであり、職種や部門を横断した異動を自発的に選択することが可能となっている。
グローバル展開の広さもキャリアの選択肢を広げる要因の一つで、ドイツ本社をはじめとする海外拠点への異動機会もあることから、国内にとどまらないグローバルなキャリア形成も視野に入れることができる。
SAP ジャパンのトレーニング
SAPジャパンでは、入社後の育成に「SAP Academy」と呼ばれるグローバル共通の人材育成プログラムを導入している。このプログラムは社会人経験の浅い若手を対象とした選抜制で、入社後から約9カ月間にわたって実施される。期間中はすべて英語でのフルタイム参加となり、米国カリフォルニア州のグローバルトレーニングセンターでのクラスルーム研修と、日本でのオンサイト・オンライン研修をローテーション形式で繰り返す。座学でSAP製品やビジネスプロセス・営業基礎を学ぶ期間と、実際の業務シャドーイングや案件創出を行うOJT期間が組み合わさった構成となっており、グローバルの知識体系と日本市場での実践を並行して習得できる点が特徴だ。
プログラム修了後は現場に配属され、セールスまたはカスタマーサクセスパートナー(ポストセールス職)として顧客のビジネス成果実現に向けた業務を担う。配属後は「SAP Academy」の卒業生がメンターとしてつき、キャリアやリーダーシップ向上に向けたアドバイス・コーチングを継続的に受けることができる。
育成の機会は入社直後の若手にとどまらず、リーダークラスの社員に対しても継続的な学習の場が提供されており、年次・経験を問わず挑戦を続けられる環境が整えられている。
SAP ジャパンの社員の声
SAPジャパンでは、国内外の企業のビジネス変革を直接支えるコンサルタント業務を中心に、多様なポジションで社員が活躍している。自身の提案や設計がシステムとして実際に動く瞬間に立ち会えることや、常に学び続け挑戦できる環境が、やりがいの一つとなっている社員もいる。
私が一番やりがいを感じたのは、初めて参画した導入プロジェクトで、システムが実際に稼働した瞬間です。自分が提案した内容や設計した機能をお客様が実際に使っているのを目にしたときは、自分が携わったシステムが「本当に動くんだ!」と実感できて(笑)、大きな達成感がありました。
(中略)
常に学び続ける必要がある点や、自分から手を挙げればやりたいことに挑戦できるSAPの文化についても、想定通りでしたね。キャリアフォーラムから始まった選択、その先へ― SAPのITコンサルタントとしての成長|Life@SAP Japan vol. 37より引用
また、クラウド事業の最前線に立つ社員は、SAPが牽引する世界規模の変革に自らが加わっているという実感をやりがいとして挙げている。
むしろ、私たちがクラウドを主流とする世界へ染めていかなければいけないと強く感じています。
この大きなミッションを担っているのが私たちであり、自分たちが世の中を変革していく力のひとつになっていく。それがこの仕事のやりがいであり、大きな魅力なのではないかと考えています。クラウド時代の最前線に立ち、世の中を変えていく!パブリッククラウドのプロが語るSAPの使命とは|LifeAtSAPJapan vol.34より引用
SAP ジャパンの社会貢献・ESG
SAPジャパンの社会課題解決活動は、「To help the world run better and improve people’s lives」というビジョンのもと推進されており、2011年に社員が自発的に集まり東北復興支援を企画・実行したことを出発点としている。現在は災害対応にとどまらず、テクノロジー・人材・パートナーシップを活かした「デジタル人材育成」「地方創生」「次世代育成」など複数の領域で活動を展開し、官公庁・地方自治体・大学・NPO等との連携のもと継続的に取り組んでいる。
地方創生
ITを活用したオープンイノベーションによる地方創生のロールモデル構築を目指し、各地に活動拠点を設けている。
- Hana Open Innovation Dojo(Hana 道場)
2015年11月に福井県鯖江市に開設。地域・年齢・個人・企業の垣根を越えたオープンイノベーションに取り組んでいる。 - 寺子屋 Hana
2020年9月に福島県会津若松市に開設。地域の小中学生を対象に、PCプログラミングやデジタル工作といったICT教育プログラムを定期的に実施している。 - Hana わらび
2021年4月に沖縄県沖縄市に開設。多世代向けICT教育と地域の「関係人口」拡大を目的とした拠点として機能している。
デジタル人材育成・次世代育成
未来を担う人材の育成を目的とした多様なプログラムを展開している。
- でじたる女子活躍推進コンソーシアム
株式会社MAIAおよびグラミン日本と連携し、地域女性のデジタルスキル習得を支援。19自治体と協力し、累計3,000名を超える女性の育成を実現している(2025年7月時点)。 - 沖縄ビジネスソリューション専門学校
2025年4月に日本初のSAPシステムエンジニア養成専門学校を沖縄に開校。沖縄の子どもの貧困問題解決や地域人材育成を目指している。 - キャリア教育
OBやNPO法人と連携し、中高生・大学生向けに社員のリアルストーリーを届ける企業訪問などを実施している。 - ビジュアルプログラミングワークショップ
NPO法人と協力し、主に小学生向けにデジタルリテラシーやプログラミング的思考を体験するワークショップを全国で実施している。 - ERPsim経営シミュレーションセッション
中高生・大学生を対象に、SAPのソリューションを使って企業経営をゲーム感覚で学ぶセッションをNPO法人と連携して各地で実施している。
災害復興支援
2011年の東日本大震災を契機にスタートし、その後の熊本地震(2016年)・西日本豪雨(2018年)においても、ボランティア社員を現地に派遣するとともに物資提供や募金活動を実施してきた。また、デジタル技術を活用した被災地支援にも取り組んでおり、2024年1月の能登半島地震では、SAP Business Technology Platformを用いた避難所データ集約・可視化アプリをわずか3日で開発・提供。1,400以上の避難所情報を一元管理し、正確な被災者支援の実現に貢献した。
SAP ジャパンについてのFAQ
SAPジャパンはどのような企業や組織を支援していますか?
SAPジャパンは、大企業から中堅・中小企業まで、幅広い規模の国内企業を支援しています。製造業・流通・金融・公共・ヘルスケアなど多様な業種に対応しており、財務・人事・調達・サプライチェーン・顧客管理といった基幹業務領域のデジタル化を支援しています。ERP(基幹業務統合システム)の導入・運用支援が中心ですが、クラウドサービスやAIソリューションの活用支援も行っています。大企業向けには「RISE with SAP」、中堅・中小企業向けには「GROW with SAP」という形でクラウドERPへの移行を段階的にサポートする体制をとっています。
SAP ERP 6.0の2027年問題とは何ですか?
SAP ERP 6.0(ECC 6.0)の標準保守サポートが2027年末をもって終了することを指します。以前は2025年末が期限とされていたため「2025年問題」とも呼ばれていましたが、2年延長され「2027年問題」として改めて注目されています。サポート終了後は、セキュリティ更新や技術サポートが受けられなくなるため、多くの企業が後継製品である「SAP S/4HANA」への移行を迫られています。SAPジャパンはこのS/4HANAへの移行支援を現在の事業の主要な柱の一つとして位置づけており、「RISE with SAP」などのクラウド移行パッケージを通じて企業の対応を支援しています。
SAP S/4HANAとSAP ERP 6.0の違いは何ですか?
SAP S/4HANAは、SAP ERP 6.0の後継として開発された次世代ERPです。最大の技術的特徴は、データをハードディスクではなくメインメモリ上で処理する「インメモリデータベース(SAP HANA)」を採用している点で、大量データのリアルタイム処理が可能になっています。またクラウドネイティブな設計となっており、パブリッククラウド版・プライベートクラウド版・オンプレミス版から選択できます。さらにAIアシスタント「Joule(ジュール)」などのビジネスAI機能が組み込まれており、業務の自動化・高度化を支援する構造となっています。SAP ERP 6.0が主に大企業向けの安定稼働を前提としていたのに対し、SAP S/4HANAはAI・クラウド活用を前提とした継続的なイノベーション対応を特徴とします。
SAPジャパンが提供するAI機能「Joule」とはどのようなものですか?
Joule(ジュール)は、SAPが独自に開発したビジネスAIアシスタントです。SAP S/4HANAをはじめとするSAPの各クラウドアプリケーションに組み込まれており、財務処理・人事管理・調達・サプライチェーンなどの業務プロセス横断で活用できます。ユーザーが自然言語で指示を入力することで、データ分析・業務プロセスの自動化・意思決定支援などを行う設計となっています。2026年1月時点で350以上のAIシナリオが提供されており、SAPジャパンは2025年以降「AIファースト」を事業戦略の核に据え、Jouleを含むビジネスAI機能の国内展開を加速させています。AI機能を最大限に活用するためには、ERPを標準機能に近い形で利用する「クリーンコア」の実現が前提とされています。
SAPジャパンの「Japan 2026」とはどのような取り組みですか?
「Japan 2026」は、SAPジャパンが2024年から推進している中期変革プログラムです。2012年の創立20周年に策定した長期ビジョン「SAP Japan Vision 2032」の実現に向けて3年ごとに設定しており、現行プログラムがJapan 2026です。掲げるビジョンは「Bloom with Japan~世界に誇れる仲間と共に、ニッポンの未来を咲かせよう。さあ、No.1クラウドカンパニーへ」であり、「Customer Success(顧客)」「People Success(人)」「Society Success(社会)」「Growth(成長)」という4つのカテゴリを軸に、社員主導のボトムアップで変革を推進しています。この取り組みの特徴は、経営主導だけでなく、社員が自ら参画するタスクフォース形式で変革を進める点にあります。
SAP ジャパンの関連書籍
SAPジャパンへの転職を志す方へ、同社および業界への理解を深めるうえで参考となる書籍をご紹介します。
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Hope for tomorrow 進化するデジタルトランスフォーメーション -
Beyond 2025 進化するデジタルトランスフォーメーション
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