丸の内キャピタル 三菱商事の総合力で支える事業承継・バイアウトファンド
丸の内キャピタルは、三菱商事グループの信用力と多岐にわたる事業ネットワークを投資活動に組み込むという独自のアプローチで、事業承継やカーブアウトの課題を抱える日本企業の経営改革に関与してきた。本記事では、企業の特徴や理念、沿革、主要なサービス内容、社会貢献・ESGについて整理する。
丸の内キャピタル HPより
丸の内キャピタルとは
株式会社丸の内キャピタル(Marunouchi Capital、以下:丸の内キャピタル)は、2008年に設立された企業投資ファンド運用会社である。事業承継とカーブアウト(大企業からの事業・子会社の切り出し)にフォーカスしたバイアウト投資を主軸に、日本企業に対して投資とハンズオン支援を提供している。三菱商事の100%出資会社として、同社グループの経営資源を活用しながら、独立した運営体制のもとでファンドを運営する。
丸の内キャピタルは、設立当初から大企業カーブアウトを含む事業再編案件や中堅企業の事業承継案件を主な投資対象として位置づけ、ファンド経験者や投資銀行・戦略系コンサルティングファーム出身者を中心とした投資プロフェッショナルのチームを構築してきた。1号ファンドの運用開始後、2016年に2号ファンドを組成。その後、2023年3月に3号ファンドを組成し、2024年12月には1,008億円での募集完了を公表した。
投資にあたっては、三菱商事の「信用・事業・人材」の三つの軸からバックアップを受ける体制を特徴とする。信用面では、三菱商事の信用力を活用することで投資候補先企業との面談機会を得やすくしており、事業面では三菱商事グループのネットワークを活かした売上拡大やサプライチェーン改革によるコスト削減等のバリューアップ施策を展開している。人材面では、三菱商事に所属するビジネス経験豊富な人材を必要に応じて投資先企業に派遣し、内側から企業価値向上を推進する独自の手法を実践している。
主な投資実績
1号ファンドでは、タカラトミー(玩具)、ジョイフル本田(ホームセンター)、山本製作所(自動車部品)、成城石井(食品スーパーマーケット)などへの投資を手がけ、それぞれの企業においてコーポレートガバナンスの強化や事業基盤の再構築を支援した。2号ファンドでは、エムアイフードスタイル(スーパーマーケット)、グラニフ(デザインプロダクト)、サイプレスホールディングス(飲食)、TOSEI(業務用機器)、AKOMEYA TOKYOなどに投資し、カーブアウトや成長支援を行ってきた。3号ファンドでは、永谷園ホールディングス(食品)、スマートキャンプ(SaaSプラットフォーム)、中野冷機(冷凍冷蔵機器)、リードスピーカー・ジャパン(音声合成)など多様な業種への投資を進めている。なお、2026年5月には新たにオリコン株式会社への公開買付けを実施し、同年7月に買付け終了を公表している。
近年は、後継者不足を背景とした事業承継ニーズの高まりと、上場企業によるノンコア事業・子会社のカーブアウト増加を受け、投資機会が拡大している。3号ファンドは1,000億円規模での組成を達成しており、ミッドキャップ(中規模)PEファンドの主要プレイヤーとして金融機関や投資銀行との取引関係を確立している。2026年4月には代表取締役社長が立川擁氏に交代し、引き続き事業承継・カーブアウトにフォーカスした投資活動を継続している。
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代表者代表取締役社長:立川 擁
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設立2008年
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所在地東京都千代田区丸の内2丁目7−2
JPタワー 11階
News & Topics
丸の内キャピタルの理念
以下に、丸の内キャピタルの理念を引く。
丸の内キャピタルの投資理念
価値創造
三菱商事の事業ソリューション力を活用した投資先企業の長期的な企業価値創造を支援します
協働
投資先企業とともに協⼒して課題解決に向けた取り組みを⾏います
信頼‧信⽤
三菱商事グループ企業の投資会社として信頼‧信⽤を旨とし、公明正⼤で品格のある投資活動を旨とすることを誓います
丸の内キャピタルの理念より引用
丸の内キャピタルの沿革
以下に丸の内キャピタルの主な沿革を記載する。
- 2008年
- 三菱商事株式会社・三菱東京UFJ銀行(現 三菱UFJ銀行)各50%出資により設立。
丸の内キャピタル第一号投資事業有限責任組合の運用を開始。 - 2015年
- 株式会社丸の内キャピタルを設立(登記上)。
- 2016年
- 丸の内キャピタル第二号投資事業有限責任組合の運用を開始。
- 2022年
- 三菱商事株式会社の100%出資会社へ体制を変更。
- 2023年
- 丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合(3号ファンド)を組成し、ファーストクローズ(402億円)を完了。
- PRI(責任投資原則)へ署名。
- 2024年
- 3号ファンドが1,008億円での募集完了。
- 本社を東京都千代田区丸の内のJPタワーへ移転。
- 2026年
- 代表取締役社長に立川擁氏が就任。
丸の内キャピタルのサービス
丸の内キャピタルは、事業承継とカーブアウト(大企業からの事業・子会社の切り出し)にフォーカスしたバイアウト投資を行っている。投資後は、コーポレートガバナンスの整備や経営体制の強化、三菱商事グループのネットワークを活用した事業支援など、ハンズオン型の関与を通じて投資先企業の企業価値向上を図る。
投資タイプ
- 事業承継
- カーブアウト
- 成長支援
主な投資実績
【投資継続中】
- 株式会社AKOMEYA TOKYO(衣食住ブランドの企画・販売、2022年投資、カーブアウト)
- 株式会社永谷園ホールディングス(食品製造販売、2024年投資、成長支援)
- 中野冷機株式会社(冷凍冷蔵機器の設計・製造・販売、2025年投資、成長支援)
- スマートキャンプ株式会社(SaaS情報プラットフォーム運営、2025年投資、カーブアウト)
- リードスピーカー・ジャパン株式会社(音声合成技術の開発・ソフトウェア販売、2025年投資、カーブアウト)
- ジェイフィルム株式会社(包装資材の加工製造・販売、2025年投資、カーブアウト)
- 東亜トレーディング株式会社(韓国伝統食品の製造・販売及び飲食店経営、2024年投資、成長支援)
- 日本結晶光学株式会社(光学単結晶の製造販売、2024年投資、カーブアウト)
- 株式会社ミスズライフ(ぶなしめじ等の生産・販売、2021年投資、成長支援)
- サイプレスホールディングス株式会社(レストラン・フードコート運営、2019年投資、成長支援)
【エグジット済み(主要)】
- 株式会社成城石井(食料品専門スーパーマーケット、2011年投資・2014年エグジット、カーブアウト)
- 株式会社ジョイフル本田(ホームセンター運営、2009年投資・2016年エグジット)
- 株式会社エムアイフードスタイル(スーパーマーケット、2018年投資・2022年エグジット、カーブアウト)
- 株式会社グラニフ(デザインプロダクトの企画・製造・販売、2019年投資・2026年エグジット、成長支援)
丸の内キャピタルの社会貢献・ESG
丸の内キャピタルは、ESG課題が投資先企業の企業価値および自社の投資パフォーマンスに与える影響を認識し、投資活動における重要な要素としてESGへの考慮を組み込んでいる。スチュワードシップコードの受入表明に基づき、投資先企業の経営陣や投資家、その他利害関係者との対話を通じてESG課題にポジティブな影響を与えることで、投資先がファンドを離れた後も持続可能で競争力ある企業として成長できるよう支援することを目指している。
また、サステナビリティや再生可能エネルギー、温暖化ガス排出削減といった観点を投資活動に取り入れ、持続可能開発目標(SDGs)の達成にも貢献する方針を掲げている。
投資プロセスへのESG統合
ESGへの取り組みは、投資の各段階に組み込まれている。投資候補先の選定段階ではネガティブスクリーニングを実施し、ポルノ・非人道兵器・賭博・たばこ製品の製造といった除外セクターへの投資を行わない方針をとっている。デューデリジェンスの段階では重要なESGリスクを特定し、投資決定プロセスにおいて企業価値向上につながるESG関連事項を評価する。投資後は投資先企業に対してESG活動プランの策定を求め、進捗のモニタリングを継続的に実施する。
社内体制
社内では取締役会・投資委員会・ESG責任者の三層で管理体制を整備している。全役職員がESGに関する入社時のオリエンテーションや研修を通じて継続的に知見を深める仕組みも設けられている。
丸の内キャピタルについてのFAQ
丸の内キャピタルはどのような企業への投資を行っていますか?
丸の内キャピタルは、日本国内の中規模企業を主な投資対象とするバイアウト投資ファンドです。投資規模はおよそ50億円から200億円程度の案件を中心に、事業承継とカーブアウト(大企業がノンコア事業や子会社を切り出す取引)の2つを投資テーマの軸としています。業種の制限は設けておらず、食品・小売・製造業・テクノロジーなど幅広い分野に実績があります。なかでも後継者不在により次の経営者を求めている中堅・中小企業や、東証上場企業で創業家が株式を保有しているケースにおける事業承継型案件を重視しています。投資にあたっては、デューデリジェンスの段階からESGリスクの評価も行っており、反社会的勢力との関係排除やガバナンス体制の適切化などを確認したうえで投資を実行します。
丸の内キャピタルと三菱商事の関係はどのようなものですか?
丸の内キャピタルは、三菱商事株式会社の100%出資会社です。設立当初の2008年は三菱商事と三菱UFJ銀行(旧 三菱東京UFJ銀行)がそれぞれ50%ずつ出資する合弁会社としてスタートしましたが、2号ファンド組成の2016年に三菱商事が85.1%、2022年12月には三菱商事の100%出資会社へと体制を変更しています。三菱商事からは独立した運営体制を維持しながらも、同グループの「信用・事業・人材」という三つの経営資源を活用できる点が特徴です。具体的には、三菱商事の信用力を背景に投資候補企業との面談機会を獲得し、同グループのネットワークを通じて投資先のサプライチェーン改革や売上拡大を支援します。また、必要に応じて三菱商事の人材を投資先企業に派遣し、経営の内側から企業価値向上を後押しする仕組みを持ちます。
丸の内キャピタルのバイアウト投資とはどういう意味ですか?
バイアウト投資とは、対象企業の株式の過半数または全株式を取得し、経営権を握ったうえで企業価値を向上させ、一定期間後に売却(エグジット)することで投資リターンを得る投資手法です。丸の内キャピタルが手がけるバイアウト投資の主な類型は「事業承継型」と「カーブアウト型」の2つです。事業承継型は、後継者不在の中堅企業からオーナー持分を引き受け、次の成長フェーズへ導くケースです。カーブアウト型は、大企業が戦略上ノンコアとなった事業や子会社を切り出して売却する際に、その受け皿として株式を取得するケースを指します。投資後は、コーポレートガバナンスの整備や経営体制の強化、三菱商事グループのネットワークを活用したビジネス支援など、ハンズオン型の実行支援を行うことで企業価値の向上を図ります。
丸の内キャピタルの代表的な投資実績にはどのようなものがありますか?
丸の内キャピタルは2008年の設立以来、3つのファンドを通じて20件以上の投資を手がけています。1号ファンドでは、成城石井(食品スーパーマーケット)のカーブアウト投資が代表的な事例です。投資後に物流拠点の再構築やPR戦略の強化を行い、既存店売上の改善と出店加速を実現しました。ジョイフル本田(ホームセンター)への投資では、コーポレートガバナンスの整備を通じて2014年に東京証券取引所市場第一部への上場を実現しています。2号ファンドでは、エムアイフードスタイル(クイーンズ伊勢丹を運営)、TOSEI(業務用クリーニング機器)、グラニフ(デザインプロダクト)などへの投資を実施しました。3号ファンドでは、永谷園ホールディングス、スマートキャンプ、中野冷機、リードスピーカー・ジャパンなどへの投資を進めており、2026年7月時点ではオリコン株式会社への公開買付けの結果も公表されています。
丸の内キャピタルの3号ファンドはどのような特徴がありますか?
丸の内キャピタル第三号投資事業有限責任組合(3号ファンド。2023年3月組成)は、2023年4月にファーストクローズ(402億円)が発表され、2024年12月に1,008億円での最終募集完了が公表されました。投資対象は日本企業を主体とするバイアウト投資で、1号・2号ファンドで培ってきた事業承継とカーブアウトへのフォーカスを継続しています。注目点として、3号ファンドでは従来の消費財・製造業に加え、テクノロジー・メディア・通信(TMT)やソフトウェア分野にも領域を拡大しています。リードスピーカー・ジャパン(音声合成ソフトウェア)への投資は、3号ファンドにおけるSoftware/IT領域の初投資として位置づけられています。スマートキャンプ(SaaSプラットフォーム)への投資も3号ファンドが担っており、デジタル領域への展開が進んでいます。
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