三井物産企業投資(MCPI) 商社ネットワークを活かしたハンズオン型PE投資会社
三井物産企業投資は、三井物産グループの国内外ネットワークと産業知見を強みとし、投資先に人材を常駐派遣するハンズオン支援によって、国内中堅・中小企業の経営改善と企業価値向上を手がけてきた。近年は地方創生への貢献を軸に据え、地域産業を担う企業への資本参画を積み重ねている。本記事では、企業の特徴や理念、沿革、主要なサービス内容、求める人物像について整理する。
三井物産企業投資(MCPI)とは
三井物産企業投資株式会社(MITSUI & CO., Principal Investments、以下:MCPI)は、2003年に設立された、プライベートエクイティ投資を専業とする投資会社である。三井物産グループの一員として、国内の未公開企業を主な対象に、資本参画と経営支援を一体的に行っている。
設立の背景と位置づけ
MCPIは、三井物産が自社のネットワークと知見をプライベートエクイティ(PE)投資の形で活用することを目的に、2003年5月に設立された。三井物産グループは130年以上にわたり、日本と海外をつなぐ事業展開を手がけてきた総合商社であり、MCPIはその有形無形の事業基盤・知見を投資活動に組織横断的に活用することを基本方針としている。投資資金は外部から募らず、三井物産の自己資金のみを原資とする点が、一般的なPEファンドとの大きな違いである。
投資スタイルと支援の特徴
MCPIの投資スタイルは、柔軟性と現場密着型の経営支援の二点を軸とする。投資類型は事業承継、カーブアウト、上場支援、PIPES(上場企業への第三者割当)、非上場化・MBOなど幅広く、出資比率もマイノリティからマジョリティまで対応する。優先株や転換社債等のメザニン投資も検討可能であり、投資先企業の状況とオーナー・経営陣の意向に応じた柔軟なストラクチャーを組む。
経営支援面では、投資先現場への人材常駐派遣を最大の特徴とする。投資先の課題に合わせた人材を送り込み、トップライン伸長(既存事業深耕・新規事業化・海外展開・M&A)、コスト削減(調達費圧縮・生産性向上・物流見直し)、経営管理・ガバナンス強化といった経営改善を実行面から支援する。この「ともに悩み、ともに汗をかく」姿勢は、代表メッセージでも明示されている。
投資実績と近年の動向
2010年以降、製造業・ソフトウェア・小売・飲食・物流・食品など多様な業種への投資実績を持つ。主な事例として、眼鏡小売のOWNDAYS(2019年投資・2022年Exit)、CRM・SFAのソフトブレーン(2021年投資・2026年Exit)、法人データベースのユーソナー(2021年投資・投資中)などが挙げられる。近年は地方創生への貢献を軸に据えており、2024年以降は大阪前田製菓(菓子製造)、北関東輸送(物流)、サクラオブルワリーアンドディスティラリー(酒類製造)、アイオー精密(精密金属加工)、榊原(非鉄商社)、カム・ネッツ(歯科材料製造)、メインマーク(建設・地盤改良)など、地方の中堅・中小企業への資本参画が続いている。
また2025年1月には、ゆうちょ銀行の子会社であるゆうちょキャピタルパートナーズと共同で投資事業会社「エム・ワイ地域活性化合同会社」を設立し、地域産業支援に向けた共同投資の枠組みを構築した。三井物産グループが持つ国内8支社2支店の全国ネットワークを活用し、地域企業への投資基盤をさらに広げている。
-
代表者代表取締役社長:嵯峨根 啓彰
-
設立2003年5月
-
所在地東京都千代田区大手町一丁目9番2号
大手町フィナンシャルシティ グランキューブ 19階
News & Topics
三井物産企業投資(MCPI)の理念
以下にMCPIの投資理念・方針を引く。
投資理念
弊社は“グローバル総合力企業”三井物産グループのプライベートエクイティ投資部隊として、「挑戦と創造」をスローガンに下記の理念に基づいて投資事業を展開しております。
三井物産のネットワークを活用した企業価値の創造
130年以上の長きに亘り、日本から海外、海外から日本、又は海外から海外といった事業展開を支援し、過去、様々な産業発展に寄与してきた三井物産が持つ、有形無形の事業基盤・知見を組織横断的に活用し、投資先の企業価値創造をご支援します。
現場への人材派遣を通じた経営支援
経営陣やオーナー様との協議を通じて、投資先企業の事業ニーズを特定し、ビジネスモデルの拡張・刷新や組織強化のほか、「三井物産の総合力」を活かした海外市場開拓やM&Aなど各種施策の実現を、経営現場への人材派遣によりご支援します。
柔軟な投資スタイル
弊社は三井物産の自己資金のみを投資資金としており、投資手段や出資比率等の条件は、転換社債をはじめとするメザニン投資やマイノリティ出資を含め、投資先企業のニーズに合わせて柔軟な対応が可能です。
投資方針
投資先企業の多様なニーズにお応えすべく、ストラクチャーや期間など、柔軟に検討させていただきます。
投資類型
事業承継、カーブアウト、上場支援、PIPES、非上場化/MBO等
投資ストラクチャー
マイノリティからマジョリティまで柔軟に対応
優先株や転換社債等のメザニン投資も検討可能保有期間
経営陣やオーナー様のニーズに合わせ柔軟に対応
人材の常駐派遣
投資先企業の課題に応じた最適な人材を派遣
MCPI公式サイトより引用
三井物産企業投資(MCPI)の沿革
以下にMCPIの主な沿革を記載する。
- 2003年
- 三井物産のPE投資部門として設立。(三井物産100%子会社)
- 2014年
- 安川情報システム株式会社(現・株式会社YE DIGITAL)へ資本参画。
- 2019年
- Lキャタルトン・アジアと共同でOWNDAYS株式会社へ資本参画。
- 大手町フィナンシャルシティグランキューブに移転。
- 2021年
- 株式会社ランドスケイプ(現・ユーソナー株式会社)へ資本参画。
- 2023年
- 株式会社Signalへ資本参画。
- 2024年
- 株式会社大阪前田製菓へ資本参画。
- 2025年
- ゆうちょキャピタルパートナーズと共同で、投資事業会社「エム・ワイ地域活性化合同会社」を設立。
- 株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリーと資本業務提携。
- 北関東輸送株式会社へ資本参画。
- 株式会社アイオー精密へ資本参画。
- 榊原株式会社へ資本参画。
- 2026年
- 株式会社カム・ネッツへ資本参画。
- メインマーク株式会社へ資本参画。
三井物産企業投資(MCPI)のサービス
MCPIでは、以下の経営改善アプローチを得意とする。
トップライン伸長
- 既存ビジネスの深耕
- 新規ビジネスの事業化
- 海外展開・事業の強化
- M&Aの検討・実行
コスト削減
- 調達費用の圧縮
- 生産性向上
- 物流体制の見直し
- 不採算事業の整理
経営管理/ガバナンス強化
- 自律的改革の推進(改革PMO設置等)
- 経営基盤の整備
- コンプライアンス体制強化
- 次世代人材の育成
主な投資実績
安川情報システム株式会社(2014年8月)
1978年に安川電機より分離・独立し「安川情報システム株式会社」として創立。安川電機グループをはじめ、幅広いクライアントに対して基幹業務システムの構築・運営を行うビジネスソリューション等を提供してきた。
IoT/M2M、環境エネルギー、ヘルスケア分野といった今後の成長が見込める分野への展開を図り、国内トップレベルのブランドを確立するため、MCPIと資本業務提携を実施。
(2019年に株式会社YE DIGITALに社名変更。)
OWNDAYS株式会社(2019年2月)
低価格帯の眼鏡を企画・販売、国内のほか、シンガポール、台湾などアジアを中心に展開するOWNDAYS株式会社へ資本参画(Lキャタルトン・アジアと共同出資)。
OWNDAYSの国内外でのさらなる成長拡大、経営基盤強化のため、非常勤取締役のほか、現場の人材も派遣するハンズオン支援を行った。
株式会社ランドスケイプ(2021年3月)
日本最大級の事業所データベース「LBC」、顧客データ統合ツール「uSonar」、名刺管理アプリ「名刺Sonar」などを展開し、データベースマーケティング支援事業を行う株式会社ランドスケイプへ資本参画。
三井物産グループのネットワークとIT業界における知見・スキルを活用しながら、ハンズオンによりランドスケイプの営業力強化に貢献。
(2022年にユーソナー株式会社に社名変更。)
株式会社Signal(2023年7月)
Brianzaというブランドで、高品質なイタリアン、フレンチレストランを都内で運営する株式会社Signalへ資本参画。
三井物産グループの飲食業界ネットワーク、知見、経営改善のノウハウを活用しSignalの成長支援を図るため、継続的な出店支援を行った。
三井物産企業投資(MCPI)の求める人物像
MCPIでは、投資業務に関する一連の経験・実績を持つ投資プロフェッショナルを求めている。具体的には、PEファンドでの投資業務や、投資銀行・金融機関・M&Aブティック・監査法人系のFAS等におけるM&A業務の経験が応募資格として挙げられている。
また、企業価値向上の実績を有する人材も採用対象として明示されており、戦略コンサルティングファームやFASでのコンサル業務、あるいはPEファンドでのPMI経験者も対象に含まれる。
職務は投資案件のソーシングから投資検討・実行、実行後のモニタリング・バリューアップに至るまで、投資プロセス全体にわたる。MCPIは投資先現場に人材を常駐派遣してハンズオンで経営支援を行う投資スタイルを特徴としており、戦略立案にとどまらず現場での実行にも携わることが求められる環境にある。
三井物産企業投資(MCPI)についてのFAQ
MCPIはどのような企業を投資対象としていますか?
MCPIの投資スタイルは一般的なPEファンドと何が違いますか?
MCPIの最大の特徴は、外部から資金を集めるファンド形式ではなく、三井物産の自己資金のみを投資原資とする点にあります。このため、外部投資家へのリターン返還期限に縛られず、投資先企業の状況やオーナー・経営陣の意向に合わせた保有期間の設定が可能です。またMCPIは投資後に担当者を投資先現場へ常駐派遣し、経営改善を実行面から支援するハンズオン型の関与を特徴としています。三井物産グループが持つ国内外のネットワーク・知見・人材を活用できる点も、商社系PE投資会社としての固有の強みです。
MCPIはどのような経営支援を行いますか?
MCPIは投資後、投資先の課題に応じた人材を現場に常駐派遣し、三井物産グループのネットワークを活用しながら、経営改善を実行面から支援します。具体的な支援領域は、トップライン伸長(既存事業の深耕・新規事業の事業化・海外展開・M&Aの検討・実行)、コスト削減(調達費の圧縮・生産性向上・物流体制の見直し・不採算事業の整理)、経営管理・ガバナンス強化(改革PMOの設置・経営基盤の整備・コンプライアンス体制強化・次世代人材の育成)の3つの柱で構成されています。
MCPIが近年注力している投資テーマは何ですか?
MCPIは近年、日本の地方創生への貢献を中心的な投資テーマに掲げています。地域に独自技術や商品力を持ちながら、事業承継・海外展開・DX対応といった中長期的課題を抱える中堅・中小企業を対象に、資本参画と経営支援を組み合わせた取り組みを進めています。2025年1月にはゆうちょ銀行の子会社と共同で「エム・ワイ地域活性化合同会社」を設立し、三井物産が持つ全国8支社2支店のネットワークを横断的に活用した地域産業支援の枠組みを構築しました。2024年以降の投資先も地方を拠点とする企業が中心となっています。
- 条件から探す
- カテゴリから探す


