ロングリーチグループ カーブアウトと事業承継に特化した独立系PEファンド
ロングリーチグループは、投資銀行や戦略コンサルティングファームのトップティアで培った知見と独自のネットワークを活かし、大企業の非中核事業の切り出しや中堅企業の事業承継を通じて、日本とアジアの企業の経営変革を担ってきた。本記事では、企業の特徴や理念、沿革、主要なサービス内容、求める人物像、入社後のキャリアパス、社員の声、社会貢献・ESGへの取り組みについて整理する。
ロングリーチグループ HPより
ロングリーチグループとは
株式会社ロングリーチグループ(The Longreach Group、以下:ロングリーチ)は、2003年に設立された独立系プライベートエクイティ(未公開株式)投資会社である。コーポレートカーブアウト(大企業の非中核事業の分社・独立化)および中堅企業の事業承継を主な投資テーマに、日本を中心にアジア地域の企業に対してミッドキャップ分野のコントロールバイアウト投資と事業支援を行っている。東京と香港の2拠点を有し、共同投資分を含めて約2,900億円規模のファンドを運営している。
ロングリーチは、モルガン・スタンレー証券の投資銀行部門マネージングディレクターを務めた吉沢正道氏と、UBS証券日本社長兼CEOを務めたMark Chiba氏らにより2003年10月に設立された。東京拠点の株式会社ロングリーチグループと香港拠点のロングリーチグループ・リミテッドにより構成される。設立以来、第1号から第4号まで4つのファンドを設立しており、2024年9月には第4号ファンド(LCP4)を780億円でクローズした。LP出資者は国内外の機関投資家、年金基金、金融機関、大学基金、政府系ファンドにわたり、共同投資分を含めた運用規模は約2,900億円に達する。
2つの主要投資テーマ
投資のフォーカスは、「コーポレートカーブアウト」と「成長型事業承継」の2つである。カーブアウトでは、優れた技術やビジネスモデルを持ちながらも、大企業グループの非中核事業として経営リソースや戦略投資が不足し、低成長・低利益率にとどまる子会社・事業部門を対象とする。独自のネットワークで投資先を発掘し、経営権取得後は約5年間の事業改革・成長プランをハンズオンで実行する。これまでに日立ビアメカニクス(日立製作所)、旧富士通コンポーネント(富士通)、三洋電機ロジスティクス(パナソニック)、ファーストキッチン(サントリー)、旧NOC日本アウトソーシング(オリンパス)、珈琲館(UCCホールディングス)などのカーブアウト実績を有する。成長型事業承継では、創業家からの株式取得にとどまらず、デジタル戦略やアジア展開を含む事業支援プログラムをハンズオンで提供している。
投資対象は、コンシューマー関連・製造業/産業テクノロジー・ビジネスサービスの3産業セクターを中心とする。企業価値の規模感は100億〜300億円程度のミッドキャップ企業が主な対象であり、経営権を取得したうえでバリューアップを主導する「コントロールバイアウト」の手法をとる。投資後は、CEO・CFO・CSOなど経営執行を担う人材をネットワークを通じて派遣するとともに、社外取締役を中心としたガバナンス体制を構築することで企業価値の向上を図る。
グローバル視点での投資支援
東京・香港の2拠点に加え、日本・米国・欧州・アジアのCEO経験者で構成する「グローバルアドバイザリーボード」を活用し、世界経済動向のマクロ分析・産業競争環境の分析・投資先の企業価値向上プランの策定を行っている。投資先企業のアジア市場進出については、東京と香港のオフィスが密接に連携し、売上拡大をハンズオンで支援する体制を持つ。
サステナビリティの面では、国連責任投資原則(PRI)・ILPA・SDGs・IFCなどの国際基準に沿った投資活動を実践している。2020年5月にPRIに署名し、2022年1月よりUNPRIへの活動報告を開始した。2024年からは「責任投資レポート(Responsible Investment Report)」を毎年発行しており、投資プロセス全体にESGの視点を組み込んでいる。
なお、社名の「ロングリーチ」は航空用語で「無給油で長く飛べる」を意味する。日本国内にとどまらず、アジアの成長、世界の成長を取り込む支援を中長期の視点で行いたいという創業者の想いに由来する。
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代表者代表取締役 兼 パートナー:吉沢 正道
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設立2003年10月
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所在地東京都千代田区麹町1-12-1
住友不動産ふくおか半蔵門ビル3階 -
拠点数2拠点(東京・香港)(2026年7月時点の公開情報)
News & Topics
ロングリーチグループの理念
以下にロングリーチの企業理念を引く。
ロングリーチグループは、日本企業の成長を中長期的視点で支援する事業支援投資会社として2003年に設立されました。
投資先の役職員の皆様との信頼関係、専門的な業界知識及びグローバルなネットワーク、企業価値の向上に役立つ多様な事業支援リソースの提供を通じ、日本及びアジア経済の成長に資する企業の永続的成長に貢献します。
また、こうした質の高い投資活動を通じて、グローバル投資家の皆様への安定的なリターンの確保を目指します。
企業と投資家の信頼されるパートナー(“Trusted Partner”)でありたい、私たちロングリーチグループの理念です。ロングリーチグループについてより引用
ロングリーチグループの沿革
以下にロングリーチの主な沿革を記載する。
- 2003年
- 会社設立。
- 2006年
- 第1号ファンド(総額約7.5億ドル)の運用を開始。
- 2012年
- 第2号ファンド(総額約4億ドル)の運用を開始。
- 2015年
- 代表取締役兼パートナーの吉沢正道氏が日本プライベートエクイティ協会会長に就任(~2017年)。
- 2019年
- 第3号ファンド(総額約6.5億ドル)設定完了。
- 2020年
- PRI(責任投資原則)に署名。
- 2024年
- 第4号ファンド(総額780億円)設定完了。
- 責任投資レポート(Responsible Investment Report)の発行を開始。
ロングリーチグループのサービス
事業支援・投資メニュー
- 子会社・事業部門の独立化カーブアウト
- 事業・株式承継
- 非公開化・MBO
- 海外グローバル企業の日本事業再編
- 事業成長と組織強化支援
投資実例
製造業・産業テクノロジー
- RAM Spreaders(LCP4・投資中)
- APC Group(旧 Amazon Papyrus)(LCP3・投資中)
- Quasar Engineering(LCP3・エグジット済)
- FCLコンポーネント(旧 富士通コンポーネント)(LCP3・投資中)
- 日立ビアメカニクス(LCP2・エグジット済)
- ソルプラス / 安田製作所(LCP2・エグジット済)
- Asia Aluminum Group(LCP1・エグジット済)
- オーシーシー(LCP1・エグジット済)
消費財関連
- BEAUTE DE LABO(LCP4・投資中)
- 新日本住設グループ(LCP4・投資中)
- nobitel(LCP4・投資中)
- ポッカクリエイト(LCP3・投資中)
- シャノアール(LCP3・投資中)
- 珈琲館(LCP3・投資中)
- ウェンディーズ・ファーストキッチン(LCP2・投資中)
- プリモ・ジャパン(LCP2・エグジット済)
- 日本マクドナルドホールディングス(LCP1・エグジット済)
- サイバードホールディングス(LCP1・エグジット済)
ビジネスサービス
- ライトワークス(LCP4・投資中)
- Asproad Holdings(旧 J-CEP)(LCP4・投資中)
- Blueship(LCP3・投資中)
- ウェルネス・コミュニケーションズ(LCP3・投資中)
- ジャパンシステム(LCP3・投資中)
- NOC日本アウトソーシング(LCP2・エグジット済)
- 三洋電機ロジスティクス(LCP1・エグジット済)
- ニイウス コー(LCP1・エグジット済)
金融サービス
- 安泰商業銀行(LCP1・投資中)
ロングリーチグループの求める人物像
ロングリーチでは、同社の「価値観と社風 “Values and Culture”」に共感し、チームとして投資と経営に関わっていけるプロフェッショナルを求めている。
求められるのは、案件ソーシングから投資実行、バリューアップ、エグジットまでの投資サイクルを一気通貫でこなすと同時に、投資家との対話も担える自立したPE投資プロフェッショナルを目指す人物だ。少数精鋭かつクロスカルチュラルな環境のなかでグローバル水準の実務を身につけ、高い投資判断力と企業価値創出力を培おうとする成長意欲も重視される。
チームワークの観点では、異なる意見や多様性を尊重したうえで、実直・オープン・建設的な議論を行える人物であること、相手への思いやりと寛容さをあわせ持つことが求められる。同時に、目標達成への責任感とアントレプレナーシップを持ち、自ら能動的に判断・行動できることも重要な要素とされる。経営者・従業員・投資家など多様なステークホルダーから信頼されるパートナーとなれるかどうかも、採用の重要な観点となっている。
日本の中堅企業の競争力強化と世界市場への展開を後押しし、産業全体の活性化に貢献したいという志を持つ人物が、ロングリーチでのPE投資実務に適しているといえる。
ロングリーチグループでのキャリアパス
ロングリーチでは、投資銀行・戦略コンサルティングファーム・総合商社など各分野のトップティア企業出身の多様なプロフェッショナルとともに働く環境が整っている。シニアとジュニアの垣根が低いフラットな組織のなかで、経験豊富なメンバーと直接協働しながら実務を積むことができる。
キャリアの面では、案件ソーシングから投資実行、投資先のバリューアップ、エグジットに至る投資サイクルを一気通貫で経験できることが特徴である。自主性と主体性を重んじる社風のもと、自立したPE投資プロフェッショナル(“independent private equity investment professional”)としての成長を目指せる環境が用意されている。
また、東京オフィスと香港オフィスの日常的な連携を通じてグローバルな視点を養いながら、日本企業の海外進出支援にもハンズオンで関わることができる。
ロングリーチグループの社員の声
ロングリーチでは、投資銀行・戦略コンサルタント・総合商社など異なるバックグラウンドを持つプロフェッショナルが集まり、互いの視点の違いをチームの強みとして活かす文化が根づいている。以下に、異なる職種・キャリアで活躍する社員の声を紹介する。
私がロングリーチグループに入社した当時、投資チームは金融出身者ばかりで、正直「異物」としての自覚がありました。でも、消費財の案件で「お客様はなぜこの商品を買うのか?」という視点を出したことで、それまで数字の分析に終始していた議論の流れが大きく変わりました。専門知識や業界経験が異なるからこその “問い” の力を実感しました。違う視点を持つ人がいるからこそ、新しい気づきが得られ、チームとしてのアウトプットの幅が広がると感じています。
育児などの家庭事情があるときは、お互いにフォローし合いながらチームで成果を出す、というスタイルが自然になっています。投資チームは男性社員が多いですが、小さなお子さんがいる方もいて、育児にしっかり関わりながら働いている人も多いですね。性別に関係なく、ライフスタイルに合わせた働き方がちゃんと認められていると思います。
ロングリーチグループの社会貢献・ESG
ロングリーチでは、案件発掘から投資先企業の価値向上、エグジットに至る投資サイクル全体を通じて、サステナビリティの視点をリスク管理と価値創出の両面から取り込んでいる。責任投資は同社の投資プロセスにおける中核項目の一つと位置づけられており、社会的責任を果たすと同時に、投資先のオペレーション高度化と投資家へのリターン創出にも資するものと考えている。
個別案件では、投資をする国・地域・業種により異なる重要なサステナビリティ項目を投資判断に組み込み、投資後も各投資先のサステナビリティKPIとして設定・モニタリングを継続している。参照する国際基準には、国連責任投資原則(PRI)、ILPA、持続可能な開発目標(SDGs)、IFCが含まれ、同社は2020年5月にPRIへ署名し、2022年1月より活動報告を行っている。また、2025年にはESGData Convergence Initiative(EDCI)に正式加盟している。
投資プロセスへの組み込み体制としては、責任投資方針とガイドラインの最終決定はジェネラルパートナーが担い、個別案件への方針適用はリード・パートナーを含む投資チームが責任を持って行う。投資委員会は投資期間中に各投資先の重要なサステナビリティ項目の運用状況をモニタリングし、IRチームが投資家への情報開示と報告をタイムリーに行う体制を整えている。加えて、高い倫理観のもと「行動規範 “Code of Ethics and Conduct”」に準拠した投資活動を徹底している。
社内体制の面では、責任投資・サステナビリティ専任のマネージャーを採用し、投資先企業との連携強化と内部実践の制度化を進めている。また、全従業員を対象とした年次サステナビリティ研修を実施しており、責任投資に関する個人の役割と責任の周知徹底を図っている。
透明性の観点では、2024年より『Responsible Investment Report(責任投資レポート)』の年次発行を開始し、責任投資に関するポリシー・プログラム・実績をステークホルダーに広く開示している。
ロングリーチグループについてのFAQ
ロングリーチはどのような企業に投資していますか?
ロングリーチが主な対象とするのは、企業価値が100億〜300億円程度のミッドキャップ(中堅規模の未公開企業)です。投資テーマは大きく2つあり、1つ目は大企業グループの非中核事業に位置づけられる子会社や事業部門を切り出す「コーポレートカーブアウト」、2つ目は創業家からの株式取得を通じた「成長型事業承継」です。いずれも経営権を取得するコントロール型の投資であり、投資後に約5年間のハンズオン支援を実施します。投資対象セクターは、コンシューマー関連・製造業/産業テクノロジー・ビジネスサービスの3分野を中心とします。
ロングリーチのカーブアウト投資とはどういうものですか?
カーブアウト投資とは、大企業グループが事業の選択と集中を進める過程で、非中核と位置づけた子会社や事業部門を切り出し、独立させることを投資対象とする手法です。ロングリーチはこの分野で日本有数の実績を持ちます。優れた技術やビジネスモデルを持ちながらも、親会社グループ内では経営リソースや戦略投資が限られ、低成長・低利益率にとどまる企業を対象に独自のネットワークで発掘し、適正価格での投資を実行します。これまでに日立ビアメカニクス(日立製作所)、旧富士通コンポーネント(富士通)、三洋電機ロジスティクス(パナソニック)、ファーストキッチン(サントリー)、旧NOC日本アウトソーシング(オリンパス)、珈琲館(UCCホールディングス)などへの投資実績があります。
ロングリーチはどのように投資先企業を支援していますか?
ロングリーチは、経営権を取得したうえで約5年間のハンズオン支援を行うことを基本方針としています。具体的には、投資先企業にCEO・CFO・CSOなどの経営人材をネットワークを通じて派遣するとともに、社外取締役を中心としたガバナンス体制を構築します。また、東京と香港のオフィスが連携し、投資先企業の中国・アジア市場への売上拡大を実行支援します。さらに、日本・米国・欧州・アジアのCEO経験者で構成する「グローバルアドバイザリーボード」を活用し、世界経済動向の分析や産業競争環境の把握をもとに企業価値向上プランを策定します。成長型事業承継の案件では、デジタル戦略やアジア展開に関する支援も東京・香港の専門チームが担います。
ロングリーチのESG・責任投資への取り組みはどのようなものですか?
ロングリーチは、投資案件の発掘から投資先の価値創出・エグジットに至る投資サイクル全体を通じて、ESG(環境・社会・ガバナンス)の視点を組み込んでいます。2020年5月に国連責任投資原則(PRI)に署名し、2022年1月よりUNPRIへの活動報告を開始しました。準拠する国際基準はPRI・ILPA・SDGs・IFCなどにわたります。個別の投資先に対しては、重要なサステナビリティ項目をKPIとして設定し、定期的にモニタリングを実施しています。また、2024年からは「責任投資レポート(Responsible Investment Report)」を毎年発行しており、投資活動および事業運営のサステナビリティに関する情報を投資家を含む全ステークホルダーへ透明性をもって開示しています。
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