社会課題解決系コンサルへの転職[徹底解説]

社会課題解決系コンサルへの転職[徹底解説]環境負荷低減や人口減少、地方創生など、社会課題は多方面に広がっています。そのような中、民間企業の取り組みにも多くの期待が寄せられるようになりました。SDGsサステナビリティに対応することが、企業価値に直結する時代を迎えており、社会課題解決への取り組みは、日本企業にとって喫緊の課題と言えるでしょう。

一方で、当該領域に関する知見が十分に備わっている企業はけっして多くはありません。そのため、コンサルファームへ社会課題解決領域に関するプロジェクトの依頼が急増しています。

それらの企業の支援は、戦略ファーム総合ファームシンクタンクなどが中心に行っており、社会課題の解決に特化したコンサルティングファームはまだ少数です。現在、大手ファームの多くが、社会課題解決の知見を集積したサステナビリティ専門チームの立ち上げに取り組んでいます。企業からの要請を受けて、今後ますます組織が拡大していくと予想されています。

従来、社会課題解決系のキャリアは、残念ながら収入に恵まれないことが多々有りました。そのような中、自身のライフワークとなるテーマに取り組みながら、好待遇を受けられる社会課題解決系コンサルのキャリアは、非常に魅力的だと言えるでしょう。

コンサルティングファームの社会課題系部門・案件(例)

SDGs、ESG投資対応コンサル

企業が社会的な課題解決に取り組むための戦略策定や、投資家からのESG投資を引き付けるための支援を行います。

パブリックセクター向けコンサル

官公庁や地方自治体、大学など公共性の高い組織に対して、デジタルサービスの提供や政策支援などを行います。

地方創生コンサル

地方自治体や民間企業と協働し、人口減少や産業衰退といった地域の課題解決に取り組みます。

気候変動・サステナビリティコンサル

企業が環境問題に対応するために、気候変動リスクやサステナビリティ戦略といった社会課題に対する支援を行います。

社会課題解決系コンサルに求められる人材要件

コンサルティングファームの社会課題解決系チームへ転職は、コンサル経験者が有利ではあるものの、コンサル未経験者にも広く門戸が開かれています。

民間企業において、特定の社会課題解決やSDGs関連のプロジェクトに従事した経験も高く評価されます。また、官公庁や地方自治体、NPOとプロジェクトを進める機会が多いことから、公務員やNPOでの業務経験を持つ方も評価されます。公共機関の内部体制を理解し、社会課題の解決に向けて多くのステークホルダーを巻き込んだ経験は、コンサルティングファームの社会課題解決系チームへ参画後、大いに役立ちます。さらに、業務経験や経歴を問わず、20代〜30代の有名大学出身者を中心に、ポテンシャル採用を行なっているケースも見受けられます。

採用要件は、コンサルティングファームや部門ごとに異なりますので、応募にあたっては、各社ごとの人材要件の詳細を確認することが大切です。

社会課題解決系コンサルの選考プロセス

社会課題解決系コンサルの選考プロセス1:審査選考

履歴書、職務経歴書による選考が行われます。社会課題解決関連の業務経験がある場合、職務経歴書でプロジェクト内容を厚めに書いておきましょう。志望動機書も添えて応募できると望ましいです。

社会課題解決系コンサルの選考プロセス 2:筆記試験

社会課題解決系チームへの転職でも、コンサルティングファームの転職と同じように、論理的思考能力を測るために筆記試験が課されることがほとんどです。一般的な適性検査よりも難易度が高く、事前に対策をしておかないと、優秀な人でも筆記試験で不合格となってしまうこともあります。

社会課題解決系コンサルの選考プロセス 3:面接

通常、3〜4名の面接官と1対1の面接が行われます。職務経験や志望動機を中心とした面接のほかに、論理的思考能力やディスカッション能力を確認するためのケースインタビューを課せられることもあります。
ケースインタビューは、ディスカッション形式の面接で、論理的な思考能力や問題解決能力、問題解決に臨む姿勢などが様々な角度から見られます。この中で、社会課題について議論することもあります。特殊な面接なので、対策なしに乗り越えることは難しく、注意が必要です。

社会課題解決系コンサル出身者のネクストキャリア

社会課題解決系コンサル経験者のネクストキャリアでは、他ファームへの転職や、専門性を活かした事業会社への転職などが見られます。さらに、社会課題解決に取り組むスタートアップを起業するケースも珍しくありません。

総合ファームやシンクタンクでは、公共機関へのコンサルティングやサステナビリティ領域に特化した部門が存在します。そこで、培った経験と高い専門性を活かして、該当部門の幹部ポジションへ転職するケースはよく見られます。また、コンサルティング経験そのものが評価され、戦略ファームや他領域のコンサルティングファームに挑戦することも可能です。

事業会社への転職では、日系大企業のサステナビリティ事業部など専門部署、あるいは社会課題に取り組むスタートアップ幹部への転職が主流となります。最近では、先端テクノロジーを活用した社会課題解決に取り組むスタートアップも数多く登場しています。多額の資金調達に成功する企業も多く、コンサルティングファームと比較しても遜色ないほどの報酬を用意できるケースが増えています。

どのような組織においても、SDGs対応やESG投資への対応が重視されるようになった今、社会課題解決系コンサル出身者のネクストキャリアは、大きな可能性を秘めていると言えるでしょう。

社会課題解決系コンサルティングを行う代表的な企業