三菱商事 Mitsubishi

三菱商事株式会社について

 企業について

三菱商事は、世界約90の国・地域に広がる拠点と約1,200の連結事業会社を持つ(2025年3/31時点)総合商社である。地球環境エネルギー、マテリアルソリューション、金属資源、社会インフラ、モビリティ、食品産業、S.L.C.、電力ソリューションの8グループ体制で事業を展開している。

貿易だけでなく、パートナーと共に世界中の現場で開発や生産・製造などの役割も担っており、創業以来の理念である「三綱領」の下、公明正大で品格のある行動を信条に、豊かな社会の実現に貢献することを目指している。

事業ポートフォリオの安定成長性(資源・非資源分野ともに成功事業あり)と、日本トップクラスの経営人材育成環境(国内外、長期目線での活躍機会)が特徴として挙げられる。

三菱商事株式会社
Mitsubishi
  • 代表者
    代表取締役 社長 中西 勝也
  • 設立
    1950年04月01日
  • 所在地
    東京都千代田区丸の内二丁目3番1号

三菱商事の理念

三菱商事の企業理念は「三綱領」である。1920年の三菱第四代社長岩崎小彌太の訓諭をもとに、1934年に旧三菱商事の行動指針として制定され、現在の三菱商事でも企業理念として継承されている。
この「三綱領」は、単なるスローガンではなく、企業活動の根本理念として、社員一人一人の行動指針であり、企業の在り方や進むべき方向性を示す羅針盤としての役割を果たしている。
旧三菱商事の行動指針として制定され、現在の三菱商事でも企業理念として継承されている
以下に三菱商事の企業理念を引く

三綱領

所期奉公(しょきほうこう)

事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献する。

処事光明(しょじこうめい)

公明正大で品格のある行動を旨とし、活動の公開性、透明性を堅持する。

立業貿易(りつぎょうぼうえき)

全世界的、宇宙的視野に立脚した事業展開を図る。

三菱商事の沿革

1954年
総合商社・三菱商事発足。同年に東京、大阪両証券取引所に株式上場
1967年
三菱商事初となる経営計画を発表
1968年
ブルネイでのLNG開発事業へ投資決定。三菱商事初の大型投資となる
1971年
英文社名を"Mitsubishi Corporation"と定める
1992年
メタノール製造販売METANOL DE ORIENTE, METOR, S.A.をベネズエラに設立
1998年
エスコンディーダ銅鉱山(チリ)開発プロジェクト開始
1999年
Diamond Generating Corporation(米国)を設立
2001年
  • 経営計画「MC2003」を発表。「新たな価値創造への挑戦」を掲げる

  • バリューチェーンの拡大・収益力強化に加え、新規事業の創出を重視することを発表

  • BMA社を設立(世界的資源会社BHP Billiton plcとの合弁)
2010年
カナダにてシェールガスプロジェクトに参画
2014年
Cermaq Group ASを子会社化
2015年
インドネシア/BSD地区における不動産開発事業へ参画
2020年
総合エネルギー会社N.V. Eneco(オランダ)を子会社化
2021年
  • DX事業を行う新会社 株式会社インダストリー・ワン設立

  • 「カーボンニュートラル社会へのロードマップ」を策定

2022年
  • 「中期経営戦略2024 MC Shared Value(共創価値)の創出」を発表

  • ケジャベコ銅鉱山(ペルー)の生産開始
2023年
Eneco Diamond Hydrogen B.V.を設立。欧州でのグリーン水素拡大を狙う
2024年
  • ALTNA株式会社を設立。EV普及拡大に伴う新事業を創出する

  • KDDI株式会社、株式会社ローソンとの資本業務提携契約を締結

三菱商事のサービス

  • 地球環境エネルギー
    エネルギーの安定供給とエネルギートランジションの推進
  • マテリアルソリューション
    サプライチェーンを俯瞰し素材産業の競争力強化と脱炭素化を推進
  • 金属資源
    原料炭・銅を中心に世界トップクラスの優良資産ポートフォリオを保有
  • 社会インフラ
    不動産・産業インフラ分野の知見を活かした街づくり
  • モビリティ
    モビリティ×エネルギー×データ(DX)による最適な移動の提供
  • 食品産業
    持続可能な食料資源の生産や安定供給にグローバルベースで取り組む
  • S.L.C.
    C2B事業とB2B事業を有機的に連携させSmart-Lifeの創造
  • 電力ソリューション
    再生可能エネルギーを「つくる」「整える」「届ける」電力バリューチェーン

三菱商事の求める人物像

三菱商事では、グループの持つ総合力やネットワークを活用し、多様な人材と組織をリードできる人物を求めている。特に、業界や職種にとらわれず事業の本質的な価値を創出できる力を重視しており、以下の4つの資質を備えた人材の採用・育成に注力している。

重視する4つの能力

  • 高い志
    社会課題解決に対する強い使命感を持ち、より良い未来の実現のために貢献したいという熱意と意欲を持つ人物を求めている。三菱商事の事業は社会インフラから日用品まで多岐にわたるため、社会への貢献を常に意識する姿勢が不可欠とされる。
  • 構想力
    時代に先駆けて新たな価値を導出する能力が重要視される。市場動向や技術革新を的確に捉え、既存の枠組みにとらわれない柔軟な発想で、新たなビジネスモデルや解決策を構想できる人物が求められている。
  • 実行力
    構想を具現化する実行力が求められる。国や業界を超えて多様な関係者を巻き込み、迅速に構想を実現する力が重要視される。そのためには、グローバルに展開する事業において、異なる文化や価値観を持つ人々とうまく協働する優れたコミュニケーション能力と、目標達成までやりきる粘り強さも必要とされる。
  • 高い倫理観
    企業理念である「三綱領」の精神につながる価値観を持ち、公明正大な企業活動を実践できる人物が求められている。グローバルな事業展開において、高い倫理観は必要不可欠な要素として位置づけられている。

これらの能力は、入社時点で完璧に備わっていることは求められていないが、こうした方向性で自己を高めていこうとする意欲と基本的な素養を持つ人材を広く求めている。三菱商事では、採用後も様々な研修プログラムや実務経験を通じて、これらの能力を段階的に開発・強化していくことを重視している。

三菱商事のトレーニング

三菱商事の人材育成は、「経営マインドを持ち、事業価値向上にコミットする人物を輩出し続ける」ことを基本方針としている。OJTを基本としながら、OFF-JT(人材育成プログラム)を組み合わせ、「構想力」「実行力」「倫理観」を高い水準に開発していくことに取り組んでいる。企業としての持続的な成長を実現するため、社員一人ひとりの成長をサポートする体制を整えている。

グローバル人材育成

多くの社員が世界で活躍する三菱商事では、入社8年目までに、原則として全社員に海外経験を積む機会を設けている。「グローバル研修生」と呼ぶ制度により、語学や実務研修などの名目で半年から2年程度をめどに順番に派遣し、入社8年目までにすべての社員が一度は海外経験を積む体制を整えている。

キャリア開発支援制度

三菱商事では、社員の自律的成長を支援するため、以下の制度を設けている。

  • 成長対話:年1回、能力開発・キャリア開発にフォーカスした上司との対話
  • 360度マネジメントレビュー:上司・部下・同僚からのフィードバック
  • Career Choice制度:自らが挑戦したい組織への異動を後押し
  • Dual Career制度:社内複業を通じたスキル習得・成長機会の提供
  • サバティカル休職制度:国内外の大学・大学院への進学支援

研修プログラム体系

OFF-JTでは、育成段階に応じて、三菱商事グループ企業の連結経営を担う経営人材に必要とされる能力を開発する研修を多数整備している。

主要な研修プログラム

【若手育成】

  • 新入社員研修
  • ビジネスベーシックプログラム(BBS)
  • ビジネスアドバンスドスキルプログラム(BAS)
  • グローバル研修生制度(8年目までに全職員が海外経験)

【リーダーシップ開発】

  • インストラクター研修
  • イノベーション研修
  • 組織リーダー研修
  • MC経営塾

【グローバル人材育成】

  • 海外派遣制度
  • 海外ビジネススクール派遣
  • 語学研修

【デジタル人材育成】

  • DXリテラシー講座
  • プログラミング研修
  • AI活用スキル研修

【自律的学習支援】

  • オンライン学習プラットフォーム(年間一人当たり平均10時間以上)
  • キャリアビジョン研修
  • MCスキルアップ講座
  • 能力開発支援制度

キャリアの方向性

総合職の場合

三菱商事の総合職には、体系的なキャリア開発プログラムがあり、段階的にキャリアを積み上げていく。定期的な部門移動により、様々な部署や事業領域を横断的に経験していくのが特長である。
この部門異動は単なる配置転換ではなく、例えば財務分析・契約交渉・新規事業開発など段階的な目標設定がされており、各配属先で実務を通じた能力開発を行っている。
こうして経営人材としての複眼的視野と事業統合スキルを養っていく。
特に入社8年目までには全職員が海外経験を積むことが推奨されており、グローバルな視点での事業理解を深め、異文化環境下での意思決定能力を養成する機会が設けられている。

【キャリアの特徴】

  • 定期的なローテーションを通じた多様な経験の蓄積
  • 国内外での幅広い職務経験(海外赴任含む)
  • 経営人材としての成長機会
  • 管理職・経営幹部へのキャリアパス
  • 50歳・55歳時点でのキャリアデザイン研修による長期的なキャリア設計支援

一般職の場合

一般職では、特定の専門分野において段階的にスキルを向上させていく。じっくりと腰を据えて業務に取り組むことができ、専門性を活かした着実なキャリア形成が可能である。また、働き方の面では、首都圏内での勤務が基本となるため、長期的な生活設計を立てやすい環境となっている。

【キャリアの特徴】

  • 専門分野における業務スキルの向上
  • 首都圏内での安定したキャリア形成
  • 専門性を活かした段階的なキャリアアップ
  • 能力・意欲に応じた上位資格への昇格機会
  • ワークライフバランスを重視したキャリア設計

三菱商事の社会貢献・ESG

三菱商事は、持続可能な社会の実現に向けて、ESG:環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3つの観点から総合的な取り組みを推進している。

環境への取り組み

環境分野では、気候変動対策を最重要課題として位置づけ、2021年に「カーボンニュートラル社会へのロードマップ」を策定。
具体的な取り組みとして、再生可能エネルギー事業の拡大や、省エネルギー技術の開発支援を進めている。また、水資源の保全や生物多様性の維持にも注力しており、事業活動における環境負荷の最小化に努めている。資源の有効活用においては、循環型社会の実現に向けたリサイクル事業の推進や、廃棄物の削減に取り組んでいる。

社会との関わり

社会面での取り組みは、人権尊重を基本方針として掲げ、グローバルな事業展開において、各地域の文化や慣習を尊重した活動を展開している。
また、労働環境においては、ダイバーシティ・マネジメントを推進し、性別や国籍を問わず、多様な人材が活躍できる職場づくりに取り組んでいる。特に、女性の活躍推進や、働き方改革による健康経営の実現に力を入れている。災害支援にも積極的に取り組んでおり、被災地の復興支援活動も実施。
また、社会貢献活動として「インクルーシブ社会の実現」「次世代の育成・自立」「環境の保全」の3つを重点分野として定めている。

インクルーシブ社会の実現

誰もが生き生きと活躍できる社会を目指し、障がい者支援プログラムの実施や多様性を尊重する取り組みを展開している。

次世代の育成・自立

未来を担う次世代を育成し、その成長と自立を支え促進するため、教育支援活動や奨学金制度などの取り組みを実施している。

環境の保全

かけがえのない地球環境を未来へと伝え、人と自然が調和した豊かな社会を実現するため、森林保全活動やサンゴ礁保全プロジェクトなどを推進している。

ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンスの面では、透明性の高い経営体制の構築を目指している。三菱商事は、「三綱領」を企業理念とし、公明正大を旨とする企業活動を通じ、継続的に企業価値向上を図るとともに、物心ともに豊かな社会の実現に貢献することを基本方針としている。
この実現のため、経営の健全性、透明性、および効率性を確保する基盤として、コーポレートガバナンスを継続的に強化することを経営上の重要な基本方針としている。
具体的には、取締役会の実効性向上、コンプライアンス体制の強化、リスクマネジメントの徹底などを通じて、ステークホルダーからの信頼確保に努めている。特に、「三綱領」の理念に基づく高い倫理観を持った経営を実践し、持続的な企業価値の向上を図っている。
コンプライアンス体制においては、役職員の行動規範、全社横断的な管理体制、予防・是正・改善措置、内部通報制度等を社内規程等で定め、周知のうえ運用の徹底を図っている。

これらのESG活動は、単なる社会貢献活動としてではなく、事業活動と一体となった取り組みとして推進されている。三菱商事は、事業を通じた社会課題の解決と企業価値の向上の両立を目指し、持続可能な社会の実現に貢献している。

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