日系グロースファーム

日系グロースファームとは

日系グロースファーム」とは、外資系戦略ファーム大手総合ファームで活躍してきた、パートナーやディレクタークラスのコンサルタントたちが独立して立ち上げたコンサルティングファームを指す。

日系グロースファームは現在、積極的に採用を進めている企業だけでも約100社に上り、その数はさらに増加している。その多くがここ数年で創業されたため歴史は浅い一方で、業績の好調さやキャリア面での魅力により、高い人気を集めている。その結果、各社の組織は急拡大しており、コンサル業界内で年々、存在感を増しているのだ。

日系グロースファームはベンチャー企業でもあるため、ポストコンサルから人気の高い「ベンチャー企業の経営幹部」というキャリアを実現することができる。また、それと同時に、コンサル業界水準の「高収入」を維持することも可能だ。このような特徴を持つため、日系グロースファームのキャリアは、コンサル経験者にとって非常に魅力ある選択肢となっている。

日系グロースファームの3つの魅力

① 業績が好調なファームが多い

大手ファームで活躍していた人々が立ち上げたことから、日系グロースファームには実績豊富なメンバーが揃っている。加えて、コンサルティングサービスの品質の高さに比してプロジェクト単価を抑えられるため、クライアント企業からの受注を獲得しやすく、業績が好調のファームが多い。

日系グロースファームがプロジェクト単価を抑えられる理由として、主に以下の2点が挙げられる。

第1に、外資系ファームにおけるグローバル本社へのロイヤルティーのようなコストは、日系グロースファームには発生しない。その分、価格設定に柔軟性が生まれ、プロジェクト単価を調整することも可能となる。

第2に、米ドルやユーロをベースにフィーレートが設定される外資系ファームでは、近年の大幅な円安の影響でプロジェクトフィーが上昇する傾向にある。しかし、日系グロースファームでは為替の影響を受けにくいため、相対的に低い単価でプロジェクトを受注することが可能となるのだ。

② 大手ファームを凌ぐ高報酬を期待できる

日系グロースファームでは、上述のようにグローバル本社へのコストなども発生しないため、収益性が高い傾向がある。その結果、社員へ高い報酬を還元できる体制が整っているファームが多い。

実際、大手ファームよりも高待遇でポストコンサルを採用するケースも珍しくない。ファームによっては、アナリストポジションでも年収1,500万円~2,000万円が期待できるなど、業界水準を上回る報酬が提示されるケースもある。

さらに、所属ファームが上場した際に得られるストックオプションも、大きな魅力となっている。

③ 自社の経営を自らリードできる

海外に本社を持つ外資系ファームとは異なり、日系グロースファームは日本国内に本社がある。加えて、ベンチャー企業でもあるので、経営幹部になると自らの意思で経営をリードできる。そのため、ベンチャー投資やSaaS事業など、コンサルティングサービス以外の事業も展開しているケースが珍しくない。

また、海外進出をしているファームも徐々に増えている。日本発のユニークなコンサルティングサービスを世界に展開していく醍醐味もある。

注目の日系グロースファーム

主な日系グロースファーム

社名 創業年 代表者(出身ファーム)
リゾルブ・アンド・キャピタル 2019年 河野博氏(ベイン)
ロゴスパートナーズ 2011年 柳沢和正氏(マッキンゼー)
オウルズコンサルティンググループ 2020年 羽生田慶介氏(A.T. カーニーなど)
SHAPE Partners 2022年 藤熊浩平氏(BCG)
プロレド・パートナーズ 2009年 佐谷進氏(旧・ブーズ)
グロービング 2017年 ⽥中耕平氏(アクセンチュア)

2020年創業のオウルズコンサルティンググループは、SDGsやESG経営に特化したコンサルティングで注目を集めている。サステナビリティ戦略やESG情報の開示サポート、人権DD(デューデリジェンス)といったグローバルな社会課題の解決を支援し、2022年には欧州拠点を設立するなど、急速な成長を遂げつつある。

また、企業がM&Aを検討する際に買収先の将来性などを分析する「ビジネスDD」に強みを持つファームとして、2019年創業のリゾルブ・アンド・キャピタルや2011年創業のロゴスパートナーズなどが挙げられる。そのほか、AIやデジタル領域に強い日系グロースファームも多数あり、多くの企業のDX推進を支えている。

日系グロースファームでのキャリアは、企業の経営幹部として活躍する機会を得ながら、恵まれた報酬を得ることもできるという、ポストコンサルならではの魅力的な選択肢と言えるだろう。一方で、さまざまなファームが存在するうえに、各社によって強みや特徴、社風も異なる。実際の転職にあたっては各ファームの情報を収集し、慎重に判断することが大切だ。

関連リンク>>
「日系グロースファームへの転職[徹底解説]」はこちらをご覧ください。

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