ラクスル RAKSUL INC.
ラクスル HPより
企業について
ラクスルは「BtoB」「大企業による寡占」「膨大な事業者数」を特徴とする、デジタル化が遅れている産業を対象としたプラットフォームビジネスを展開する企業である。
現在、「印刷」「物流」「広告」「コーポレートIT」の領域においてそれぞれ「ラクスル」「ハコベル」「ノバセル」「ジョーシス」の名称でサービスを提供しており、高い成長を続けている。
ラクスルが対象とする事業領域ではアナログが多用されており、また業界構造の複雑さ故に新規参入が少なく、イノベーションが発生しにくいという特徴がある。
こうした状況から産業構造の固定化を招いており、デジタルプラットフォームを提供することで新たな価値を提供するとともに中間マージンをなくしサービスの生産性改善に貢献するのがラクスルのビジネスと言える。
印刷・広告のシェアリングプラットフォームであり社名にもなっている中心的なサービス「ラクスル」ではデマンド側へのメリットとして小ロット印刷を、サプライ側へのメリットとして多重下請け構造の打破を実現した。
そのため、これまで印刷発注できなかった中小企業が印刷物を発注できるようになるとともに、孫請けやひ孫請けとして印刷業務を行っていたサプライ側に中間マージンのカットをもたらしたのである。
ラクスルではプラットフォームビジネスを印刷以外にも拡大しており、現在では物流のシェアリングプラットフォームである「ハコベル」、広告のプラットフォームである「ノバセル」、そして2021年9月にはコーポレートITのプラットフォームとして「ジョーシス」をリリース。
同社は事業領域の拡大を「統合バーティカルプラットフォームへの進化」と定義しており、2025年まで30%を上回る成長の継続を見込むとともに、開発体制を強化するため2020年にベトナムとインドに開発拠点を開設している。
ラクスルが提供中のサービス
ラクスル
印刷・広告のシェアリングプラットフォーム。国内提携印刷会社が保有する印刷機の非稼働時間を利用することにより、高品質の印刷物を低単価で提供する。新聞折込やポスティングなど集客支援となる広告サービスも提供。
ハコベル
物流のシェアリングプラットフォーム。提携運送会社の稼働時間外を利用することで低価格を実現した運配送サービス。
ノバセル
広告のプラットフォーム。TVCMなど広告動画の企画・制作・放映・分析を提供。インターネットを活用して広告効果を可視化、改善サイクルを向上させ企業の事業成長をサポートする点が特徴。
ジョーシス
コーポレートITのプラットフォーム。コーポレートITにおけるアナログ業務自動化サービス。ソフトウェアの管理、ハードウェアの調達、キッキングまでワンストップで提供。
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代表者代表取締役社長CEO 松本 恭攝
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設立2009年9月1日
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所在地東京都品川区上大崎2-24-9 アイケイビル1F
ラクスルの理念
“仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる”
1. 仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる
2. 20世紀型産業とインターネットの融合
3. デマンド改革
4. サプライ改革
5. 果てしなく広がるフロンティア
ラクスルの沿革
- 2009年
- 資本金200万円で会社設立
- 2010年
- 印刷通販の価格比較サイト「印刷比較.com」サービス開始
- 増資(資本金620万円)
- 東京都港区海岸へ本社を移転
- 「印刷比較.com」を「ラクスル」に名称変更
- 2011年
- 東京都港区田町へ本社を移転
- 増資(資本金940万円)
- 増資(資本金1,940万円)
- 東京都港区芝浦へ本社を移転
- 2012年
- 第三者割当増資(総額約1.1億円)
- 第三者割当増資(総額約1.2億円)
- 2013年
- 印刷シェアリングプラットフォーム「ラクスル」サービス開始
- 東京都港区虎ノ門へ本社を移転
- 2014年
- 第三者割当増資(総額約15.5億円)
- TVCM放送を開始
- 2015年
- 第三者割当増資(総額約40億円)
- シンガポールに100子会社「RAKSUL INTERNATIONAL PTE.LTD.」設立
- 東京都品川区上大崎に本社を移転
- 物流シェアリングプラットフォーム「ハコベル」サービス開始
- 2016年
- 第三者割当増資(総額約20.5億円)
- 2017年
- 京都事務所を開設
- ヤマトホールディングス株式会社と資本提携
- 2018年
- 東京証券取引所マザーズ市場に株式上場
- 2019年
- 小倉オフィスを開設
- 「RAKSUL INTERNATIONAL PTE.LTD.」を清算
- 2020年
- 広告プラットフォーム「ノバセル」サービス開始
- ベトナムに開発拠点「RAKSUL VIETNAM COMPANY LIMITED」設立
- インドに開発拠点「RAKSUL INDIA PRIVATE LIMITED」設立
- 2021年
- コーポレートITプラットフォーム「ジョーシス」サービス開始
ラクスルのサービス
インダストリー
- IT
ファンクション
- 印刷・広告プラットフォーム事業
- 物流プラットフォーム事業
- 広告プラットフォーム事業
- コーポレートITプラットフォーム事業
ラクスルの求める人物像
ラクスルはビジョンである「仕組みを変えれば、世界はもっと良くなる」を「技術・仕組」「高解像度」「互助連携」という3つの点から分解し行動指針として示しており、それぞれの中で人材に求める要件を明らかにしている。
技術・仕組
仕組み化や技術による課題解決、無駄の撤廃・削減による生産性向上、独自発想・創意工夫による解決策を提案できる人物。
高解像度
情報を正しく把握し、その情報をもとに課題の優先順位付けを正しく行える人物
互助連携
他部署や他職種のメンバーとも連携し施策立案・実行のできる人物
これらの要件を備え活躍している人物を同社では「事業化人材」と呼んでおり、事業やサービスに一気通貫で責任を持ち、事業全体を経営者目線で俯瞰しつつユーザーや業界を見据えリーダーとして最後までやりきることのできる人、と定義している。
ラクスルでのキャリアパス
ラクスルは人事組織のポリシーとしてビジョンの実現と企業価値の最大化を目的とした組織設計を行っている。
人材活用では「ダイバーシティ」「現地採用人材の登用」「女性の活躍推進」を掲げており、障がい者の就労支援やインド・ベトナムに開設した海外拠点における現地採用を実施。
女性の活躍推進についてはグローバル競争の中、イノベーションの促進による企業の持続的な成長や経営戦略に多様な価値観を反映させる観点から重視しており、女性取締役の登用に言及している。
またラクスルでは従業員がライフスタイルに合った働き方を実現するよう、育児・介護休業や育児・介護時短勤務、配偶者の出産休暇、子の看護休暇など各種の制度を整備するとともに、有給休暇の時間取得やフレックスタイム、リモートワークを取り入れている。
これらの方針のもと、キャリアパスとして「エンジニア」「デザイナー」「プロダクトマネージャー」「事業開発」それぞれの分野ごとに次の職種を例示している。
エンジニア
- プロダクトエンジニア
- エンジニアリングマネージャー
- テクノロジスト
デザイナー
- プロダクトデザイナー
- コミュニケーションデザイナー
プロダクトマネージャー
- プロダクトマネージャー
事業開発
- Bizdev(事業開発)
- データアナリスト
- カスタマーサービス
- マーケティング
- SCM
ラクスルのトレーニング
ラクスルでは本部や事業部ごとの育成プログラムと実務を通じてのOJTを人材育成のベースとしており、各種研修はOJTを補完する位置づけとして以下について設定している。
・新人導入研修
・言語支援プログラム(英語専任スタッフ)
・セキュリティ研修
・マネジメント研修
・スキルアップ支援制度
・技術書買いホーダイ制度
また、育成プログラムやOJT、各種の研修以外にも「チャレンジを応援する環境」としてエンジニア・プロダクトマネージャー・デザイナー向けの1週間のハッカソンイベントや週1回開催されるエンジニア向けの勉強会も行われている。
ラクスルの社員の声
ラクスルは急成長を続ける企業であるため、入社の動機について語るスタッフが多い。新たなビジネス領域を開拓する事業に強い関心を持ち、使命感を持って入社するケースが目立っている。
「仕組みを変えれば、世界はもっとよくなる」というビジョンのもと、印刷・物流という伝統的で巨大な産業領域でビジネスを展開するところに面白さを感じたこと、がラクスルに転職を決めた主な理由です。
求人サイトでラクスルのカスタマーサポート募集を知りました。困っているお客様の役に立てることに加え、京都事業所が立ち上がって間もない段階であり、意見を出しながら業務改善していける職場環境に興味を持って応募しました。
「ハコベルを運送業界に浸透させ、物流業界に革命を起こそう!」という熱い想いに心を動かされ、ラクスルに仕事人生をかけてみようと思いました。
事業家として更に成長するため、この「強い仕組み作りを数多く行っていきたい」との思いから、ラクスルに入社する決意をしました。
自分の想像を超えた最強の事業を作ろうとしている人が目の前にいて、切実に仲間を探していて、居ても立っても居られなくなり、どこか使命感にも似たような感情で、入社を決めました。
仕組みを変えれば世界はもっとよくなるというビジョンへの共感、そして 開発部門だけではなくビジネス部門が強く、本当にビジョンを実現できそうだと感じたことが入社を決めた理由です。
また会社の社風について様々な切り口で率直に語るスタッフが多いことも特徴的である。ベンチャーらしいオープンでフラットな社風であるとわかる。
会社全体の文化・雰囲気という意味では、ベンチャーらしい前のめりさがありつつも、きちんと良いもの・良いサービスを創り上げようという「ものづくり文化」が大切がされている
良い意味で大人の成熟性と子供の無邪気さの融合した組織だと思っています。
非常に合理的でプロフェッショナル かつ 事業へは熱い情熱を注ぐ会社だと思います。意思決定や課題設定は非常にロジカルに行われ、立場や在籍期間に関係はありません。
日々絶えない笑いやツッコミ、刺激的なチャンスの連続、そんなラクスルの環境が自分には合っているな、と思います。
ラクスルには多様なバックグラウンドを持った人が集まっており、その道で確固たる実績を築いてきた人も多いですが、非常にフラットな環境の中で、課題に対して最適な解決策を見つけようという姿勢が共有されています。
スピード感が半端ないです。ベンチャー企業を渡り歩いてきたので、IT企業特有のスピード感には慣れていたつもりだったのですが、それよりも数倍早く、日々驚いています。
事業に関わる姿勢が前のめりでみんな楽しそうですし、私も今とても楽しいです!前のめりだけでなく本当に必要なことは何かを常に考えようという風土がある、無駄なことはしないというのも特徴の1つだと思います。
そして、共に働くスタッフが優秀である点に言及するコメントも多い。
メンバーには女性も多く、平均年齢は30歳くらい。それでも特に働きにくさは感じませんし、メンバーが真摯に仕事に取り組んでいる姿には、若いのにすごいな、偉いなと、尊敬します。
とにかく異能多能でどのメンバーも心の底から尊敬でき、一緒に仕事ができることを誇りに思えます。
凄い人たちばかりで、正直自分が今ここにいるのが不思議なぐらいです。とにかく今は仕事が楽しくてしょうがないですね。
人に関して言うと優秀で資質に優れた人が多く、論理的に物事を進めていくということにたけていますね。
スタートアップと聞くと、創業オーナーがワンマンで経営している姿を想像する人が多いと思いますし、私もそうだったのですが、取締役をはじめ各人がプロフェッショナルを軸に、対等に議論を戦わせるチーム経営が出来ているところが強みだと感じています。
他人の意見にしっかりと耳を傾け、リスペクトできるメンバーが揃っているのも、環境面では気に入っているところです。
ラクスルの社会貢献・ESG
ラクスルでは社会貢献活動として所轄庁認定・特例認定NPO法人や災害時の被災地支援を行う団体向けに「ラクスル」や「ハコベル」の割引を通じサポートを行っている。
また新型コロナ禍においては、物流サービスである「ハコベル」を利用して医療施設向けにサージカルマスクを届ける活動を実施。
社会インフラを担う物流サービス提供事業者として、今後も取り組みを拡大していく意向を示している。
※このページの内容は、 コンコードエグゼクティブグループが、独自に調査、執筆したものです。
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