マッキンゼー・アンド・カンパニー 100年の知見を束ねる戦略・DX・経営変革ファーム
マッキンゼー・アンド・カンパニーは、事実に立脚した分析アプローチと”One Firm”と呼ばれる単一組織モデルを基盤に、企業・政府機関のトップマネジメントが直面する経営判断に深く関与してきた。本記事では、企業の特徴や理念、沿革、主要なサービス内容、求める人物像、入社後のキャリアパスやトレーニング内容、社員の声、社会貢献・ESG、関連書籍について整理する。
マッキンゼー・アンド・カンパニー HPより
マッキンゼー・アンド・カンパニーとは
マッキンゼー・アンド・カンパニー(McKinsey & Company、以下:マッキンゼー)は、1926年に米国シカゴで創業された戦略コンサルティングファームである。経営戦略の策定、組織変革、デジタル・AI領域を含む幅広い経営課題の解決支援を中心に、企業および政府機関に対してアドバイザリーから実行支援までを提供している。現在は世界65カ国以上に130を超えるオフィスを有し、約45,000名の従業員を擁する。
コンサル業界地図(領域別)
マッキンゼーは、シカゴ大学で会計学を教えていたジェームズ・O・マッキンゼーが1926年に設立した。創業当初から「一流の人材を通じて、一流の企業をより一流にしていく」という姿勢を掲げ、経営層に直接向き合うコンサルティングスタイルを確立した。その後、1933年に入社したマービン・バウアーが、事実に立脚した分析的アプローチという方法論を体系化し、コンサルティングという職種の礎を築いた。1959年には初の海外拠点をロンドンに開設し、グローバル展開が本格化した。
日本への進出は1971年で、アジアにおける最初の拠点として東京オフィスを開設した。その後、2018年3月には関西オフィスを大阪に開設し、京阪神を中心とする西日本地域の企業・官公庁支援を強化している。現在、日本代表はシニアパートナーの岩谷直幸氏が務めている。
One Firmの組織原則
マッキンゼーの組織運営の特徴として、”One Firm”と呼ばれる方針がある。世界中のすべてのオフィスを単一の組織として運営し、本社・支社の序列や規模による差異を設けない考え方である。これにより、あるクライアントの課題に対して、世界各地のオフィスが持つ専門知識や人材を即座に結集することが可能となる。グローバルで蓄積した知見を、担当クライアントの課題に応じて横断的に活用できる点が、この運営モデルの核心にある。
サービス領域の広がり
創業以来、経営戦略・組織変革を主軸としてきたマッキンゼーは、近年そのサービス領域を拡大している。デジタル・テクノロジー領域に特化した「マッキンゼー・デジタル」、データ分析・AIに特化した「QuantumBlack, AI by McKinsey」を通じて、企業のデジタル変革(DX)やAI活用の支援を体系的に手がけている。また、CEOなどトップマネジメントに対する変革支援を担う特別ユニット「RTS(企業変革・企業再生)」も展開しており、戦略策定にとどまらない実行支援の強化を進めている。
AI活用への取り組み
マッキンゼーは自社の業務変革においても生成AIを積極的に活用している。2023年に社内向け生成AIプラットフォーム「Lilli(リリ)」を全社展開した。Lilliは、同社が100年近くにわたり蓄積した10万件以上の文書やインタビューを含む知的資産を基盤としており、コンサルタントによる調査・分析・計画立案などの作業を支援する。同社公式サイトによれば、2023年の導入以降、全従業員の72%が利用するまでに定着しており、情報収集・統合に要する時間を30%削減したとしている(2026年6月時点の公開情報)。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの特徴と戦略
コンサルティング業界で常時人気のトップ企業
コンサルティング業界の巨人
世界65カ国以上に約130ものオフィスを構える一大外資系経営コンサルティングファーム、それがマッキンゼー・アンド・カンパニー(以下、マッキンゼー)だ(2022年現在)。世界トップの社員数を誇り、業界内で強い存在感を放つ。日本支社は1971年に設立されており、2021年で50周年を迎えた。グローバルレベルの専門知識とローカルレベルの深い知見を組み合わせ、〝グローカル〟を意識したコンサルティングを実践している。
現在、各分野のトップ企業の支援をはじめ、直近ではコロナ関連における官民の取り組みやNPO法人スペシャルオリンピックス日本のサポートなど、幅広い展開を見せている。
2018年には大阪市内に日本支社関西オフィスを開設。グローバル経営の観点から日本を最重要地域の1つと位置づけ、活動を強化している。関西以西の西日本全域を活動領域として、関西経済・関西企業の発展に貢献することを狙う。
同社の強みは、巨大なグローバル体制だ。世界中にある各オフィスの間に緊密な連携が実現されており、膨大な情報を迅速に共有するシステムなどが充実している。いかなるプロジェクトにおいてもグローバルな知見・人材を最大限に活かせる。
さらに、当社には、コミュニケーション及びビジュアルデザインのプロフェッショナルエキスパートチームや、McKinsey Global Instituteと呼ばれる専門の研究機関などが存在し、高品質なコンサルティングに大きく貢献している。
また、同社は人材輩出企業としてもその名を高く知られている。実際に、政財界の著名人を多数輩出しており、国内外多くの有名企業や組織のトップにマッキンゼーの卒業生たちが名を連ねている。
クライアントにとっての真のパートナーとして、採るべき戦略を提案
マッキンゼーが扱う案件の多くは、クライアントのトップに直接アクセスするプロジェクトであり、全社的な経営戦略などを支援している。同社のクライアントは上場企業から政府機関まで多岐にわたり、いずれもがトップレベルの企業・組織だ。また、近年ではマッキンゼーサステナビリティという新プラットフォームも立ち上げ、エネルギー・資源・農業・気候・ESGなどさまざまな方面において社会的価値の創出に取り組んでいる。
同社の実績事例として、海外製薬会社による日本市場への新医薬品投入に関するマーケティング戦略がある。
世界トップクラスの大手製薬会社が、日本での共同販促とライセンス提供を行うため、提携企業の選択をマッキンゼーに依頼。マッキンゼーチームは、クライアントに対するインタビューやクライアントがもつ大量のデータを活用することで、売上予測を精緻化し、提携候補となる各社の能力・適性を評価した。
この結果、マッキンゼーはクライアントに、「ライセンス提供はせず、自社のみで販売する」という想定外の提案を行った。クライアントの製品は多大な潜在力を有するとして、製品を自社のみで販売するほうが、共同販促やライセンス提供よりもメリットがあると結論づけた。クライアントはこの提案を採用。発売された製品は、当初の最大予測すら大幅に上回る販売ペースを記録するなど、大きな成功を収めた。
現状に満足せず、M&Aによる事業展開を加速
2015年は、マッキンゼーによるM&Aが加速した。この1年間だけで、米国のデザイン・コンサルティング会社のルナー、ロンドンに拠点を置くデータ技術コンサルティング会社のクァンタムブラック、航空宇宙および軍事分析企業のヴィジュアルDoD、小売分析企業の4トゥリーといった4社を買収している。
2019年10月には、買収したクァンタムブラック社と共同で「IoT Center Japan」を開設。クァンタムブラック社が強みとするデータ分析と、戦略立案や組織変革といったマッキンゼーの知見を合わせて、顧客企業を支援している。「IoT Center Japan」は顧客企業の経営者がデジタル変革を体感できる場とする方針で、先端技術を活用したソリューションの展示やデモの他、トレーニング機会も提供されている。未来の戦略コンサルのあり方を常に模索し、M&Aを通して新たな提供価値を創造しているのだ。
トップランクのコンサルティングファームで働くとは
マッキンゼーで働くコンサルタントは、企業や地域社会に対して価値ある変化をもたらすことのできる人材だ。課題設定力や問題解決力をもち、チームワークやリーダーシップを発揮することが求められる。
同社には〝Make Your Own McKinsey〟という社内で共有する言葉がある。同社社員のキャリアは、誰かに指示されて形成されるものではなく、自ら設計し組み立てていくものであるという思想だ。そのため、コンサルタントは入社当初から自分のキャリアパスを明確にイメージしているが、組織として1人ひとりのユニークなキャリアを支援する仕組みや風土もある。
クライアントへの価値提供とコンサルタントの育成はファームの持続的成長の両輪であり、パートナー陣をはじめ、周囲のコンサルタントの成長やキャリア形成に責任をもって取り組んでおり、人を何よりも大切にする顔が当社にはあるのだ。
さらに、同社ではインクルーシブな環境の醸成にコミットし、性別・国籍・バックグラウンドを問わず、すべての社員が能力を最大限に発展させ成長できる環境を整えている。柔軟な働き方、男女問わず取得可能な育児休暇制度、多様なバックグラウンドをもつリーダーの育成、アンコンシャスバイアス(無意識な偏見)を排除するためのトレーニングの実施など、さまざまな活動に取り組んでいる。
その他にも、海外のプロジェクトへの参加やトランスファーの機会が当たり前に存在し、世界中の多様な仲間たちと仕事ができる。グローバルに活躍したい優秀な人材には最高のステージとなるだろう。

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代表者岩谷 直幸
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設立1926年(グローバル)
1971年(日本オフィス開設) -
従業員数44,969名(2026年3月時点)※グローバル
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所在地東京都港区六本木1-9-10
アークヒルズ仙石山森タワー -
拠点数65カ国以上・130都市を超える拠点(2026年6月時点の公開情報)※グローバル
News & Topics
マッキンゼー・アンド・カンパニーの理念
以下にマッキンゼーの企業理念を引く。
パーパス
To help create positive, enduring change in the world.
世界に創造的かつ持続的な変化を生み出す後押しをする。ミッション
To help our clients make distinctive, lasting, and substantial improvements in their performance and to build a great firm that attracts, develops, excites, and retains exceptional people.
際立って大きな継続的成長を実現できるようクライアントを支援する。同時に、卓越した人材を惹きつけ、成長させ、刺激し、彼らが長く留まりたくなるような最高の組織を創造する。バリュー
Adhere to the highest professional standards
プロフェッショナルとしての最高水準にこだわりぬく
- put client interests ahead of our firm’s
クライアントの利益をファームの利益より優先する- maintain high standards and conditions for client service
クライアントに常に最高水準の支援を提供する- observe high ethical standards
高い倫理規範を遵守する- preserve client confidences
クライアントの機密を厳守する- maintain an independent perspective
独立した視点を保持する- manage client and firm resources cost-effectively
クライアント及びファームのリソース活用に際し、費用対効果を最大化するImprove our clients’ performance significantly
クライアントの経済的成長を最大化する
- follow the top-management approach
常にトップマネジメントの視点で物事を捉える- pursue holistic impact
一面的ではなく、全体的なインパクトを追求する- use our global network to deliver the best of our firm to all clients
グローバルな知見を集約し、すべてのクライアントに最高水準の支援を提供する- bring innovations in management practice to clients
クライアントの経営に革新をもたらす- build client capabilities to sustain improvement
持続的な向上を実現するため、クライアントのケイパビリティを開発する- build enduring relationships based on trust
信頼に根差し、永続する関係を築くCreate an unrivaled environment for exceptional people
卓越した人材にとって比類なき環境を創造する
- be nonhierarchical and inclusive
序列がなく、メンバー誰もに開かれた環境を作る- sustain a caring meritocracy
互いへの思いやりと実力主義の両立する環境を維持する- develop one another through apprenticeship and mentoring
スキルの伝承とメンターシップを通じて互いに成長する- uphold the obligations to engage and dissent
能動的参加と異見表明に対する義務を支持する- embrace diverse perspectives with curiosity and respect
好奇心と敬意を持って多様な意見を受け入れる- govern ourselves as a “one firm” partnership
「ワン・ファーム」の一員として経営を行うマッキンゼー公式サイトより引用
マッキンゼー・アンド・カンパニーの沿革
マッキンゼーは、1926年にシカゴ大学教授のジェームズ・O・マッキンゼーによって設立された。「一流の人材を通じて、一流の企業を、より一流にしていく」という理念のもと、創業当初から経営層に直接向き合うコンサルティングスタイルを確立した。1933年に参画したマービン・バウアーが、事実に立脚した分析的アプローチを体系化し、コンサルティングという職能の礎を築いた。こうした創業者たちの思想は、現在もファームのバリューの根幹として継承されている。
- 1926年
- シカゴ大学の教授であるジェームズ・マッキンゼーがコンサルティングファームを設立。
- 1933年
- マービン・バウアーがマッキンゼーに参画。
“Fact-base(事実に立脚する)”、 “Analytical approach(分析的アプローチ)”というコンセプト、科学的かつ論理的な問題解決のフレームワークを、経営コンサルティングの世界で初めて確立。 - 1939年
- 組織が分裂し、マッキンゼーは「マッキンゼー・アンド・カンパニー」として存続(シカゴ側は「マッキンゼー・A.T. カーニー・アンド・カンパニー〔のちのA.T. カーニー〕」を設立)。
- 1959年
- ロンドンに初の海外オフィスを開設。
この後、1970年ころまでグローバル展開を加速。ヨーロッパ各国、カナダ、オーストラリアなどにオフィスを開設。 - 1971年
- 日本支社(東京オフィス)を開設。
- 1990年
- マッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)を設立。
- ~2000年
- 1999年までに世界20数カ国にオフィスを展開。5,000人を超えるコンサルタントを擁するファームに成長。
- 2015年
- マッキンゼー・デジタルを創設。
- QuantumBlackを買収(AIおよびデータ分析強化)。
- 2018年
- 新たに日本支社(関西オフィス)を開設。
- 2019年
- QuantumBlack 東京オフィスを開設。
- 2023年
- 生成AI、”Lilli”を導入。提案書の作成等で活用。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのサービス
インダストリー
- 先端エレクトロニクス・半導体
- 自動車・産業機械
- 化学・農業
- 消費財
- 電力・ガス
- エンジニアリング・建設・建材
- 金融サービス
- ヘルスケアシステム・サービス
- ライフサイエンス
- 金属・鉱業
- 石油・ガス
- 紙・板紙製品・包装材
- プライベートエクイティ・プリンシパルインベスター
- パブリックセクター
- 小売
- テクノロジー・メディア・通信
- トラベル・運輸・インフラ
ファンクション
- デジタル
- グロースマーケティングアンドセールス
- Leap by McKinsey (新規事業立案)
- オペレーション
- 人材・組織・パフォーマンス
- 戦略・コーポレートファイナンス
- サステナビリティ
- 企業変革
マッキンゼー・アンド・カンパニーの求める人物像
マッキンゼーでは、最善の解決策を見つける決意を持ち、個性的かつ意欲的で好奇心旺盛な人材を求めている。特定の専門分野や業界を問わず、多様なバックグラウンドを持つ人材を広く歓迎する方針を掲げており、異なる視点を持つ人材が集まることで、クライアントにとってより独自性の高い解決策を届けられると考えている。
面接では、主に以下の6つの要素を軸に候補者の資質を評価する。
- Connection
他者との信頼関係を築き、多様な立場の人と実質的な対話ができる力 - Drive
困難な課題にも粘り強く取り組み、高い成果へのこだわりを持てる姿勢 - Leadership
自ら主体的に動き、チームや周囲を目標に向けて導く意欲と実行力 - Growth
フィードバックを真摯に受け止め、自己の成長に継続的に取り組む姿勢 - Problem Solving
論理的かつ創造的に複雑な問いに向き合い、インパクトのある解を導き出す能力 - Expertise
役割によっては、特定の専門領域における深い知識や経験
同社は、コンサルタントのキャリアは誰かに指示されて形成されるものではなく、自ら設計し組み立てていくものだという考えを持つ。プロジェクトへの配属も辞令によるものではなく、一人ひとりが目標を自ら立て、その道筋を主体的に描いていく。こうした姿勢——社内では “My Own McKinsey” という言葉で表現される——を体現できる人材が求められている。
マッキンゼー・アンド・カンパニーでのキャリアパス
マッキンゼーのキャリアパスは、年次によらず成果に基づいて評価・昇進が決まる成果主義(Meritocracy)を原則とする。所属部門や部署はなく、辞令による配属・転勤命令もないため、一人ひとりが自らの目標を定め、キャリアを主体的に設計していく。同社ではこの姿勢を「Author your own Journey」という言葉で表している。
入社時の職位は経歴によって異なる。国内の学部・大学院を卒業した新卒採用はビジネスアナリストとして入社し、海外MBAを取得した方の多くはアソシエイトとして入社する。
ビジネスアナリスト
プロジェクトにおける個別領域を担当し、情報収集・分析のリードから、クライアントとの協働を通じた提案の構築、トップマネジメントへのプレゼンテーションまで幅広く携わる。
ビジネスアナリストとして経験を積んだ後のキャリアは多様で、社内でアソシエイトやマネージャーへとステップアップする道のほか、MBAを取得して戻るルート、社外でマネジメント経験を積む選択もある。また、海外オフィスへの異動を希望し、グローバルな環境で活躍するコンサルタントも多い。
アソシエイト
プロジェクトチームに参加し、特定の業務領域をリードしながらクライアントが直面する複雑な経営課題に対応する。課題の把握、データ分析、仮説立案と検証、クライアント社内外の関係者へのインタビュー、海外情報の収集・分析、最終提案の構成など、幅広い役割を担う。チーム内外との協働を通じて、問題解決を実行可能な提案へと落とし込み、持続的な変革を促進する。
キャリアパスは1つではなく、自身の関心領域や目標によって多様な道が開かれている。大学院やこれまでのキャリアで培った専門知識を深める方向もあれば、新たな分野でスキルを広げることも可能で、どの道を選んでも成長に向けた挑戦は続く。
マッキンゼー・アンド・カンパニーのトレーニング
マッキンゼーでは、社員の能力開発を支援するため、トレーニングへの積極的な投資を行っている。プログラムの内容は、eラーニングといった自学自習の形式から、オフィスやプラクティス単位でのグループセッション、グローバル規模の公式トレーニングカリキュラムまで多岐にわたる。
研修プログラム
入社後はまず、コンサルタントとしての基礎を体系的に身につける集中研修プログラム「Embark」からスタートする。その後も、技術・業界・機能分野といったテーマ別の専門的な学習が継続して提供されており、対面・オンラインを組み合わせながら、世界中の同僚とともに学ぶ機会が設けられている。
語学研修・MBA留学支援
内定後には英語力の判定テストを受けることが求められ、その結果をもとに入社前の英語学習に関するアドバイスが提供される。入社後も、希望する社員は定期的な英語研修を受けることができる。
また、ビジネスアナリストを対象とした海外MBA留学支援も同社の特徴のひとつである。この支援制度には定員は設けられておらず、希望する社員が対象となる。
コーチング・メンターシップ
マッキンゼーでは、コーチングとメンターシップも育成における重要な柱と位置づけている。同僚からの継続的なフィードバックやパートナーからのアドバイスを通じ、個々人の成長と能力開発を継続的に支えている。また、チームの一員として協働する中で、信頼・責任・コミュニケーション・リーダーシップといった力を実務を通じて磨いていく環境が整えられている。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの社員の声
マッキンゼーは、頻繁なフィードバックを通じて成長を加速させる環境を整えている。また、多様なバックグラウンドを尊重し合い、働き方やライフスタイルを柔軟に調整できる文化が浸透している。こうした個人の成長と働きやすさを両立するマッキンゼーの特徴について述べた社員の声を以下に引用する。
マッキンゼーの大きな特徴として、頻繁にフィードバックをする文化がありますが、自分の強みを磨いていくという意味でも非常に良い環境だと思います。上司や先輩だけでなく、様々な角度からアドバイスをもらうことで、自身で気付く機会も多くなりますし、成長のサイクルが加速すると実感しています。
また、社内には多様な強みを持った個性的な人がたくさんいます。それがチームを強くし、ひいてはファーム全体を強くし、最終的にクライアントへの最良のインパクトにつながっていると思います。
マッキンゼーではプロジェクト・チームを組む場合、自分の働き方やライフスタイルの希望を共有し、サポートし合う文化が定着しています。初めて一緒に働く人や、他国のオフィス出身の人とタッグを組むことも多く、お互いが心地よく働くためにはオープンさと柔軟性が必要になるからです。私の場合も復職するとき「何時から何時までチームやクライアントと一緒に過ごせるか」「何時以降はメール・電話で対応が可能か」などを丁寧に確認し合うことができました。
今、採用活動の場などにおいて「子育てをしながらコンサルタントの仕事を続けることは可能か」というお声や「小さな子どもがいると毎日大変ではないか」という率直なご質問をいただくことがあります。
私はそんな時「コンサルタントとしての役割を果たしている限り、マッキンゼーは自由な場である」と伝えています。業務量を調整したり、次の昇進へのタイムラインを一時的に遅らせたり、子どもの休暇に合わせてまとめて数週間単位で休んだりすることも可能だからです。もちろん、性別も年次も関係ありません。
働きやすい職場を目指して世の中で様々な取り組みがされているなか、マッキンゼーは外からはドライな組織に見えるかもしれませんが、実はオープンさ・柔軟性の観点からとても魅力的な職場だと思います。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの社会貢献・ESG
マッキンゼーは、「Accelerating sustainable and inclusive growth」を掲げて社会貢献活動を継続してきた。活動の柱として、プロボノによる社会課題解決、DEI(多様性・公平性・包摂性)の推進、そして自社運営のネットゼロ達成に向けた環境への取り組みを据えている。
社会貢献・プロボノ活動
プロボノ(専門知識を活かした無償支援)は、マッキンゼーの社会貢献活動の中心的な柱の一つだ。2024年には世界中で320件の無償コンサルティングを実施し、社会課題の解決に取り組むさまざまな組織を支援した。
日本オフィスでは「私たちが生活する社会への支援」「個人が主体となった行動の勧奨」「組織としての取り組みの推進」という3つの柱のもと、日本独自の社会課題に対応した活動を展開している。プロボノ案件として、現在は「子供と教育」をテーマに2つの長期プロジェクトを支援している。一つは里親のなり手を増やすための啓発・施策提言(NPO法人家庭養育支援機構との連携を含む)、もう一つは公立教員を対象にした職能開発ワークショップの実施だ。
また、社員の社会貢献への参加を後押しする社内制度として、ボランティア休暇制度や社員の意思を反映した非営利団体への寄付も設けており、2022年は日本オフィスで8万米ドル以上の寄付が実施された。
環境への取り組み
マッキンゼーはSBTi(Science Based Targets initiative)の検証を受けた温室効果ガス削減目標を設定しており、段階的な排出削減とネットゼロの実現に向けた取り組みを進めている。2025年近期目標として、2019年比でScope 1・2排出量を25%、Scope 3(出張ベース)排出量を一人当たり35%削減することを掲げている。さらに2030年目標ではScope 1・2を64.5%削減、2050年にはScope 1・2を90%・Scope 3を97%削減してネットゼロを達成することを目指している。
2024年時点の実績として、Scope 1・2は2019年比62%削減、Scope 3(出張)も一人当たり50%削減を達成しており、2025年目標を大幅に前倒しで達成している。2023年以降は使用電力の100%を再生可能エネルギーで賄っている。削減だけでなく、残余排出への対応として国際基準を満たすカーボンクレジットを購入し、2030年までに炭素除去(カーボンリムーバル)100%への移行を目指している。
DEIへの取り組み
マッキンゼーでは、創業当初からダイバーシティ(多様性)を重視した「多様な実力主義」を組織の根幹に置いてきた。LGBTQ+の同僚とアライ(支持者)によるネットワーク「Equal at McKinsey」は1995年に北米で発足し、現在はすべての地域のオフィスに広がっている。また、世界で初めて同性パートナーへの福利厚生を提供した企業の一つであり、パートナー採用や制度整備において長年にわたり先駆的な取り組みを行ってきた。
毎年4月には、いじめや差別に反対する「International Day of Pink」をファーム全体で実施し、インクルーシブな文化の啓発に取り組んでいる。日本においても「Work with Pride」など複数の職場平等指標で高い評価を受けている。
2025年、多くの企業がDEI施策を縮小・撤廃に転じる中、グローバルマネージングパートナーのBob Sternfels氏は社内向けメモで「多様性を重視し続ける」方針を明確に示した。「多様な実力主義こそが私たちの独自性であり、創業以来100年にわたって私たちを定義してきたものだ」との姿勢は、現在も変わっていない。
※マッキンゼー・アンド・カンパニーの「Social Sector, Healthcare, and Public Sector Entities (SHaPE)」はこちらをご覧ください。
マッキンゼー・アンド・カンパニーについてのFAQ
マッキンゼーはどのような企業・組織を支援していますか?
マッキンゼーは、民間企業および政府機関・公共機関を幅広く支援しています。日本においては、上場企業をはじめ、非公開企業、政府機関にもコンサルティングサービスを提供しており、自動車、ハイテク、金融、医薬品といった産業を中心に、グローバル体制を反映したプロジェクトチームによって戦略立案やサプライチェーンマネジメントなどに幅広い知見を提供しています。国内上位30社の80%にあたる企業を支援しているとも公表しています。支援内容は全社戦略・事業部門戦略の策定、M&A、組織改革、デジタル変革(DX)、オペレーション改善など多岐にわたります。
マッキンゼーが近年注力しているコンサル領域は何ですか?
マッキンゼーが近年特に注力している領域は、デジタル変革(DX)とAI活用支援です。「マッキンゼー・デジタル」を通じてデジタルテクノロジーを活用した競争優位の構築を支援し、「QuantumBlack, AI by McKinsey」ではデータ分析・AI領域のコンサルティングを展開しています。また、CEOを含むトップマネジメント層への支援として「CEOエクセレンス」プログラムを設けているほか、大規模な企業変革・事業再生を一気通貫で支援する特別ユニット「RTS(企業変革・企業再生)」も展開しています。戦略策定にとどまらず、実行支援まで伴走する体制の整備が近年の特徴といえます。
マッキンゼーの社内AIツール「Lilli」はどのようなものですか?
「Lilli(リリ)」は、マッキンゼーが2023年に全社展開した社内向け生成AIプラットフォームです。同社が100年近くにわたり蓄積してきた10万件以上の文書・インタビューを含む知的資産を基盤としており、コンサルタントが調査・分析・計画立案などの業務においてAIの支援を受けられる仕組みです。Lilliの導入以降、全従業員の72%が利用しており、情報収集・統合に要する時間を30%削減したとするデータも公式サイトに掲載されています(2026年6月時点の公開情報)。また、Lilliの開発で得たノウハウをクライアント企業向けにも展開しており、各社の業務や業界に合わせた形でのAI活用支援にも活用されています。
マッキンゼーの日本における活動の特徴は何ですか?
マッキンゼーの日本オフィスは1971年に開設され、アジアにおける最初の拠点として50年以上の活動実績を持ちます。現在は東京・関西(大阪)の2拠点体制で、日本企業および日本に拠点を置く多国籍企業に対してサービスを提供しています。関西オフィスは2018年3月に開設され、京阪神を中心とする西日本地域の企業・行政機関への支援を担っています。日本代表はシニアパートナーの岩谷直幸氏が務めており、経営改革やオペレーション改善を中心に日本企業の変革を支援しています。また、グローバルの視点から日本を重要地域の一つと位置づけ、製造業・エレクトロニクス・ヘルスケアなど日本の産業特性を踏まえた支援を強化しています。
マッキンゼー出身者はその後どのようなキャリアを歩んでいますか?
マッキンゼーを退職した後も、起業家・経営者として多様なキャリアを歩む人材が多く見られます。日本では、大前研一氏がマッキンゼー日本支社長などを歴任した後に1998年に経営教育機関「ビジネス・ブレークスルー」を設立した事例や、南場智子氏がマッキンゼーを退社後の1999年にディー・エヌ・エー(DeNA)を創業した事例が代表的です。こうした起業・経営者への転身にとどまらず、大手事業会社のCxO、政策機関・学術機関への転出など、幅広い分野での活躍が見られます。マッキンゼーのグローバルなアルムナイ(卒業生)ネットワークは140カ国近くに及ぶ50,000人以上で構成されており、退職後も長期的なつながりを持てる環境が整っています。
マッキンゼー・アンド・カンパニーの関連書籍
マッキンゼーへの転職を志す方へ、同社および業界への理解を深めるうえで参考となる書籍をご紹介します。
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マッキンゼー リーダーの教室 -
マッキンゼー エネルギー競争戦略 -
マッキンゼー 価値を創るM&A -
マッキンゼー REWIRED デジタルとAI時代を勝ち抜く企業変革の実践書 -
マッキンゼー 未来をつくる経営 日本企業の底力を引き出す -
マッキンゼー CEOエクセレンス 一流経営者の要件 -
マッキンゼー 勝ち続ける組織の10の法則 -
マッキンゼー 新規事業成功の原則 Leap for growth -
マッキンゼー ネクスト・ノーマル アフターコロナの勝者の条件 -
マッキンゼーが解き明かす 生き残るためのDX -
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 -
マッキンゼーが予測する未来 近未来のビジネスは、4つの力に支配されている -
採用基準 -
新版 問題解決プロフェッショナル 思考と技術 -
マッキンゼーをつくった男 マービン・バウワー -
新版 考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則 -
企業参謀 戦略的思考とは何か
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