先端・専門領域系コンサルへの転職[徹底解説]

先端・専門領域系コンサルティングファームとは?

先端・専門領域系コンサルティングファームとは、特定の業界や業務分野に高度な知見を蓄積し、その領域に特化したサービスを展開するプロフェッショナル集団です。

「特定の業界」の代表例として挙げられるのが製薬です。この業界では研究開発(R&D)投資が拡大を続けており、世界上位50社のR&D費は2022年に1,670億ドルに達し、10年間で約60%増加しました(国際製薬団体連合会の調査)。こうした投資拡大を背景に、R&D戦略や事業成長を支援できる高度な専門知識を備えたコンサルティングファームへの需要が高まっているのです。

先端・専門領域系ファームの対象領域は製薬・医療にとどまりません。エネルギー、ハイテク、農業といった産業分野に特化するファームに加え、リスクマネジメントやコスト削減支援などの機能別テーマに特化するファームも存在します。
さらに、知的資本経営やデジタルトランスフォーメーション(DX)といった先端課題を専門に扱うファームも登場しており、先端・専門領域系ファームは多様化と進化を続けながら存在感を高めています。

ただし、ビジネスが拡大する中、当初特化していた領域から事業領域を広げるケースもあり、中堅規模の戦略系コンサル、中堅規模の業務・IT系コンサルとして分類する方が適切な場合もあります。

先端・専門領域系コンサルティングファーム(例)

デジタルトランスフォーメーション(DX)コンサルティング

AI・先進技術の動向調査・分析、AI・先進技術に関するスタートアップとのアライアンス推進、新規事業戦略策定に関するコンサルティングなどを展開しています。


農業コンサルティング

農業分野へ参入を検討する大手企業の新事業創出支援、農業企業への経営コンサルティング、農業関連企業のデューデリジェンス等のプロジェクトを行なっています。


エネルギー業界コンサルティング

電力やガスなどのエネルギー業界向けの経営コンサルティング、エネルギー業界へ参入する大手企業の新規事業立ち上げなどを支援しています。


製造業コンサルティング

精密機器や機械などを扱うメーカーを支援するコンサルティングファーム。多数のエンジニア出身者を擁し、設計・開発のプロセス改善や海外展開プロジェクトなど、製造業が抱える課題を幅広く解決します。

先端・専門領域系コンサルに求められる人材要件

先端・専門領域系コンサルティングファームの選考は、一般的に、専門領域に近い職務経験やアカデミックバックグラウンドが重視される傾向があります。
例えば、製造業コンサルティングファームでは、エンジニア、製造業出身者、理系出身者が好まれ、製薬・医療機器業界コンサルティングファームでは、製薬業界出身者や薬学部出身者が好まれます。
また、他のコンサルティングファームの出身者については、専門領域が異なっていても、積極的に採用される傾向があります。

ただし、コンサルティングファームによって採用要件は大きく異なります。
出身業界を問わず、20代~30代の有名大学出身者を中心に、ポテンシャル採用を行なっているケースも見受けられます。
そのため、応募にあたっては、各社ごとの人材要件の詳細を確認することが大切です。

先端・専門領域系コンサルの選考プロセス

先端・専門領域系コンサルの選考プロセス1:書類選考

履歴書および職務経歴書によって選考が行われています。志望動機書が求められることも多いのも特徴です。
各ファームがユニークなサービスを展開しているため、その仕事内容をよく理解した上で、書類を作成する必要があります。


先端・専門領域系コンサルの選考プロセス2:筆記試験

先端領域・専門領域コンサルティングファームの選考では、筆記試験はあまり行われません。但し、一部のファームでは、論理的思考能力を測る筆記試験を課しています。


先端・専門領域系コンサルの選考プロセス3:面接

通常、3〜4名程度の面接官と1対1の面接が行われます。ケースインタビューを課すファームも一部見られます。また、特定領域で専門性を高めていくことになるため、他のコンサルティングファーム以上に「仕事内容への熱意」が求められる傾向があります。各ファームがユニークな事業展開をしているため、それをよく理解した上で志望理由を話せるように準備しておくことも大切です。

先端・専門領域系コンサル出身者のネクストキャリア

先端・専門領域系コンサルティングファーム出身者のネクストキャリアでは、他のコンサルティングファームへの転職や、専門性を活かした事業会社への転職などが見られます。

総合系コンサルティングファームやシンクタンク系コンサルティングファームでは、製造業特化の部門やエネルギー業界特化の部門などがあり、専門性を活かして該当部門に転職するケースが多く見られます。
また、コンサルティング経験が評価されるため、他領域のコンサルティングファームへの転職も可能です。年齢が若ければ、戦略系、業務・IT系、財務系、シンクタンク系など、実に幅広いオプションがあります。

事業会社への転職では、専門とする業界への転職や、外資系事業会社、大手日系事業会社内の専門部署への転職が主流となります。
具体的には、エネルギー業界コンサルからエネルギーベンチャーの経営幹部への転職、リスクマネジメントコンサルから外資系事業会社のリスクマネジメント部門への転職といった例が見られます。

代表的な先端・専門領域系コンサルティングファーム

先端・専門領域系への転職支援実績Track Record

  • 35歳 (男性) 東大卒

    戦略系ファーム

    マネージャー

    1700万円

    製造業特化型ファーム

    ディレクター

    2000万円
  • 28歳 (女性) 京大卒

    大手メーカー

    研究開発部門

    600万円

    事業創出系ファーム

    コンサルタント

    800万円
  • 32歳 (男性) 有名私大卒

    大手日系SIer

    システムエンジニア

    700万円

    事業創出系ファーム

    シニアコンサルタント

    900万円
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