キャリアの上昇気流

「キャリアの上昇気流」とは、努力と成果によって、若手のうちからポジション・収入・裁量を早期に高めていく良循環に乗ることを指す。航空機が上昇気流に乗るとエネルギーを抑えて高度を上げられるように、キャリアにおいても若手の間に正しい努力を集中させてスキルと実績を築くことで、その後はより少ない負荷で大きな成果を得られるようになる。
「キャリアの上昇気流」という考え方はコンコードエグゼクティブグループが提唱するキャリア設計におけるコンセプトのひとつであり、長期的なキャリア形成に不可欠な視点である。

増加するワークライフバランス志向

近年、若手ビジネスパーソンの間では「ワークライフバランスを重視したい」という志向が強まっている。長時間労働を避け、家庭生活や余暇を優先した働き方を望む声は年々増加している。

働き方のスタイルは体力や家庭環境によって異なり、出産・育児・介護といったライフイベントに直面すれば、誰しも一定のバランスを取らざるを得ない。そのため、ワークライフバランスを志向する人々を支援する制度や仕組みも整いつつある。

しかしながら、若手の時期に長期的な展望を持たずに「負荷の少ない働き方」を選んでしまうと、スキルや経験の蓄積が進まず、将来のキャリアアップの可能性が閉ざされるリスクにつながりかねない。

上昇気流に乗る「ハードワーク派」のキャリア

若い頃に努力を重ねた場合とそうでなかった場合で、どのような違いが生じるのだろうか。ここではモデルケースとして、「ハードワーク派」のAさんと「ワークライフバランス派」のBさんの軌跡を比べてみる。

20代のAさんは、上司の仕事に積極的に同行し、知識を広げる機会を逃さなかった。遅れは深夜残業や休日出勤で補い、地道にスキルを磨いた。20代のうちは、隣の席で早く帰宅するBさんと比べても年収に差はなく、むしろ残業手当のない働き方は報われないように見えた。
しかしAさんは30歳になる頃、積み重ねたスキルが評価され、マネージャーとして抜擢される。30代後半には役員候補に名前が挙がり、年収は20代の3~4倍に伸びる。40代に入ると、年収2,000万円を超えるポジションのオファーも届くようになり、まさに「キャリアの上昇気流」に乗った。

一方、20代をプライベート優先で過ごしたBさんは、30代後半になっても昇進や転職のチャンスが限られた。年収は停滞し、社内評価も高まらない。リストラを恐れつつ65歳まで働き続ける必要があり、場合によっては70代でも働かざるを得ない可能性もある。
結果として、生涯労働時間はAさんより長くなり、ワークライフバランスもかえって損なわれるという逆転現象が生じてしまった。

キャリアの上昇志向

エグゼクティブは、キャリアの上昇気流を活用してきている

実際に、外資系企業のエグゼクティブや起業家として活躍している人のほとんどが共通してAさんのルートをたどっている。現在、高い地位に就いているエグゼクティブの方々も、体力の限界までがんばって働いたのは20代から30代半ばくらいまでなのだ。
人生は、がんばるべき時にがんばっておくと効率がいいものであり、仕事も若い頃にがんばり、一気に「キャリアの上昇気流」に乗ってしまうことが大切なのである。

また、現代は会社の雇用が不安定になっている時代なので、人材市場からしっかり評価される人材となることが必須となっている。その観点からも、若いうちに一生懸命に仕事に打ち込み、しっかりスキルを身につけて、企業から必要とされる人材になっておくことが必要不可欠だ。

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