RBが最新スタディ「電動化が広がる自動車業界」を発表
2023年2月、ローランド・ベルガーは最新スタディ「電動化が広がる自動車業界~EV Charging Index Edition 3~」を発表した。これはEV及び充電インフラについてグローバル共通指標で行う定点観測の第三弾であり、今回は世界30か国を対象にEV並びに充電インフラに関するグローバルスタディを行った。
まず、EV販売・普及の動向についてだが、乗用車については欧州で販売台数が伸び悩むも他地域では概ね増加している。特に、東南アジアでは台数規模は小さいが成長率は急伸した。EV非保有者においてもEV購入意向が高く、かつ中国EVブランドへの受容性が高い為、注目すべき市場となる。商用車においてはEV浸透率で韓国が上位に台頭した。ラストワンマイルに利用される小型商用車から浸透が進む傾向がみられた。
次に、充電インフラに係る各国の動向についてだ。各国とも充電インフラの数は増加しているが、パブリック充電の数は不足しており、ユーザーの不満解消に向けては更なる整備が必要だ。
最後に各国消費者のEVに係る期待や懸念について考察する。EV保有意向は国により大きく異なり、日本は調査対象となった30か国の中で最も保有意向が低い。また、すべての国でEVへの懸念の上位に充電インフラが挙げられており、EVと充電インフラの両輪での対応が求められる。
このように各国で状況は大きく異なる。その中で、日本市場は比較的保守的な傾向を示した。海外の各国市場と向き合うにあたり、日系プレーヤーは日本国内とは異なる市場環境や消費者志向を前提に取り組むことが求められる。