EY、世界のライフサイエンス業界のM&A投資額に関するレポートを発表
EYは、「2024年度版EY M&A Firepowerレポート」を発表した。レポートでは、ライフサイエンス企業によるM&Aが増加傾向にあると示された。
レポートはM&Aが増加した3つの背景を述べている。第一には売上向上への圧力、第二にはパテントクリフ(医薬品の特許切れによる売上減少)が挙げられた。第三は将来に向けた新たな収益成長のため適切なディールが急がれている点とされている。
2023年のM&A傾向として、多国籍製薬企業のM&Aへの関与の増加が着目された。ライフサイエンス業界のM&A投資総額のうち69%が多国籍製薬企業によるものであり、前年の38%から飛躍的に増加した。レポートは、このような傾向は2024年にも継続すると見込んでいる。
ライフサイエンス業界におけるM&Aではがん治療分野が取引額及び件数の両方で最も多くなっている。加えて、近年は法規制の変化に伴い希少疫病用医薬品もM&Aの対象となっている。
レポートによれば、ライフサイエンス企業が共通して直面する課題は、現段階での適切なM&Aの実行であるとされている。そのためには、適切な人材・プロセス・ガバナンスを確保する必要があると述べられている。