A.T. カーニー、 2023年 海外直接投資信頼度指数調査結果を発表
経営コンサルティング会社A.T.カーニーは、2023年海外直接投資信頼度数(The 2023 Kearney Foreign Direct Investment Confidence Index)(以下、FDICI)調査結果を公表し、投資先として魅力のある上位25か国を発表した。今年も米国が首位の座を維持し、カナダが2位、日本が3位となった。
FDICIの実施は今年で25年目となり、将来の海外直接投資(FDI)における投資家心理をまとめたものである。今回の結果は世界経済に対する投資家の慎重な楽観感を反映している。82%の回答者が今後3年間でFDIの増加計画があると述べており、86%は今後3年間で企業の収益性と競争力によりFDIがより重要だと述べている。しかし、このポジティブな心理は下振れするリスクに対する懸念により抑圧されている。
ここでは上位5か国を挙げる。
1. 米国
2. カナダ
3. 日本
4. ドイツ
5. 英国
米国は11年連続で首位となり、昨年3位のカナダは2位に浮上、日本は4位から3位へと浮上した。昨年2位だったドイツは4位となった。これは東ヨーロッパの地政学的危機により経済とエネルギーの問題に直面した結果と考えられる。トップ10内では、中国が昨年10位から7位に急上昇し、これは2022年第4四半期に北京がゼロコロナ政策を撤回したことによると予想されている。今回の調査においても先進国市場に対する投資家の選好が示されており、指数の25か国中19か国を占めた。
今回の調査により、ビジネスリーダーらはグローバル化が海外直接投資の牽引力であり、今後もそうあり続けると考えていることも明らかになった。回答者の66%は今後3年間でグローバル化が進むと考えているのに対し、低下すると予想するのはわずか23%だった。グローバル化の拡大を予想する人々は主な推進力として、拡大する貿易機会と制限された貿易障壁に加え、コネクテッドされたデジタル・インフラストラクチャーの組み合わせを挙げている。