PwC JapanがESG情報開示プロセスの成熟度診断ツール「ESG Pulse」を提供開始
PwC Japanは2022年11月、ESG情報開示プロセスの成熟度診断ツール「ESG Pulse」の提供を開始したことを発表した。「ESG Pulse」はPwCがグローバルで開発した。「温室効果ガスの排出」「従業員のダイバーシティ&インクルージョン」「従業員の健康と安全」「データセキュリティ」など、ESG情報に関する各種フレームワークの指示指標に照らし、企業の現状と開示プロセスで改善が必要な点をダッシュボードの形で把握することが可能となる。また、海外のサステナビリティ先進企業を含むベンチマークとの比較もできる。
PwC Japanグループは規制、財務、ESG情報レポートプラットフォームのプロバイダーであるWorkiva社とアライアンスを締結しており、企業が「ESG Pulse」での診断結果を活用しWorkiva Reporting Platform内でESG情報開示作成プロセスの整備、ESG情報開示作成における内部統制の構築、ESG情報開示要件の一元管理を実行できるよう支援する。
現在、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)、米国証券取引所(SEC)、欧州財務報告諮問グループ(EFRAG)において気候変動関連の開示等、サステナビリティ情報開示の規則または基準に関する市中会議が国際的に進められている。ISSBのIFRSサステナビリティ開示基準は2023年の早い時期の公表が想定されており、国内ではサステナビリティ基準委員会(SSBI)において具体的な開示内容の検討が進む予定だ。さらに、金融庁による企業会計審議会内部統制部会が開催されており、企業の内部統制に対する注目も高まっている。
このような状況を受け、企業はESG情報開示の関しても内部統制構築を図り、信頼性確保が求められている状況だ。ESG情報を財務情報と同時期に公表するよう提案されていることから、効果的な開示プロセス構築も必要となり、今回のツールはその支援に大きく貢献することが予想されている。