コーン・フェリー、日本企業の報酬政策や在宅勤務の取り組みについての実態調査実施
コーン・フェリーは、日本企業における報酬制度や在宅勤務の取り組み実態調査を実施した。この調査は2022年10月にオンラインアンケート形式で世界各国の人事・報酬担当者を対象に実施したもので、日本からの回答113件を集計したものである。
まず、インフレが報酬政策に与える影響についてだが、2022年の昇給にインフレの影響を加味した会社は11%、検討中の会社は18%であった。約7割の会社が昇給対象について全従業員を対象とし、差別化は行っていない。インフレによる従業員の生活費上昇に対応する追加措置を実施した企業は9%で、その内容は生活支援金やインフレ対応一時金の支払いであった。
次に経済情勢の影響についてだ。既に経済情勢の影響が表れ始めているという回答は34%、経済状況の悪化に備えているという回答は31%であった。報酬予算を削減済み、または削減予定とする企業は20%。雇用削減については86%が予定なしと回答するが、採用計画については41%が既に見直しを行っている。採用の減速、凍結または優先度の高いポジションに限定するなど、人員の増大については慎重な企業が多い。
労働市場での課題についての回答は以下のようだ。米国・英国などで離職率が10%を超えている現状と比較すると日本は低いが、人材つなぎための処置を行っている企業が28%。具体的にはハイポテンシャル人材の育成プログラムの実施やリテンションを目的とした一時金支給などが行われている。
日本では半数以上の会社が従業員にオフィス・職場に戻るよう求めている。すべての従業員に出社を求める企業は47%、一部職務の従業員にのみ出社を求める企業は8%である。76%の企業において、現在の出社方針が従業員に全体的に受け入れられている。このうち、71%の企業が最低でも週に3回以上オフィスに出社することを要求しており、24%がフルタイムでの出社を要求している。
2023年度の昇給については、現在のインフレの状況を考慮しているとした企業は18%にとどまったが、回答企業の昇給率予算中位は2.5%となり、2022年度実績よりも0.5%上回る結果となった。