EYが最新M&A関連レポート「The CEO Outlook Pulse January 2023」を発表
EYは2023年3月、最新のM&A関連レポート「The CEO Outlook Pulse January 2023」を発表した。このレポートではグローバルに活躍するCEO1200人(日本人70人)の回答を分析し、今後の見通し、課題、そしてビジネスチャンス等に関する意識を調査したものだ。これにより2023年のビジネス環境を定義すると考えられる不確実性が浮き彫りになった。
回答したCEOの98%が景気低迷に備えているが、その期間や深刻さに関する予測はそれぞれ異なる。世界全体のマクロ経済に関する回答では深刻さを中程度と考えるCEOは48%、重大な深刻さと考えるのは50%。日本では74%のCEOが自社の運営拠点における深刻な景気後退に備えていると回答している。期間については一時的との回答が41%、中長期的が33%と、多くのCEOがこれまでの経験から景気後退への予測が厳しい現状が明らかになった。自社の将来成長に対する最大のリスクとして挙げられたのは金融政策の方向性の不透明さ、投入価格の上昇(31%;日本36%)であった。また、日本を含むアジア・パシフィック地域のCEOがコロナ関係の不透明さを最大のリスクとしてとらえる割合は前回調査から大きく減少した。
CEOは経済の見通しの悪さに懸念を抱いているが、競争で優位に立つための機会を狙っている。89%のCEOにとっての最優先事項は今後1年間で何らかのディールを成立させることだ。CEOの46%はM&Aを、58%はジョイントベンチャー又は戦略的提携を、34%はダイベストメントを推進する計画だ。戦略およびサービス提携のコアとしてネットゼロや他の環境的・社会的優先事項を含むサステナビリティへの投資を増やすとしているCEOは39%に上る。さらに、36%のCEOが従業員のウェルビーイングやスキル開発を含む人材への投資を増加させる計画だ。フレキシブルな働き方が従業員の離職を減らし、新たな人材を惹き付けるために最も必要だと70%のCEOは考えている。