ポストコンサルの転職先として、熱視線を集める「総合商社」
ポストコンサルなどのプロフェッショナルが、今注目している転職先のひとつに「総合商社」があります。
ポストコンサルの転職先として、外資系事業会社が長く人気を博してきましたが、近年は、グローバル市場における中国の台頭などにより、日本オフィスの存在感が弱まりつつあります。
そのような中、有力な転職先として注目を集めているのが「総合商社」です。
かつて、総合商社では「新卒を採用して育成する」という典型的な日系大企業の文化が根強くありました。そのため中途採用枠が限られており、魅力的なポジションも乏しかったのが実情でした。
ところが、近年ではM&AやCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、DX推進などの実務の担い手として、外部から魅力的なポジションへプロフェッショナルを受け入れることが増えています。
中途入社の場合、培ったスキルを評価されて特定のポジションでのオファーとなることが多く、新卒での総合職入社のような「配属リスク」が起こりにくい点も見逃せないでしょう。
このようなポジションの魅力と高い年収によって、ポストコンサルに人気のキャリアとなりつつあります。
総合商社の魅力
新規ビジネスの創出
総合商社の主力となるビジネスのひとつに「事業投資」があります。
かつては、トレーディングをビジネスの主体としていた商社ですが、昨今は事業投資にも注力していることはよく知られているところです。
特に大手総合商社では、その保有する豊富な経営資源を基に投資を行い、利益(キャピタルゲイン)を得たり、ネットワークを活かして新規ビジネスを創出したりしています。
リスクを冒して起業をしなくても、大企業の安定した基盤の上で、しかも大きな規模で新しいビジネスを創ることができるのは、大企業ならではの魅力です。
社会的インパクトの大きな事業
総合商社の魅力のひとつに、日本を代表する大企業だからこそ実現できる"インパクトの大きさ"があります。大手総合商社の多くは、環境やエネルギー、インフラなど、社会的なインパクトの大きな事業への出資や経営も手掛けています。こうした事業に携わることができるのも総合商社の醍醐味です。
経営層を目指せる
大手総合商社は、多くの事業子会社を持っています。これらの事業子会社の経営層を育てることは、商社としても注力していることのひとつです。
一部の優秀な若手社員に対して「リーダーシッププログラム」を導入している企業もありますが、大手総合商社では、その対象が"一部"ではなく、多くの社員を経営層候補として育成しています。そのため、20代、30代と事業を回す経験を積み、40代、50代で子会社の経営層を目指すことが可能です。
一方で、外資系企業では、アジア・パシフィックやグローバルのトップを狙うのは容易ではなく、キャリアパスが日本オフィスのヘッドで頭打ちとなりがちです。
加えて、外資系企業ではグローバルの意向が重視されることもあり、日系企業の経営層を目指せる総合商社に魅力を感じるポストコンサルが増えています。
起業やベンチャー企業のように、20代、30代で経営層になるのは難しいかもしれませんが、「安定した会社の経営者」を目指したい方には打ってつけのキャリアなのです。
それでも総合商社は狭き門
以前に比べると中途採用の門戸を開いてきた総合商社ですが、先述の魅力などから非常に人気があります。実際の選考倍率は100倍~200倍とも言われており、戦略系ファームと同様に、狭き門であることには変わりはありません。
その狭き門をくぐり、内定を獲得するためには、しっかりとした準備、対策が不可欠です。
商社の求人では、募集の度に求人内容も変わりますので、自分の経験やスキルに会った求人が出ているか、しっかりとチェックすることも重要になってきます。
また、総合商社の中途採用で特に留意が必要なのは「募集時期」です。
大手総合商社では、通年採用を行っていないことも珍しくありません。中途採用であっても、新卒のように決まった時期に一斉に募集が行われるケースが多く、この場合、募集時期を逃すと、次回の募集開始まで待たなくてはなりませんし、選考対策もこの時期に照準を合わせて行わなくてはなりません。
書類選考~一次選考
大手総合商社の中途採用では、書類選考と一次選考(筆記試験)がまず非常に難関となります。
書類は、基本的に履歴書や職務経歴書など一般的なものですが、難関ゆえに「通る書類」にしっかりと整える必要があります。
筆記試験は、多くの場合、様々な企業でも実施されている外部提供の試験や語学(英語)の試験が課されます。これらもやはり対策なしで高スコアを取るのは困難なため、事前に対策が必要となります。
二次選考~三次選考
二次選考、三次選考は面接となります。
総合商社では、コンサルファームのようなケース面接が行われることはほぼありません。
独特な面接が行われることも多くなく、一般的な面接ですが、その中でしっかりとアピールする必要があります。
また、総合商社の面接では、企業文化とのフィット感が重要視される傾向にあります。
特に最終面接では「なぜ商社なのか、その中でもなぜその企業なのか」という質問を厳しく見られる傾向にあり、これにしっかりと論理的に回答するのは、対策なしには非常に困難です。
コンコードでは、豊富な大手総合商社のへの転職支援の実績から、書類から面接までしっかりと根拠のある準備、対策を行っています。総合商社への転職にご興味をお持ちの方は、お気軽に無料相談にお申し込みください。
大手日系企業へのポストコンサル転職[徹底解説]