ネット系企業の成長請負人~今、ポストコンサルに求められる8つのこと⑦

ネット系企業の成長請負人

ポストコンサルの転職先として、リーマンショック以後、脚光を浴びてきたのがインターネット系成長企業です。
日本においては、ITバブル崩壊の影響が限定的だったこと、SNSの台頭などにより、様々なネット系企業が大きな躍進を遂げてきました。

リーマンショック後、それまでポストコンサルの転職先として有力視されていた外資系企業や投資銀行などの採用が一気に冷え込みました。
新規採用を停止したり、大規模なリストラや事業部門を閉鎖したりする企業が相次ぐ中、インターネット系企業には、多くのポストコンサルが集まりました。
不況下でも成長を続けていたインターネット系企業は、高い給与水準とポジションを提示することができたためです。

現在、外資系企業、投資銀行、投資ファンドの採用が再開されて、活発になっていますが、他業界をはるかに上回るスピードで成長を続けるインターネット系企業は、今なお転職市場において圧倒的な存在感を示しています。

インターネット系成長企業がポストコンサルの採用を積極的に行ってきたのは、以下のような採用ニーズがあったからです。

定量的観点で議論ができるパートナー

定量的観点で議論ができるパートナー

インターネットでは、アクセス解析などからリアルタイムであらゆるデータが取得可能です。そこで、こうした多様なデータを分析し、それを基に経営課題をともに解決していく存在が成長企業の経営者から求められています。
定量的データの分析はポストコンサルの得意分野であるため、こうした企業のニーズとポストコンサルのスキルは合致します。

経営陣と同世代で経営全体を理解できる部下

インターネット系企業の多くは、20代~30代という若い経営陣を中心運営されています。
一方、20代~30代前半で経営に関するスキルを持つ人材は、一般的な日系企業では決して多くはありません。
そのため、これらの企業の経営陣と同世代あるいは歳下で、事業や経営について理解し、議論できるような人材を探すことはかなり難しいことでした。
しかし、ポストコンサルであれば、コンサルタントとして様々な企業の経営課題を解決する経験を積んでおり、20代~30代という若さであっても「経営のプロ」として、こうした企業のニーズにぴったりとマッチします。

新規事業・海外事業を任せられる責任者

インターネット系ビジネスの最も大きな特徴のひとつに、事業展開の速さと海外展開が比較的容易な点が挙げられます。
そのため、次々にサービスをリリースしたり、ビジネス立ち上げ当初から海外展開を視野に入れていたりする企業が多く存在します。
ポストコンサルには、新規事業立ち上げや、グローバルプロジェクトを経験している人が多く、このニーズを満たせる人材が豊富です。

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一方で、ポストコンサルにとっても、インターネット系企業は魅力的です。
いくつかのネット系企業がダイナミックな成長を遂げてきたことが示すように、インターネットを利用したビジネスでは、小さな拠点と最低限のインフラでも全国や世界を相手に、大きなビジネスを展開していくことができる可能性があります。
スタートアップや成長途上、あるいは停滞期に入ったサービス、企業をブレークスルーさせる成長請負人として大きな仕事を行うことができます。
加えて、現在、事業会社で最も高額な年収を提示できるのは、インターネット系の成長企業という点もあります。

また、ほとんどのビジネスにおいて、インターネットを利用することは避けて通れない現状から、ネット系成長企業で経験を積むことは、今後のキャリア設計においても、非常に有効なキャリアとなります。
特にネット集客をはじめとするデジタルマーケティングは、その成否が事業自体に大きな影響を及ぼす場合が多く、すでに経営において重要な要素となっています。たとえば起業を最終的なゴールとするキャリア設計において、こうしたスキルを身に着けるために、ネット系企業をルートに組み込むことは、非常に合理的かつ現実的な手法のひとつと言えます。
インターネット系成長企業で働くことは、こうした長期的な視点でも、有用性が高いのが特徴です。

このように、インターネット系の成長企業は、高い報酬を得ながら、社会にインパクトを与えることができるキャリア、さらには、今後のキャリアの可能性を広げるポジションとして、ポストコンサルの有力な転職先となっているのです。

Index ー今、ポストコンサルに求められる8つのことー

著者/監修者

blankコンコード キャリアガイド編集部(著)

ビジネスリーダーのキャリア支援に豊富な実績を持つコンコードのコンテンツ編集チームです。独自のナレッジやキャリア設計法、転職市場の最新情報を、わかりやすくご紹介します。