マーサー、2022年度の日本総報酬サーベイ結果を発表
マーサージャパンは2022年11月、日本における報酬に関する市場調査「Total Remuneration Survey」の2022年版レポートを発表した。近年のデジタル化やグローバル化、少子高齢化等のメガトレンドを受け、ジョブ型雇用が日本の労働市場に定着したことで、ウクライナ情勢や円安、物価高騰など先行き不透明な状況においても優秀人材確保のため、企業が報酬の透明性と外部競争力を維持する重要性が増しているためである。
調査の参加企業は1021社(昨年比158社増)と過去最多となった。このうち日系企業は430社(昨年比128社増)と全体の約4割に達した。特にハイテク産業や金融業界、消費財業界を中心に参加企業は増加した。日系企業の課長の賞与込みの年収は1,040万円(昨年比+1%)、部長は1,377万円(昨年比+1%)であった。日系企業と外資系企業の年収水準を2021年水準と比較するといずれも上昇しているが、日系企業の上昇率は外資系企業に比べ、緩やかである。また、昇給予算の中央値は2021年が1.9%、2022年は2.0%と例年並みの水準にとどまり、物価上昇の影響は限定的であった。職種別に日系企業、外資系企業の年収(手当・賞与込み)を比較するとデータアナリティクス、法務の報酬は全職種中央値を上回っている。外資系企業の方が日系企業よりも職種別報酬差が大きい。日系企業でも獲得競争が激しいデータアナリティクス職種では入社1-5年目の報酬で全職種と8.0%程度の報酬差が生じるが、2021年度水準と比較すると市場昇給予算(2.0%)程度の昇給にとどまった。