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#4 まちづくりイノベーターになるためのキャリア戦略とは?

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#4 まちづくりイノベーターになるためのキャリア戦略とは?

まちづくりイノベーターになるためのキャリア戦略とは?

藤原:
全部ひとりで1から100まで、色んなところに目を配って、社会的な価値をもって、地域の人たちの意見をつなげて、統括していく力が大切なのですね。
「問題解決力」、「ファシリテーション力」、「コンテンツ制作力」が不可欠だと渡辺さんからお話いただきましたが、どういう経験すれば、そういう人になっていけるのでしょうか?

渡辺:
ここがこのセッションの重要なところだと思います(笑)。
「要はやる気が重要だよね」とよく言われます。「やるか、やらないかだ」と。
確かに最終的にはそうなのですが、まちづくりイノベーターあるいは社会変革をリードされているみなさんの成功事例を見てみると、十分な経験やネットワークを持った状態で仕掛けているケースが多いのです。
先ほど出たような「キャリアの階段」のようなステップを経て、それからやっていくということが大切だと思います。

ではそのために、具体的にどういうようなところへ行けばいいのかという話ですが、一つは、まさに平野さんがいらっしゃったような経営コンサルティングの世界は非常に良いです。
先ほど挙がった3つの能力を身に着けるのにとても良い環境です。

渡辺

まず、日々経営課題を解決する場ですので、一つ目の問題解決力が磨かれます。
2つ目のファシリテーション力ですが、経営コンサルの仕事は、クライアント企業に色々提案して、動いて頂かなければならない。
指示をして、クライアントに動いてもらう訳ではありません。クライアント企業の方に「なるほどね。確かにそういうふうにやったらうまくいくよね」と納得して動いて頂く必要があります。
相手の心を考え、価値観を理解した上でうまくリードしていかなければいけないので、ファシリテーション能力が身に付きます。

3つ目のコンテンツ制作力。
経営コンサルは、プレゼン資料や報告書というかたちで、クライアント企業の皆さんに動いていただくための資料を最終的に作成します。
しかもクライアント企業は大企業ですので、柔軟に動いてくれる方ばかりでもありません。
そういった人も含めて納得いただけるように、分かりやすく論理的な資料をちゃんと作らなければいけない。
こういうことを、先輩コンサルタントについて、一から叩き込まれていくという修業をします。

これらのスキルが身に付くということが経営コンサルの世界の良い点ですが、もう一つ良い点が、実は多くの方にその門戸が開かれているということです。
意外と思われるかもしれませんけど、平野さんがいらっしゃったブーズのような戦略系ファーム、あるいは、マッキンゼーやアクセンチュアなどでは、ポテンシャル採用をしているのです。
特別な経験がないと、絶対に採用しないよということではなく、問題解決能力やリーダーシップというベースの素養があれば、十分に入ることが可能な業界なのです。
例えば、システムエンジニアでも入れますし、営業の方でも良いですし、経営企画の方でも良いのですし、研究1本で民間企業では働いたことないという人でも可能だったりします。

藤原:
そういう方でコンサルティングファームに入られている方はいらっしゃるのですか?

渡辺:
いらっしゃいます。お医者さんもいます(笑)。
色々な業界、色々な職種から入ることができます。
さらに卒業してからのキャリアの幅も広い。
今回は、まちづくりイノベーターの話をしていますが、それに限らず、通常の起業をしている方もいらっしゃいますし、外資系企業のエグゼクティブになる方もいますし、投資ファンドにいく方もいますし、一般の事業会社にいく方もいます。

色々な業界から入れて、色々な業界に行けるので、ハブ空港になぞらえて、弊社では「ハブキャリア」と呼んでいます。
このようなキャリアパスが経営コンサルティングの世界にはあります。

また、あくまで経営コンサルはハブキャリアの一例です。
最近注目されているハブキャリアは、ネット系の業界です。
インターネット系の業界も色々な職種の方が入ることができ、インターネットビジネスの事業経験を積むと、色々な業界に転身することが可能です。
そして、社会変革を起こす起業をする上でも、非常に良いキャリアだと思いますね。

ハブキャリア

藤原:
すごく色々なヒントが詰まっているお話を伺ったと思います。
平野さんからも、コンサルタントとしての経験が活かせているからこそ、今があるというお話頂いていました。
その経験を持ってして、今お仕事をしていて良かったなと思うことは多いですか?

平野:
自分の場合は最初がクリエイティブな仕事だったので、コンサルティング会社で務めていたことで役に立ったなと思うことは、すごくたくさんありますね。
まわりで活躍している人たちは色々なタイプの方がいますが、こういった業界に飛び込む前にどのような仕事をしていたかということが、その後その人がどういう活動していくかということにすごく直結している気がしています。

例えば、農業をやっている人が僕の地域にもいますが、農業をやっている人は製造業出身であったりすることが多いのです。
農業も製造業も、どうやって計画的に生産していくかという点が、とても大切な能力であったりするので、製造業と農業は近しい関係にあるように思います。
私のようにコンサルティングやクリエイティブな仕事やっていた人間は、あんまりたぶん農業に向かなくて、農業の手伝いとかすると怒られちゃったりするんですよ(一同笑)。

平野

一方で、マーケティングの仕事や広告関係の仕事をしていた人は、情報発信やマーケティングをしていくということにはすごく向いています。
また、ITやSEの仕事をしていて、一旦地域起こし協力隊という形で色々な仕事をしたけれども、最終的にはシステムの技術を使って地域の仕事を作っていくということをやっている方もいらっしゃいます。

コンサルティング会社はすごくオールマイティな能力が要求され、身につけられるところなので、一つのキャリアとしてとても良いと思います。
一方で、皆さんがそれぞれお仕事をされている中で、その業界の中でやってこられた仕事が必ず何らかの形で強みとなっているところがあると思います。
あとはそこで足りないものを、次のキャリアでどう補うだとか、実際にまちづくりイノベーターの人たちがどのような活動をしているかという現場を見た上で、キャリアを考えることが大切だと思います。
すぐに飛び込もうと思って焦ると、あまりロクなことがないので(笑)、将来を見据えながら、キャリア戦略を考えるのが良いと思います。

藤原:
長期的なライフ・プランを立てるというのが大事なところですね。

平野:
中々計画通りにはいかないのですけど、「だけど、やっぱりこっちの方向だ」と諦めずに見続けていると、情報が入ってきますし、そっちの方向に近づいていくと思います。

藤原:
渡辺さん、いかがですか?

渡辺:
まさにその通りですね。
社会変革とかNPOとかに限らないのですが、起業されている経営者の皆さんも、その方の過去のご経験を活かしながら事業をやって成功されているということが大半なのです。
地域創生の領域で大活躍されているある起業家の方がいらっしゃいます。
その方がはじめに立ち上げた事業は、今までのご経験と関係のないネット系の事業で、あまりうまくいきませんでした。
二つ目の事業もそれほどうまくはいきませんでした。
その方は、前職時に日本の中小メーカーがどういったことに悩んでいるのか、その中小メーカーの優れた技術を誰が知っているのかを、仕事を通じて知っていました。
そこでその中小メーカーの優れた技術を活用して、地域創生する事業を三つ目に取り組み、立ち上げた瞬間に大ブレイクして、とても順調に成長しています。

実はこういった起業家の方は少なくありません。
はじめは「こんなことをやったら当たるんじゃないか」とスタートしてみる。
でも結局は、今まで自分が大切にしていたことと経営ノウハウをミックスして成功する。こういうパターンが多く見られます。

過去の経験を活かしながら事業を成功させる

藤原:
染みついていることが必ずしも悪いということではなくて、活かしていくことができるということですね。

渡辺:
そうです。もともとその仕事をやっていたのは、その仕事のなんらかが好きだからです。
そういうところを手放さずに、あとはそれに足りないものがあれば足して参入していくと良いです。

#5 今後の展望

平野 彰秀【石徹白農業用水農業協同組合参事】

平野 彰秀【石徹白農業用水農業協同組合参事】

岐阜市出身。東京大学工学部都市工学科卒、同大学院環境学修士。 北山創造研究所、ブーズ・アレン・ハミルトンを経て、2008年春、岐阜へUターン。 2011年秋、人口約250人の集落・岐阜県郡上市白鳥町石徹白(いとしろ)に移住。 NPO法人地域再生機構副理事長、石徹白地区地域づくり協議会事務局。同年、人間力大賞(公益社団法人 日本青年会議所)受賞。


渡辺 秀和【コンコードエグゼクティブグループ 代表取締役社長 CEO】

渡辺 秀和【コンコードエグゼクティブグループ 代表取締役社長 CEO】

一橋大学商学部卒業。三和総合研究所 戦略コンサルティング部門を経て、2008年、コンコードエグゼクティブグループを設立。日本ヘッドハンター大賞MVP受賞。東京大学「未来をつくるキャリアの授業」コースディレクター。著書『ビジネスエリートへのキャリア戦略』(ダイヤモンド社)など。