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#4 “経営者人材”を目指すコンサルタントが、身につけるべき視点とは?

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#4 “経営者人材”を目指すコンサルタントが、身につけるべき視点とは?

CEG 渡辺:
これまで、コンサルティングビジネスとしての御社の戦略的優位性を中心にお伺いしましたが、次は是非、ディールズストラテジーの仕事の魅力について教えて下さい。
青木さんが、戦略ファームにいらっしゃった時と今とでは、クライアントの経営者との関係性で変わったことはありますか?

PwC 青木:
まず、想定していた以上に大企業の経営トップご本人とやり取りさせて頂く機会が多いですね。
我々が担当するM&Aは、経営を左右するような大きな案件が多いですし、事業再生チームと一緒にクライシスに対応する事業売却戦略を扱うことがありますが、これも経営のトップイシューとして扱われます。
一方、戦略ファームでも、クライアントが大企業であれば、事業本部長クラスがカウンターパートのことが多いですから。

CEG 渡辺:
そのあたりは、M&Aに関する戦略を扱っているディールズストラテジーならではですね。

PwC 青木:
また、チャレンジングな案件に長く関われる点も大きな魅力だと思います。
M&Aでいうと、M&A戦略だけお願いしますとか、DDだけお願いしますといったように、スポット的な依頼が通常のファームでは多いと思います。

PwCの場合は、必ずどこかのチームが案件に関わっています。
ある有名な巨大企業同士の統合案件や業界再編に関わる案件の時も、最初の構想の段階から、ディールの実行、その後のPMIまで、常に弊社のどこかのチームが案件をリードしています。
我々ディールズストラテジーチームも、必要な際にはこのチームに加わって一緒に仕事をしていますので、業界再編が起こるきっかけ作りからクローズまでをずっと見ることが出来ます。

CEG 渡辺:
それはとてもダイナミックですね。

PwC 青木:
経営危機に陥った企業の事業をカーブアウトする案件に関わることもありますが、これは数年越しとなります。
当然、数年の間には、様々な局面でその都度違う経営課題が出てきますので、難易度がものすごく高くなります。
会社を再構築するスキームを考える過程では、PwCの事業再生のプロフェッショナル達と一緒に仕事をしたり、訴訟対応で弁護士法人も巻き込んだり、税理士法人のチームと税務メリットを一緒に考えたり、といったことも多々あります。
違うスペシャリティを持った人達と、より難易度の高い課題を解決していくのは、チャレンジングで面白いですし、専門性の幅や経験も広がります。

CEG 渡辺:
それは魅力的ですね。
先ほどの話ともつながりますが、各領域のプロフェッショナルと一緒に経営をサポートしていくということは、事業目線だけではなく、経営に関わる全ての要素を統合的に見る力が鍛えられます。
本当の意味での経営者としての力を身に付けることが出来るのではないでしょうか。

PwC 青木:
おっしゃる通りだと思います。
前職のベンチャーキャピタルで、私は経営者とずっと二人三脚で仕事をしてきました。
その中で、経営の本質は、「色々な矛盾がある中でどういう意思決定をしていくか。」というところにあると感じていました。

戦略コンサルの時には「あるべき論」を語るという、ある意味ですごくピュアな、閉ざされた世界でソリューションを考えていたと思います。
でも、実際に人の顔を思い浮かべながら組織を動かして戦略を実現しようとすると矛盾が生まれることもあります。
あるいは、法的な対応に迫られて、あるべき論と矛盾することもあったりします。
色々な角度で物事を見ると、それぞれ出てくる答えが違っていて、そこには色々な矛盾があります。
経営者は、絶対的な100点の解がない中で、ベストな解を選ばなければならない。それは、すごく難しいことなのです。

各領域のプロフェッショナルがそれぞれの視点から出したアドバイスを、我々が総合的に勘案した戦略を提案することで、経営者にベストな解を選んでいただけるようにサポートすることが出来ます。
そういう意味では、我々が日々考えていることは、経営者が考えるレイヤーに極めて近いと思います。

CEG 渡辺:
「将来は経営者になりたい。」と考えているコンサルティングファームにいる方にとって、とても良い経験を積める環境ですよね。
以前、戦略ファームからPEファンドに移られた方から、大変興味深いお話を聞きました。

その方は、ファームにいた際に、クライアント企業の社長が自分達とのミーティングにほとんど出てこないことをずっと疑問に思っていたそうです。
企業の戦略というとても重要なテーマの会議に出てこないで、社長は一体何をしているんだろうと。

その後、PEファンドに入って、事業を実際に率いるようになって、謎が解けたそうです。
社長は、戦略コンサルタントが扱う「事業目線の話」よりも、ずっと多くの重いテーマで悩んでいたことに気づいたそうです。
例えば、社内のキーマンの処遇、訴訟リスク、税務のことなど様々な重いテーマがあります。

一見すると税務って重要度が低そうですが、実は税務を工夫することによるコスト削減効果はとても大きいものです。
成功するか否かわからない事業戦略の見直しよりも、短期的に手堅く企業の利益に直結しますしね。

PwC 青木:
おっしゃるとおりですね。

CEG 渡辺:
リーマン・ショックみたいなことが起こって市況が著しく悪くなった場合、景気と連動する人材派遣業のようなビジネスは大きなダメージを受けますよね。
でも、人材派遣会社を持っているオーナー社長からすると、それを事前に想定できれば、会社を売却したっていいわけです。
このようなことも含めて、社長は選択肢を持っています。
「この事業を伸ばすにはどうすればよいか」という成長戦略を考えるコンサルタントの目線はとても大切ですが、経営全体から見ればあくまで一部分です。
一方、各領域の専門家の見解を統合して提案する御社であれば、経営者と同じレイヤーの考え方を学んでいけるのでしょうね。

PwC 青木:
はい、そう思います。
また、先程申し上げましたように、何年も長くサポートさせて頂くケースが非常に多いので、自分たちが提言したことのうち、どれが実現されて、どれがお蔵入りになったかという変遷も分かります。
そうするとコンサルタントとして、あれはなぜお蔵入りになったのか、と反省も出来ます(笑)。

#5 グローバルネットワークを持つPwCならではの人材育成制度と海外でのキャリア

青木 義則|PwCアドバイザリー合同会社 ディールズストラテジー・リーダー/パートナー

青木 義則|PwCアドバイザリー合同会社 ディールズストラテジー・リーダー/パートナー

IBM東京基礎研究所での勤務を経て、外資系戦略コンサルファームにて多数のプロジェクトをリード。その後、独立系投資会社を経て、プライスウォーターハウスクーパース株式会社(現PwCアドバイザリー合同会社)に入社。現在は、ディールズストラテジー部門のリーダーとして、M&A戦略からビジネスデューデリジェンス、統合後の戦略再構築など、M&Aにかかる戦略課題を中心にクライアント企業を総合的に支援している。博士(工学)。