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#3 政治家が失脚する意外な理由とは?

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#3 政治家が失脚する意外な理由とは?

渡辺:
実際に政治家になってみると、どんな感じなの?

津村議員:
やっぱり、どんな仕事でも同じだと思うけれど、政治家に「なる」ということと「続ける」ということは全く違うよね。
「なる」時の0を1にする労力とか勇気とかは、やっぱりすごいものだよね。もう一回やれと言われても、無理だなと思う位に。

一方で、「続ける」ということは、そういう瞬発力的な、短期間だからこそできる馬鹿力とは違う色々な要素が出てくる。
お陰様で政治家になって12年が過ぎたけど、例えば自分の心身の安定のことも影響があるよね。
人間だから、メンタルも含めて頑張れる時と頑張れない時があるし、体力的なところが気になる時もあるし、親の健康状態とかも関係する。

渡辺:
そうだよね。特に44、45歳にもなるとね。

津村議員:
あとはやっぱり秘書さんの存在が大きいね。
一緒に頑張ってくれている公設秘書の3人がみんな10年選手だっていうのは、僕にとってものすごく大きな財産だと思う。
支援者の方や同僚議員や霞ヶ関の方々との関係というのも、僕だけでは到底維持出来ない。
それを秘書さんたちが長い時間をかけながら丁寧にやってくれているんだ。

渡辺:
お金に関することも政治はいろいろありそうだよね。

津村議員:
そう、そう。政治家は支持率で浮き沈みがある。
その上、決して日本全体の経済が大きくなっているとは言えない中で、政治家のお給料だけが増えるはずもない。むしろ削減傾向にあるよね。
そうなると、折角長く務めてくれている秘書さんたちのお給料も、残念ながら上げることが難しい面がある。
そうは言っても、政治家はいろいろな方々と長い時間をかけて信頼を築いていくことが大切だからね。継続していくのは、なかなか大変だよね。

渡辺:
そうか…。どんな仕事も続けるのは大変だけど、政治家には特にそれを感じるよね。
何年かに一回落ちるかもしれない選挙という大勝負が来る。
そこは、大企業のビジネスパーソンと違うところだよね。

津村議員:
そうだね。民主党政権の頃は、ざっくりで言うと、年間でだいたい5000万円程度の事務所経費があって、収入、支出ともに5000万円規模の政治活動をしていた。
事務所を借りる、秘書さんを10人雇う、印刷物を刷って、ポスターも刷って、発信もするというのが年間5000万のボリュームだった時があった。
ところが民主党政権が転落して、今は4000万円くらいになって、1000万円くらい減ってしまった。
票と一緒に、カンパも減っちゃったんだよね。

渡辺:
それは大変だ。

津村議員:
このように、収入源の2割が突然なくなるとかいうこともあって、結構浮き沈みがある。
貯金をして蓄えておけばいいということではあるのだけれど、やはり選挙の時には全力投球したいというのもあるからね。
貯金をする余裕はなかなか出てこない。

渡辺:
余力を残して落ちたら意味がない。

津村議員:
ビジネスの世界でも、もちろんそういうことはあると思っているよ。
だけど、政治家になって、こういう問題と直面するということは、政治家になる前には思い及ばなかった部分だよね(笑)。

渡辺:
政治家の仕事って、ルールメイキングといういわゆる政治家らしい仕事もあるわけだけど、一方で「事務所の経営者」という側面もかなりあるというわけだ。

津村議員:
政治家が失脚する代表的なパターンというのは二つあると思う。

一つは自分でひどい失言や政策的な失敗をされる方。
でもこれはよほど注目される方じゃないと、そもそもメディアに取り上げてもらえない(笑)。

もう一つは、事務所をうまく切り盛りできなくて失脚する方。実はこういう政治家はたくさんいるんだ。
秘書さんが居着かないと、後援会も作れないから、固定票が作れない。
そういう風頼みの選挙だと二回も三回も連続では勝てない。
かなり残念なケースでは、秘書さんがトラブルで辞めた時に、「あの人こんなずるいことをしていますよ」と外で悪口を言われるというのもある。
さらに言うと、甘利さんのケースみたいに、秘書さんに両目つむって任せていたりすると、政治家が全く知らない悪いことをやっていて、びっくりということもある。

渡辺:
なるほどね。そういう点は、起業家ととても似ていると思うな。
僕も今の会社を立ち上げて8年経つのだけれど、採用や人材育成によって組織内の体制を整えることがとても重要なのだと思っている。
現場の業務や社内の細かいことに、社長が配慮しなくても大丈夫なように組織を育てていく。
これはとても大変なことだけど、そういう体制を早く整えないと、社長がいつまでも外向けの活動や未来のことに十分なパワーを割けないからかえって効率が悪い。
でも、目先の業績が気になるので、売上をつくる、マーケティングを行なうといった外向きの仕事ばかりに集中しちゃっている起業家が少なくない・・・。
組織づくりで失敗してうまく行かなくなる政治家が多いという話は、とても納得感があるね。

#4 政治家は日々何をしているのか?

津村啓介【衆議院議員(当選5回、岡山2区)】

津村啓介【衆議院議員(当選5回、岡山2区)】

1971年、岡山県生まれ。東京大学法学部(政治コース)卒。1994年、日本銀行入行。在職中にオックスフォード大学経営学修士(MBA)取得。2003年、初当選。2007年、世界経済フォーラムより「世界の若手リーダー250人」に選出。民主党政権時代には、内閣府大臣政務官として、新設の国家戦略室を担当。現在、国会では衆議院国土交通委員会、科学技術・イノベーション推進特別委員会に所属。


渡辺 秀和【コンコードエグゼクティブグループ 代表取締役社長 CEO】

渡辺 秀和【コンコードエグゼクティブグループ 代表取締役社長 CEO】

一橋大学卒。三和総合研究所(現:MURC)戦略コンサル部門にて最年少マネージャーとして活躍。ムービン・ストラテジック・キャリアで5年連続No.1キャリアコンサルタントとして活躍後、2008年に当社を設立。2014年著書「ビジネスエリートへのキャリア戦略」を出版。コンサル業界・ファンド・事業会社幹部・起業家などへ1000人を越える相談者の転身を支援。