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#2 社会課題を解決しながら、ビジネスに勝つ――DTC流のストラテジーコンサルティングとは?

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#2 社会課題を解決しながら、ビジネスに勝つ――DTC流のストラテジーコンサルティングとは?

デロイト トーマツ コンサルティング プレミア インタビュー

DTC プレミア インタビュー

CEG佐藤御社のストラテジーチームの一つの魅力は、ピュアな戦略に加えて、他ファームではあまり取り扱わない新しい戦略テーマまでを扱う点かと思います。クライアントや社会へ与えるインパクトはどういったものなのでしょうか。そのような観点も含めて、同チームの特徴やプロジェクト内容についてお話いただけますでしょうか。

DTC藤井まず、我々が目指しているのは「次の世代に残る何かをつくる」ことです。当社のオフィスエントランスには「100年先に続くバリューを、日本から。」というスローガンが掲げられていますが、まさにそれです。
これを実現するために、我々は三つの視点を持っています。一つ目はいわゆるコアな経営戦略・事業戦略のプロジェクトです。二つ目が、少し他社とは異なる特徴的なところで、我々が「エッジ」と呼んでいるものです。具体的には、ルール形成戦略やCSV戦略、イノベーション戦略、デジタル戦略などがこれに当たります。三つ目は、コンサルティングのビジネスモデル自体を変えるような取り組みです。たとえば、他社にないデジタルツールを作ってコンサルティングの付加価値を圧倒的に高めたり、サブスクリプション(月額制)でツール自体を継続的にクライアントに提供していくというものです。

CEG渡辺コンサルティングに加えてツールの提供も行うというのは、コンサルティングのビジネスモデルのイノベーションと言えますね。

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DTC羽生田私はキヤノンと戦略コンサルティングファームで働き、旧来型の経営戦略論だけでは日本の経済・産業の非連続な強化は難しいと感じました。
もちろん戦略策定のプロジェクトは今後も必要です。ですが、国内、海外ともにコンサルティングファームが提供する戦略支援自体がコモディティになりつつあることも事実です。新たなツールを身に着ける必要が出てきている。私が手掛ける「ルール形成戦略」もそのツールの一つですね。ルール形成は、競争軸の物差しを一気に変えてしまうことが出来ます。

CEG渡辺なるほど。将棋で例えると、コツコツと将棋の腕を磨いて勝つという方法だけではなくて、いきなり将棋盤をひっくり返して勝つ方法もあるということですね(一同笑)。

DTC羽生田まさにそうです。これにより、海外で負けてきた日本企業に対して、新しい評価のフィールドを提供することができるのです。たとえば、日本の省エネ技術を正しく測る基準の作成がそれに当たります。省エネ技術の評価は、実はその計測方法に強く依存しています。最大の出力と最小の出力の差だけを測るのであれば、スリープモードが深い中国製品に軍配が上がることがあります。ですが、年間を通して省エネ性能を測ると、インバータで最適化されている日本製品が一番になったりもします。物差し次第で「一番」は簡単に変わってしまいます。このような「測り方」「ルール形成」で日本企業は海外で負けている例が多くあるのです。

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CEG渡辺それはとてももったいないことですね。従来、製品の魅力を伝えたり認知を図ったりするのはマーケティングの領域で扱われていましたが、現在では「物差しを変える」という方法もあるのですね。

DTC藤井従来型の事業戦略だけでは海外市場で苦戦する日本企業に、我々が支援する場合のアプローチ方法は、大きく二つあります。一つは今話に挙がったルール形成により勝てる環境を自ら創り出していくという方法。もう一つは、現地の社会課題にビジネスモデルを通してアプローチすることで現地に深く根差したビジネスモデルのイノベーションを図っていく方法です。我々は、戦略コンサルティングにおけるパートナーという立場で、国連をはじめとした国際機関や国際NGOとのネットワークを作っているユニークなファームでもあります。デロイトのネットワークにある現地政府とのパイプも活かして、自社の事業としてだけでなく現地の課題解決にも有効なビジネスモデルを「トライセクター」(ビジネス、パブリック、ソーシャルの3つのセクター)で巻き込みながら構築していくことを目指しています。

CEG渡辺新興国へ進出する際に、外資系企業が時々採る手法ですね。

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DTC藤井おっしゃるとおりです。例えばサムスンは、アフリカで1兆円規模のビジネスを既に作っています。歴史的には日本の製品の方が早くアフリカ市場に参入していたものの、圧倒的なポジションをサムスンが築けた背景には、単に彼らの製品を売るだけではなく、現地政府と強力なネットワークを築き、現地の社会課題解決にも投資をしてきた事実があります。人材育成や雇用環境に関して大きな課題を抱えるアフリカで、主要地域の現地政府や大学とともにエレクトロニクス産業に従事しうる人材育成に長年投資をしてきています。これは単なるCSRではなく、実際にサムスン製品を販売しアフターマーケットでサービスを担当する人材を確保することを狙った中長期的な大戦略だったわけです。

CEG渡辺企業の戦略としては、開拓した市場でのシェアを確保できるので効果的です。そのうえ、その国の教育水準が上がり、結果的に社会課題の解決、産業創出の機会にもなりますよね。

DTC羽生田ルール形成からイノベーションが引き起こされ、それが社会課題の解決に繋がる場合もあります。水不足の改善が良い例です。水不足の地域において、水の使用量が多い企業に対して税率を上げる、罰金を課すというようなルールができたとします。これは、企業に対して水をあまり使わなくてすむような製品の開発を促します。製造業の洗浄工程で水が大量に使われる、あるいは牛1頭を育てるのに水が何トンも必要だというような状況に対して、改善のメスが入るわけです。これこそがイノベーションなのです。

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CEG渡辺企業のイノベーションによって、水不足が解消に向かえば、農業が発展し、地域の発展につながっていくわけですね。

DTC羽生田まさにそうです。我々はビジネスコンサルタントですから、この過程においてビジネスモデルにイノベーションを起こします。そもそも、本来なぜ政府や公共機関が社会課題解決を担ってきたかと言えば、その社会課題の解決プロセスにおいて、これまでのやりかたでは誰もマネタイズできないからです。そこに我々がクライアントとともに新たなビジネスモデルを導入することで、新たな経済合理性を生み出す。これが、我々が目指している「ストラテジー」です。これをストラテジーと呼ばずして何をストラテジーと呼ぶのかというのが我々の思いですね。

CEG渡辺社会課題の解決にむけてパブリックセクターやソーシャルセクターを巻き込む。そして、その仕掛けによって、クライアント企業のビジネスに長期にわたる大きな価値をもたらす。まさに従来の戦略コンサルティングの枠を超えたストラテジーですね。

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DTC藤井我々はCSRの延長ではない「戦略としてのCSV」を長年提唱しています。「社会課題を解決しながら、ビジネスでも競争優位に立つ」ということです。CSVもようやく日本で浸透し始めましたが、クライアントがCSVを目指していても、残念ながら実現のためのソリューションやケイパビリティが足りない場合が少なくありません。そこで私たちは、パブリックセクターやソーシャルセクターとのパートナーシップや、ルール形成戦略、イノベーション戦略など、DTCのストラテジーとして長年蓄積した様々なソリューションを組み合わせて提供することで、クライアントの長期的な競争優位の構築に貢献するコンサルティングをしていきたいと思っています。

DTC羽生田旧来型の競争戦略ツールの範疇で考えている人からすれば、このようなアプローチは一見“反則技”とも思えるかもしれません。ですが、グローバルな競争で本当に勝つためにはこれをやるべきで、実際に世界はそうやって戦っているわけです。コンサルタント経験者の方にとってこのようなツールがあることは大きな魅力となると思います。
他方で、戦略コンサルタントとして成長していくためには、そういう特殊な必殺技だけを目指すのではなくて、ちゃんと足腰を鍛えていくことも大切ですし、もちろんそこはしっかりと取り組んでいます。全てのプロジェクトがエッジの先端部分のテーマというわけではありません。戦略コンサルタントとして基本的なスキルが身についている前提での尖ったテーマへの着手ですので、若いうちにそういった力を身に着けたいというコンサルタント未経験者の方にも、DTCは良い環境なんじゃないかかと思います。

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CEG渡辺社会課題を解決したいという想いがありながら、マネタイズができずにCSRにとどまっている状況が多い中、短期的なマネタイズも含めてビジネスモデルを変えていくことで、それを可能にする。非常に社会貢献性が高いコンサルティングですよね。

#3 ここまで進んでいる!“デジタルツール”によるコンサルビジネスの進化

藤井 剛 | Takeshi Fujii 【ストラテジー リーダー】

藤井 剛 | Takeshi Fujii 【ストラテジー リーダー】

電機、自動車、航空、消費財、ヘルスケアなど幅広い業種の日本企業において、「成長創出」「イノベーション」を基軸に、成長戦略の策定や新規事業開発、海外市場展開、組織・オペレーション改革等のコンサルティングに従事。社会課題を起点にした新事業創造や、地方自治体・複数企業を核とした地域産業創造に多くの経験を有する。 主な著書に「Creating Shared Value : CSV時代のイノベーション戦略」。その他著書、メディアへの寄稿、セミナー講演多数。


​​羽生田 慶介 | Keisuke Hanyuda 【レギュラトリーストラテジーリーダー】

​​羽生田 慶介 | Keisuke Hanyuda 【レギュラトリーストラテジーリーダー】

経済産業省にてアジア各国との経済連携(FTA・EPA)交渉に従事したのち、米国系戦略コンサルティングファームにて経営戦略、事業戦略、新規事業開発、M&Aデューデリジェンスのプロジェクトを数多くリード。企業競争力や収益力に直結するルール(規制・標準)を梃子にする戦略策定、渉外支援に取り組んでいる。共著にて「最強のシナリオプランニング」執筆、その他メディアへの寄稿、識者コメント、セミナー講演多数。