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#6 “トライセクターリーダー”が社会を変える

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#6 “トライセクターリーダー”が社会を変える

渡辺:
NPOキャリアを考える上で欠かせないものとして、「トライセクターリーダー」というキーワードが話題になっていますね。

小沼:
そうですね。

渡辺:
小沼君はよく知っていることだけど、民間企業と政府と非営利団体という異なるセクターを渡り歩きながら作るキャリアのことで、三つのセクターをまたぐので“トライセクター”と言われているんですよね。
例えば、民間企業側にいた人が、政府系機関の動き方や、NPOの動き方が分かることによって、それらの力もうまく活用することによって、社会全体を効率よく良くしていける。
そういうことができるリーダーになろうという話ですね。

小沼:
民間企業や政府といったひとつの枠に閉じこもって考えていると、できることに限界が出てしまいます。

渡辺:
社会的な問題を解く際、民間企業の枠にとらわれないのは、とても強いよね。

これは個人のキャリアの話だけではなくて、数年前から、日本のコンサルティング業界でも、企業と政府を結びつけながら改革する動きが見られるね。
今までの企業は、政府が用意する政策や規制に合わせて活動するのが当たり前だった。
それが、政府も民間企業が何を望んでいるのかを知りたい、民間企業も要望を聞いて欲しいと変わってきた。一緒になって良いルールをつくろうと。
両者をつなぐことで、民間企業としても様々な制限を取り払った事業をつくることが可能になってくる。
今、こういうコンサルティングをシンクタンクやドリームインキュベータ、デロイトトーマツコンサルティング(DTC)などが取り組んでいるね。

小沼:
まさに先日、DTCと共催でイベントを開催させて頂きました。
それもトライセクター時代を象徴しているなと思います。

そのイベントではGEの熊谷社長が基調講演をされたんですが、同社はエコマジネーションという戦略をつくり、エコをビジネスにする仕組みを作って大成功しています。
このような事業をつくろうとすると、セクターをまたいでいろんなことを発想できないと難しいです。
同様の思考を21世紀のビジネスエリートは持つ必要があると思います。
そういう意味で、三つのセクターを渡り歩いたようなキャリアを持つことはすごく価値があると思います。

渡辺:
まさにそうだよね。社会をより良くしたいという人には、セクターをまたいだキャリアにぜひ注目して頂きたいと思う。
そう考えると、NPOはとても良いステージになるよね。
日本においては政府系のキャリアはあまりオープンではないけど、NPOキャリアならオープンだし、政府と関わる機会もある。

ただ一方で、ベンチャー企業に飛び込むのに色々と注意が必要なのと同様に、NPOに飛び込むのにも色々と注意が必要だよね。
小沼君は、どんなところに注意が必要だと考えています?

小沼:
まずは、いいNPOを見極めることが本当に大切だと思いますね。
NPOは日本だけでも5万団体以上あり、まさに有象無象です。ベンチャー企業でも、ブラック企業云々というのがありますが、それと同様です。
NPOなら良い経験を積めるというものではないので、ちゃんとしたNPOを見極めると言うことが何よりも重要かと。

渡辺:
そうそう。ベンチャー企業と同様で、良い組織とそうでない組織の差が激しいよね。
しかも、ベンチャー企業以上に注意しなければいけないのが、想いは良いんだけど、経営のけの字も分からない人が創業していて、まわっていないNPOがかなり多い。
「トライセクターリーダーとしてのキャリアを積みましょう」と言っても、そういう経営者のもとではあまり学べない。
それどころか、NPO自体がうまく回っていないので、メンバーは収入面も含めてアンハッピーだし、早々に潰れることもある。
良いリーダーが率いているNPOかどうかがとても重要だよね。

小沼:
本当にそうですよね。
それと、どういうことを志向している団体なのかが大事だと思います。
自分でやりたいことを切り拓いていくような“ビジネスエリート”の方に対しては、「社会を変える」ということを想いだけでなく、明確な戦略とともに語れるようなリーダーたちと働いて欲しいなと思います。
そういう人たちがいる組織であれば、安心だと思いますね。
特に21世紀に入ってから設立されたNPOには、他のセクターの存在を毛嫌いせずに、民間企業や行政とも協働して何か新しいものを作っていこうという考えで経営している団体が多いのです。
そのような団体に入っていけば、すごく良い未来が切り拓けるんじゃないかなと思います。

渡辺:
「ビジョンが美しくても、良い組織とは限らない」――これも、NPOに転職・就職しようという素晴らしい想いを持っている方へお伝えしておきたいことなんだよね。
これはベンチャー企業に入る場合も同じ。
ホームページやメディアの記事で、「こういう社会を作りたい」という美しいコメントが書いてあると、「良い組織だな」と素直に受け取ってしまう人が少なくない。
でも実際には、そのビジョンを実現するためのストラテジーや仕組みこそが大切。
美しいことを言うのは、口がそれなりに上手ければ簡単にできる。
むしろ、ビジョンを社会の中で実現していくことこそが難しいわけで、それをできているかを見極めるのが大切だと思う。

小沼:
「NPOイコールボランティア組織」であって、自分たちの生活を投げ打って働いているというイメージが世間にはあると思います。
もちろん、そういうNPOもあります。しかし、今日語っているキャリア戦略上に浮かび上がるNPOというのは、そういう組織ではありません。
しっかりとしたキャリアを積むことができて、回転ドアのように、クルリとビジネスにもう一回戻ることもできて、NPOと企業を行き来できるような組織です。
実際に、コンコードさんを通じてビジネスコンサルからクロスフィールズにジョインして、そしてまたコンサルティングファームへ転身した方もいました。
NPOも徐々にそういうキャリアとして捉えられるようになってきました。
また、NPOへ給与も含めて身投げするのではなくて、自分の未来をしっかり予測できるような場にしていかないとNPOは強くなっていかないでしょうね。
NPOとして強くなっていこうという想いで運営している団体に入るのであれば、リスクはそんなに高くないと思いますね。
変な話ですけど、転職先としてボランティア団体Aとクロスフィールズを比べるよりも、コンコードとクロスフィールズを比べる方が、ちゃんと考えている人かなと思います。
同じNPOというくくりだから近いというわけではない。

渡辺:
社会をより良くするために組織やチームを作っているというカテゴリーがあって、その中にクロスフィールズもあるし、コンコードもあるという感じだよね。

小沼:
そうですね。そういう正しい未来を作っていきたいと考えている方に、クロスフィールズやNPOも選択肢の一つに入れて頂いたら、面白いかも知れませんということをお伝えしたいですね。

渡辺:
一方でNPOならではの良さもあるんじゃない?

小沼:
その通りです。

渡辺:
コンコードは「株式会社」としてやっているので、「何か一緒にやりましょう」という話がメディアや政府や大学などからすぐにはこない。
社会をより良くするための器として運営していても、株式会社というだけで、警戒される感じがある(笑)。
これはNPOとの違いだと思うんだよね。

小沼:
確かに我々はいろいろな話がたくさんきます(笑)。

渡辺:
そうだよね。それはNPOの魅力の一つだと思う。
コンコードも、今回の本によって考え方やスタンスをしっかりと理解してもらえて、大学との話などが進むようになった。
これまでは、「マッキンゼーやBCGや投資ファンドへ年収が高い人を紹介して、荒稼ぎしているんじゃないの?」と警戒される感じが少なからずあったね。
本当は結構地道にやっているのにね(一同笑)。

小沼:
そうかもしれないですね。色々なところに入り込んでいけるのは、NPOのいいところだと思います。
クロスフィールズは政府とも企業ともつながりがあるので、転職をしなくてもトライセクターそれぞれの経験を積むことができます。
しかもグローバルでそれを経験できるというのもとてもエキサイティングだと思います。
現在クロスフィールズで採用している「プロジェクトマネジャー」という職種は、日本企業の人たちを、インドのIITを出ているような超優秀なリーダーたちがやっているNGOと結びつけて、プロジェクトを行なったりします。
こういう現地の素晴らしいリーダーたちと一緒に働ける経験を積めるのは、クロスフィールズでの仕事の大きな魅力だと考えています。

渡辺:
まさに社会を変えるリーダーになるための素晴らしい経験を積めるね。
もちろんクロスフィールズにそのまま残り続けてもいいし、卒業した後で自分でNPOをつくるのも良いだろうし。

小沼:
そう思います。自分たちも、ある種の教育機関として、もちろんプログラムに参加してくださる人たちに対して自分の人生が飛躍する機会になればいいと思いますし、我々の組織にいる人間に対しても全く同じことで、未来を切り拓くようなことを組織の内外でやってもらいたいと思っています。

→#7 リスクが高いといわれる現代を、二人の起業家はどう捉えているのか?

小沼大地 | Daichi Konuma【共同創業者・代表理事】

小沼大地 | Daichi Konuma【共同創業者・代表理事】

一橋大学社会学部・同大学院社会学研究科修了。青年海外協力隊(中東シリア・環境教育)に参加後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。同社では人材育成領域を専門とし、国内外の小売・製薬業界を中心とした全社改革プロジェクトなどに携わる。2011年3月、NPO法人クロスフィールズ設立のため独立。世界経済フォーラム(ダボス会議)のGlobal Shapers Community(GSC)に2011年より選出。


照沼かおり | Kaori Terunuma【事務局(広報・バックオフィス)】

照沼かおり | Kaori Terunuma【事務局(広報・バックオフィス)】

慶應義塾大学総合政策学部卒業。三井物産株式会社に約7年間勤務し、南米(ペルー・チリ)での駐在を含め、経理や内部統制など管理業務、及び南米向け金属資源投資案件のプロジェクト推進に従事。2013年8月よりクロスフィールズに参画し、広報・バックオフィスを担当。


渡辺 秀和|Hidekazu Watanabe【代表取締役社長 CEO】

渡辺 秀和|Hidekazu Watanabe【代表取締役社長 CEO】

一橋大学商学部卒業。三和総研(現:三菱UFJリサーチ&コンサルティング)戦略コンサル部門にて同社最年少マネージャーとして活躍。株式会社ムービン・ストラテジック・キャリアで5年連続No.1キャリアコンサルタントとして活躍後、2008年にコンコードエグゼクティブグループを設立。2014年著書「ビジネスエリートへのキャリア戦略」を出版。コンサル業界、ファンド、事業会社幹部、起業家などへ1000人を越える相談者の転身を支援。