#2 桜井 駿 様【シニアコンサルタント】

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#2 桜井 駿 様【シニアコンサルタント】

NTTデータ経営研究所プレミア インタビュー

CEG 山口本日は宜しくお願い致します。
まずは桜井さんのご経歴とNTTデータ経営研究所に入社するに至った背景などからお聞かせ頂けますでしょうか。

経営研 桜井新卒で、大手証券会社に入社しまして、約3年間勤務をしました。個人営業から、法人営業、その他幅広く業務を経験しました。
その後、2015年5月に当社に入社しました。当社を選んだ理由は、実はそんなにちゃんとしたものではないです(笑)。
金融機関出身として、金融業界と違った立ち位置で関与したいと思い、コンサルティング会社か、金融系のスタートアップに行こうかと迷っていた時に、当時お世話になったエージェントの方に紹介されたのと、友人が先に入って働いていたというのがあって、応募しました。
その後、うちの会社が一番選考が早く進んで最初に内定が出たのでそのまま決めました(笑)。

CEG 山口そうだったんですね(笑)

経営研 桜井結果的にはすごく良い決断だったと思っています。
入社後は金融業界向けのコンサル部門に所属していたのですが、1年半程でにビジネストランスフォーメーショングループに異動しました。

NTTデータ経営研究所

CEG 山口それは希望を出されてですか?

経営研 桜井はい、そうです。私は金融機関在職時から、FinTechと呼ばれるデジタルを軸にした金融業界の変化を肌で感じていました。
金融業界がこれまでに無い環境変化に直面する中で、既存の金融機関の良い所、悪いところを営業マンとしてフロントで経験した原体験をもとに、金融機関がよりエンドユーザー、顧客に価値提供ができるよう金融機関の一職員ではなく、パートナーとして共に変革していきたいという想いがありました。
そのような中で、入社後に、現在のチームのメンバーとプロジェクトを共にする機会がありました。
インダストリーカットではなく、企業の変革を戦略から実行まで支援する現在のチームが、私の目指したい方向にマッチしていたことから異動を希望しました。

CEG 山口なるほど。移って1年半程経ちましたが、実際、その思いは叶っていらっしゃいますか?

経営研 桜井はい、そうですね。実際、私が担当するプロジェクトも金融業界のみならず不動産や通信などさらに派生をして、拡がりを見せています。
業界を問わずに、デジタルをはじめとする環境変化に企業がどのように対応し、新しい価値を生み出すかというサポートを戦略からご一緒できるようになってきているので、良かったと思います。

CEG 山口桜井さんが、これまで手掛けられたプロジェクトの中で最も印象的だった案件について教えてください。

経営研 桜井金融機関のお客様と、リーンスタートアップという手法をベースにして事業開発を支援したプロジェクトですね。
プロジェクトの背景には、金融業界が直面する変化があります。
ひとつは金融業界にスタートアップや異業種の参入が増えている点です。
金融機関と協業・共創を前提としたスタートアップもあり金融業界がよりオープンに、イノベーションに取り組んでいこうとの動きがあります。
そうした連携をスムーズに行い、エンドユーザーにとって安全で価値あるサービスを創出するためにも金融機関によるAPIの公開が進んでいます。
APIはいわゆる「機能」のシェアであり、社会に対して融資や送金といった「機能」を担う金融機関は、単なる機能の提供会社では生き残れない時代に突入しています。
そのような環境下で改めてお金、金融とは何か、銀行は誰に対してどんな問題を解決し何を提供したいのかという根底をしっかりと考えなければならない状況になっています。

NTTデータ経営研究所

そしてもう一つは、こうした環境変化の中で、金融機関を利用するエンドユーザーの行動や価値観も常に変化している点があります。
スマホのみならず次々と新しい技術が出てくる中で、エンドユーザー自身も気づかないような潜在的なニーズをサービス化するスタートアップが誕生しています。
エンドユーザーの顧客がどのような状況に置かれ、何が問題・課題でそれをどう解決するべきか、顧客と向き合って検討することが金融機関にも求められています。
そこで、クライアントと共に、改めてお金、金融サービスについて考え、自分たちが何をしていきたいのか議論をしました。
その後、実際にサービスを提供するであろうユーザーのもとにインタビューに伺ったり、実際に現場に足を運びながら仮説検証を繰り返していきました。
机上の調査や、議論のみの仮説検証ではなく、実際に現場に足を運ぶことでよりリアリティのある事業開発に繋がりました。
現場に出向いてはそこで得た情報をもとに顧客基点で何ができるかを議論し検討する、こうしたプロセスを金融機関の方とご一緒できたことは、まさに私が目指していた姿でした。

CEG 山口面白いですね。このプロジェクトは何名くらいのチームで担当されていたのですか?

経営研 桜井私と、後もう1人です。当グループの場合、プロジェクトはだいたい2~3人で行うケースが多いですね。

CEG 山口他の大手ファームさんですと、例えば20代、30の若手の方は、調査・分析、レポート作りを中心に行って頂くなど、役割が限定的ということも聞くのですが、御社の場合、年次関係なく皆様かなり主体的に動いていらっしゃいますよね。

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経営研 桜井そうですね。特に私は特殊な動き方をしている方かもしれません。
うちの社内で見ても、自分の名前で案件を取ってきて、その案件の初期設計から提案、納品までを自身でやっているのは、早い方だと思います。

CEG 山口入社して2年半くらいですよね、それは相当早いですね(笑)。

経営研 桜井そのようになりたいと思って時間を過ごしてきたというのもあるのですが、実際にできるようになった時に任せてもらえる環境であることは、当社の特徴かと思います。

CEG 山口入社後3年弱で、自分の名前で案件を取れるっていうのは、聞いたことがないですね。

経営研 桜井実は、色々なところから転職のお話しを頂くのですが、弊社ほど自由で、全ての裁量がある中で仕事ができる環境は珍しいと思っています。
自分で取り組みたいテーマがあったり、成長していきたい方向性明確な方には素晴らしい環境だと思います。

CEG 山口桜井さんの場合、それ以外にも、書籍の出版や講演活動も精力的にこなされていますよね?

経営研 桜井そうですね。書籍は、入社後に2冊出しています。
1冊目は共著で、2冊目は1人で書く機会に恵まれました。
去年の9月に出版したのですが、すでに4刷目で、2冊合わせて数万部単位で売れています。かなり反響を頂きましたね。

有難いことに講演依頼もよく頂くので、講演活動も重点的に取り組んでいます。
入社後に100回以上の講演を実施しており、累計で3000人以上の方々に参加頂いています。
私は講演活動を、「顧客を知る」機会と位置づけています。基本的には、銀行の頭取や事業会社の経営陣・役員クラスの方向けですが、全国各地いろいろな属性の皆様のところに伺っています。
そこでお会いする様々な企業、役職の方々をお話をする中で、「企業の皆様が今どのような状況に置かれていて、何に悩んでいるのか」を知ることができます。
講演はコンサルタントの私にとって生の声を聞くことができる重要な「現場」のひとつであり、実際にたくさんの方にお会いをして対話をする中で、「コンサルタントとして私は何ができるのか」ということを考えて取り組んでいます。

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CEG 山口このような取り組みも、桜井さんが「やりたい!」と声を上げて、スタートしたということですよね?

経営研 桜井そうです。反対されたり制限されることなく、やらせてもらっていますね。ここまで極端な例は私くらいかもしれませんが、それぞれのチャレンジを許容する環境があるからこそ出来ていると思います。

CEG 山口ちなみに、差し支えない範囲で、桜井さんご自身の今後のキャリプランについてお聞かせ下さい。

経営研 桜井私は当社が掲げるミッションに加えて、「顧客開発に悩む企業の問題解決を支援する」という独自のミッションを掲げています。
製品開発ではなく、「誰が何にどのように困っていてそれをどう解決できるのか」という顧客開発に多くの企業が悩んでいます。
特に金融機関や大手企業では、既存の組織や事業があまりに大きく、実際の顧客を知るということのハードルが様々な要因から高くなっています。
そしてこの問題は企業によって本当に様々です。地道ではありますが、一社一社と深くお付き合いする中で、この問題解決をご一緒していきたいと思っています。

そして引き続き重視したいのはやはり金融業界です。
金融機関で勤めていた時の原体験からきているのですが、金融機関が及ぼす社会へのインパクトって大きいと思うんですね。
エンドユーザー・顧客の期待に応えられている部分と、応えきれていない部分がある、業界としてもっと、顧客基点、顧客本位のサービス態勢を作っていく必要があるとずっと考えていました。
そのような状況の中、金融業界にもFinTechと呼ばれるスタートアップの波がやってきました。
スタートアップの本質は「顧客の問題解決」で、徹底したユーザーファーストです。
金融機関には、個人から大企業までの顧客以外にも、規制当局、地域行政、株主、職員などステークホルダーが多く、どの視点であるべき姿を定義すべきか、これまで悩んできました。
日本でほとんどの個人、企業が利用する金融機関、金融業界で、顧客を基点にしたより便利なサービスや業界作りを今後も行っていきたいと思います。
業界作りに関しては、本業ではなく、会社に兼業として認められている一般社団法人Fintech協会という組織でもアプローチしています。

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CEG 山口金融業界を良くするために、変革を推進する、そしてクライアントと協業するということが叶っているわけですね。

経営研 桜井そうですね、実際に今は、例えば銀行の頭取の皆様とも、金融業界を取り巻く変化を踏まえてどのようにビジネスモデルを変えていくか、といった話もしています。
そこからプロジェクトがスタートすることもありますし、前職にいた時はいち職員でしかなかったですが、今は第三者の観点で情報を発信でき、専門家として経営陣の皆様と対話ができています。
これは純粋に「金融業界をより良くするためにはどうすべきか」という想いを、経営陣の皆様と共有できているからだと思います。

前置きが長くなりましたが、これからどのようなことがやりたいかと言うと、第一には金融業界の変革に引き続き注力をする、もう一つはすでに実際のプロジェクトにもなっていますが、金融と類似した業界の変革です。
「金融」という規制やルールが厳しく、いかにも「硬い」業界がこうして変化していることは、金融と同じように「人の生命や財産」に直結し、規制が厳しく業界規模が大きい不動産、建設、医療にも波及をしていると感じています。
こうした変化、変革が難しかった業界の皆様と顧客開発ができる仕組み作りをしていきたいと思っています。

CEG 山口入社後の取り組みすべてが、クライアントの為、そして桜井さんご自身の目標にもつながっていらっしゃるということが良く理解できました。
次に、グループのことについてお伺いしたいのですが、桜井さんから見たグループの良い点、もしあれば悪い点について教えてください。

経営研 桜井良い点としては、メンバーの多様性ですね。メンバーの経歴もメーカー、省庁、コンサルもいますし、私みたいに金融機関出身者もいれば、ベンチャー出身の人たちもいます。
みんなそれぞれの目標を持っているので、刺激にもなりますし良い環境だと思います。
悪い点については・・、正直思いつかないですね。

CEG 山口それは素晴らしいですね!

経営研 桜井恐らく他の仕事に比べて、労働時間は長いかもしれませんが、どこを目指していて、なぜそれをやっているのかという納得感があれば、心身ともに充実できますからね。
逆に、その点での納得感を持てないと辛いかもしれませんね。どこの会社でも同じかもしれないですが。

CEG 山口そうですね、今この仕事が目指す先にどうつながっているのか、という点が不明瞭だと辛いですよね。

経営研 桜井一方で、まだ若くて取り組みたいテーマが固まっていないという方でも良いと思います。
誰かの役に立ちたいとか、そのために自身が成長していきたいのだけれども、その対象がわからなくてモヤモヤしている。やる気やあらゆることを学ぶ素直な気持ちがある、というような人にも向いていると思います。うちのグループには、それだけの多様性とテーマがあるので、そういった方に対しても良い環境だと思います。
自分が成長して、それをクライアントやその業界、社会の役に立てて、モチベーションにできるという方には是非薦めたいです。

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CEG 山口なるほど。その環境下で働きながら、徐々にこれだ、というものが見つかれば、その領域で専門的に取り組んで行って良いということですね。

経営研 桜井そのとおりです。これ完全に余談ですけど、やっぱり本当に良い環境だと思うので、新しいことをしたい、もっと面白いことがしたいと思っている自分の知り合いとかにも薦めること多いです(笑)。

CEG 山口身近な人に薦められるというのは間違いないですね(笑)。
色々と貴重なお話しをありがとうございました。

経営研 桜井こちらこそ、ありがとうございました。

#3 川戸 温志 様 【マネージャー】

桜井 駿 | Shun Sakurai【シニアコンサルタント】桜井 駿 | Shun Sakurai【シニアコンサルタント】

大手証券会社勤務後、2015年より現職。「顧客開発に悩む大手組織の問題を解決する」をミッションに、「顧客起点」の新規事業立ち上げ、戦略立案を、営業としての現場経験と、リーンスタートアップや、デザイン思考といったアプローチを活用しながら実施している。一般社団法人Fintech協会事務局長、スタートアップ(米国)のアドバイザーも務める。

コンサルティングファームのインタビューInterview

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日本を代表するシンクタンク。大手金融機関を営業チャネルとして活用でき、営業力が非常に強い。全体的なコンサルティングスタイルとして、実行支援色が強いのが特徴。シンクタンクならではの豊富な情報・知識とコンサルティングのノウハウを融合し、各企業の課題解決に高いレベルで応えていけるのが強み。著名な研究者・エコノミスト、政界に輩出していることでも有名。
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日本を代表する大手総合シンクタンクの一つ。 コンサルティング部門の他にリサーチ部門、ITソリューション部門などを持ち、政策立案、研究からITソリューションまで、一気通貫で提供するところを特徴としています。
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日本を代表する総合シンクタンク
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ポストコンサル ワークライフバランスが良い
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