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キャリア戦略を賢く設計する③~「明確な売り」をつくる

〝丸いキャリア〟の罠

弱点をなくそうと、さまざまなスキルを満遍なく伸ばす〝丸いキャリア〟をつくろうとする人が少なくないように思います。
各分野のスキルレベルをレーダーチャートで表わすと、デコボコが少ない形になるため、〝丸いキャリア〟と呼ばれています。

ビジネスはチームや組織で行なっていますので、個人の弱点はその領域に強い他の人が補えばよいわけです。
そのため、すべて中途半端な丸いキャリアの人材よりも、特定領域に突出したスキル・能力を持つ人材こそが高い付加価値を生むと判断されます。

これが、経理を3年、営業を3年、人事を3年……というように、さまざまな分野の経験を少しずつ積む、いわゆる「ゼネラリスト」が人材市場で高い評価を得にくい所以でもあります。
人事職を採用する場合、関係ない業務の経験を何年も積んできている人よりも、人事業務を9年やっている人のほうが高い評価となるのは、自然なことでしょう。

このように〝丸いキャリア〟は、苦労の割に評価されません。
「念のため、このスキルも身につけよう」と保険をかけたつもりが、かえって自分を追い込んでしまうという本末転倒の現象が起きてしまうのです。

「明確な売り」をつくる

むしろ「この領域はやらない」という捨てる勇気を持ち、得意な領域や好きな領域に経験を集中させて伸ばすことが極めて大切です。
人材市場で高い評価を得るには、「領域を絞り、ライバルよりも高度なスキルや力を身につける」ということが基本的な考え方になります。

若いうちに、特定領域で「明確な売り」となるスキルを身につける。
その後は専門性をほとんど変えずに、経験・スキル・ネットワークが積み重なるようにする。
このような〝強みを伸ばし続ける〟キャリア設計は、何よりも苦労が少なく楽しいですし、慣れ親しんだ仕事を繰り返すことになるため、仕事の負荷も減るというメリットもあります。

経営戦略の要諦でもありますが、「戦略とは捨てること」はキャリア戦略においても金言なのです。


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