2008年秋からの世界的な景気後退を受け、2009年3月期も有効求人倍率の過去最低水準となりました。人材市場では、依然として「派遣切り」や「新卒者の内定取り消し」問題が取り沙汰されています。プロフェッショナル人材を輩出するコンサルティング・外資金融業界にもその影響は出ています。しかし、いわゆる高キャリア層である同業界の人材市場における問題は、あまり報道されていないのが現状です。
コンサルタント・外資金融業界では、金融機関の破綻が相次いだ2008年後半に採用数が激減しました。その後、2009年前半に減少傾向に歯止めがかかっているように見られます。求人数自体は低水準でありますが、景気に左右されない医療業界向けコンサルや、中小規模のM&A、コストカットに強いコンサルティング会社など採用を積極的に行う会社もあり、決して悲観的な状況ではありません。
コンサル・外資金融業界では、2008年末から多数の方が転職活動を行っています。非常に優秀な皆さんですが、採用ポジションが少ないということと、求職中のライバルの多さにより、想定していたような転職活動ができないケースも見受けられます。また、採用は決まったものの年収が下がるなど、条件面で妥協を強いられるケースも見られます。
上述の状況から、現在は、「求人数(=市場のニーズ)の減少」よりも「応募者数(=競合人材)の急増」の傾向にあると言え、これが求人倍率の最低水準に拍車をかけています。転職を考える際は、「市場・自分・他者」の3つの動きを見極めることが重要です。今から半年~1年程経てば、他者(=競合者)の動きが落ち着き、求人倍率も上向きになることもあり得ます。求人数や自分の都合で転職を考えるのではなく、他者の動きをよく見てタイミングを図ることも大切です。
このような時期はオファーが出ても、景気が良い時期と比べ、条件が良くないことも多いです。また、この時期に転職をしてしまうと、景気が良くなった時期に在職期間の短さなどから転職が難しくなって機会損失を招いてしまうこともあります。最近は、自社の業績を悲観して転職を考えられる方も見受けられますが、長い目でみて、適切なキャリア設計をしていくことが大切です。